『ハック思考』人と違う法則を見つけて世の中をハックする方法とは?

『ハック思考』人と違う法則を見つけて世の中をハックする方法とは?

 

 こんにちは、maitoです。

 新型コロナウイルス感染拡大により、在宅時間が増えた方がほとんどだと思います。SNSでは、在宅期間を利用して勉強や読書などのインプットに時間を割いている方が多く見られました。

 せっかくインプットしたのなら、きちんとアウトプットにつなげて、生まれる成果を最大限に高めたいところですよね。

 今回ご紹介する『ハック思考』では、同じインプットから大きな成果を得られるように転換効率を劇的に高めることを「ハック」と呼び、その思考法を紹介しています。

 著者の須藤憲司さんは、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ執行役員としてRING(新規事業)、ARINAm(イノベーション)、トップガン(大手営業)、経営への提言(論文)すべてを獲得して全社表彰グランドスラムを達成した方。現在はKaizen Platform, Inc.を創業し、日本、US、韓国、台湾の4拠点で、WebサービスやモバイルのUIを改善する「Kaizen Platform」などの世界的事業を展開しています。

 数々の実績を残してきた須藤さんですが、「僕自身はエンジニアでもなければ、特殊技能の持ち主でもありません。ただ、考え方のコツのようなものを持っています」と分析しています。そこのコツが世の中をハックすることであり、それができれば、誰でも成果を大きく高めることができると述べています。

 では、どうすれば自分の周りの世界をハックして、最短最速で成果を上げることができるのでしょうか?

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世界をハックする2つのステップ

 須藤さんは「世界をハックするのに複雑なプロセスは必要ない」として、

  • 人と違う規則性や法則を見つけて……①
  • その規則性や法則を構成するシステムのスキマに介入する。……②

というわずか2つのステップで実行できると述べています。

 ただし、すべてのものがハックできるわけではありません。前提として、規則性や法則がないもの、つまりルールがないものはハックできません。

 だからこそ、「まずは既存のルールを知る」ということが大切であり、ルールを知るために必要な最初のステップとして「世界を疑うこと」を挙げています。

 以下、世界を疑うハックに方法についてご紹介します。

1、人と違う規則性や法則を見つける方法

 世界を疑うには、「観察、考察、推察、洞察」という4つの察する力が必要になります。

 目の前の課題をハックするための第一歩は、この4つの力をフル活用して「ルール」を見つけることです。これが「人と違う規則性や法則」を見つけることにもつながります。

 突然ですが、みなさんは小学校の夏休み、自由研究で朝顔の観察日記をやりましたか? 本書では朝顔の成長を日記に記録するあの日々が、「世界を疑う」方法の具体例として紹介されています。

①観察

 「観察」とは、変化を見つけることです。毎日朝顔の様子を記録していれば、「芽が出ていた」「芽が昨日より伸びた」など、前日との違いを見つけることができます。

②考察

 「昨日はつぼみだった朝顔が今朝見ると咲いていた」という観察から、たとえば「花は朝に咲くものなのだろうか?」のように規則性や法則を導き出すことが「考察」です。

③推察

 考察によって導き出した規則性や法則の転用先を考えるのが「推察」です。「朝顔が朝に咲いた。ということは、他の花も朝に咲くのだろう」のように推察できます。

 そうすると現実からのフィードバックがあり、「朝に咲かない花もある」という気づきを得ます。すると今度は「朝に咲く花は他にどんなものがあるのだろうか?」という疑問が生まれ、共通点から考察を深めて規則性を見つけていくことになります。

 つまり観察、考察、推察という行為を行ったり来たりすることで、それぞれを導き出す「変化」「法則」「転用先」の精度を高めていくわけです。

④洞察

 最後の「洞察」は、観察・考察・推察を同時に行うことで、目の前で現実に起きた事象とまったく異なる因果関係に気づくことをいいます。

 たとえば「朝顔の花が朝咲く」という事実から、「朝に活動する虫が受粉を助けているか、虫の助けがいらないかのどちらかだろう」と考えるのが洞察です。花の花粉を運ぶのが虫であるという法則を知っていれば、「きっと花の開花時間は、その花粉を運ぶ虫の活動時間と合っているんだろう」という推察ができますし、「朝に活動する虫は意外と少なそうだ」といった別の推察ができると、虫の助けがいらない花である可能性にも気づくことができます。事実、朝顔は花があるのに自家受粉できる花です。これが洞察です。

 この洞察力こそ、人が気づいていない規則性や法則を見つける力となります。

 最初のうちは「観察」で止まってしまうかもしれません。しかし「考察」「推察」を繰り返していくと新たな気づきを得ることができ、より深い規則性にたどり着くことができるようになるでしょう。

2、ハックを仕掛ける5つのポイント

 世界を疑うための「視点」を手に入れたら、次はハックを仕掛けるための「方法」です。本書ではその方法を「言葉・身体性・お金と時間・組織・認知」の5つに分類しています。

 ここでは「言葉」と「お金と時間」について紹介します。

①「言葉」

 人間は、言葉ですべてのモノゴトを理解します。自分が言葉で説明できないのであれば、その概念を理解することはできませんし、人に伝えて共感を得ることもできません。

 だからこそ、言葉をハックして人の心や認識を強く揺さぶることができれば、人を動かし、大きな成果につなげることができます。

 須藤さんは、ブエノスアイレス(アルゼンチン)のラ・ボカ地区を本拠地とするサッカーチームキャプテンが、試合前にチームメイトを奮い立たせる言葉を送る様子を例に、言葉をハックすることの重要性を説いています。

 キャプテンはまず、1年間の練習の日々を振り返ります。朝早く起きて、家族と離れ、過酷な練習の日々。それらを経てここにいる、という連帯意識を共有することでチームメイトは同じ方向を向きます。そして、なぜ苦しい日々を過ごしてまで、サッカーをしているのかを問いかけるのです。

 自分たちを支援してくれた家族のことを思い浮かべ、その恩返しのために勝つ。その結論が体験から基づいたものになったことで、強い一体感が生まれ、チームメイトのテンションは高まっていきました。

 このように誰もが共感できる、普遍的・根源的な欲求をくすぐる問いが設定できれば、その言葉は、より大きな効果を発揮します。

 同じ「言葉」でも、使い方によって与える効果が大きく変わる、これが言葉をハックするということです。

②「お金と時間」

 どんな事業でも、そこに投入される資金と従業員の時間の総和を使って事業を拡大しています。この転換効率を高めることで、事業を大きく成長(グロース)させることができます。

 つまり同じ予算、同じ時間でユーザー数や売上などをいかに増やしていくかが、グロースハックの本質ということです。

 一見、事業の成長にはお金の使い方のほうが重要だと思われがちですが、須藤さんは、時間の使い方のほうが重要だといいます。時間は常に課題設定によってその使い方が変わり、アテンションの向いているほうに自然と比重が傾くため、先に時間の使い方を変えることで、お金の使い方も自然と同じ方向へシフトしていくからです。

 ではどのように時間を使えばよいかというと、「いかに事業の転換効率を高めていくかの全体像」を描くために使うことが勧められています。やみくもに打ち手を講じるのではなく、まずは自分の位置をクリアにするための地図を描くのです。

 地図を描くときには、インプットの「量」と「質」がポイントとなります。たくさん情報収集すればそれだけ比較対象ができるので、違いに気づきやすくなります。また人は新しい情報には過敏に反応するようにできているため、初めての体験をした時は、普段であれば気にならないことも、違和感としてキャッチすることができます。この違和感が全体像を描く上で、大きな意味を持っていることが多いため、新しい経験などインプットの「質」を高めることも大切です。

 事業成長への転換効率を高めるために何ができるかを考え、自分の時間の使い方を変えることこそが、最高のグロースハックだと須藤さんは述べています。

おわりに

 本書では今回ご紹介したポイント以外にも、世界をハックするために必要な視点や手法がたくさん紹介されています。

 巻末にはケーススタディも掲載されているので、ハック思考を身につけたい方やより具体的に世の中をハックするとはどういうことなのかを理解したい方は、ぜひ挑戦してください。

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