後回しにせず、すぐやる方法とは?『後回しにしない技術』【要約】

後回しにせず、すぐやる方法とは?『後回しにしない技術』【要約】




やらなきゃいけないことがあるのに、つい後回しにしてしまうことってありますよね。

そんな自分を「意志の弱い人間だ」と責め、自己嫌悪に陥る人も多いと思います。

もし、やるべきことを後回しにせず、すぐに行動に移せるようになったら、どれだけ人生が充実するでしょうか。

今回紹介する『「後回し」にしない技術』では、「実行力」とは生まれつきの資質ではなく、学んで練習すれば誰でも開発できる、一種の「技術」であるとして、その習得法を紹介しています。

いつまでも行動に移せないのは、「意志」の問題ではなく、まだ「効果的な方法」を学んでいないから。

実行力は「決心ー実行ー維持」という3段階からなり、各段階別に、実行力を高める効果的な方法が存在すると言います。

実行力が足りないと感じる方は、本書から実践のノウハウを学びましょう。

ここでは、「決心」「実行」「維持」のそれぞれについて、実行力を高める効果的な方法を紹介します。

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1.今の状態から脱する「決心」をする

変われないのは望んでいないから

後回しせずに、すぐ実行に移せる自分になりたいのに、なぜ変われないのでしょうか。

それは、今の状況が耐えられないほど苦痛ではないからです。

現状がそれほど切迫しておらず、切実に望む理由もないため、心の中でそれがまだ最優先になっていないのです。この状態では、絶対に変化に成功することはありません。

逆に言えば、自分の心の中に切実な願いが生まれさえすれば、それを妨げる誘惑を振り切りやすくなります。状況が切迫したり、切実な理由が見つかりさえすれば、他のことを考えている暇などなくなるからです。

とはいえ、たいていの人は苦痛が十分に大きくならない限り、自分から変化しようとしません。一方、少数の成功者は、外部から苦痛を受ける前に行動を変えるといいます。

変化できないとき、将来に予測される苦痛を前倒しして、自分を切迫した状況に追い詰めるのです。これを「自己動機化能力」と言います。

自己動機化能力があれば、どんな目標でも、自ら切実な理由を探し出し、差し迫った気持ちで取りかかることができます。そうなれば、その目標はすでに半分は成功したようなもの。

効果的に行動を変えるには、「まだ変えられないでいる習慣を耐えられないほどの苦痛に結びつけ、新しく起こす行動を信じられないほど大きな見返りに結びつける」ことが必要なのです。

以下が自己動機化のステップです。

自己動機化の3つステップ

  • ステップ1:変えたい習慣や実行したい決心を一つ探す。
  • ステップ2:変化しない場合に起こりそうな恐ろしい状況をありありと具体的にイメージする。
  • ステップ3:実行したときに起きるプラスの変化を想像しながら、アクションプランを立てる。

このようにして、いまの状態から抜け出さなければならない切迫した理由と、何が何でも目標を達成すべき切実な理由を探し出してみましょう。

2.いますぐ「実行」に移す

ベストタイミングは常に「いま」

では、変化のための「行動」はいつ起こせばいいのでしょうか。

それは「いま」です。「いま」以上に適したタイミングはありません。

なぜ「いま」行動できないかといえば、「いまは気分が乗らないから後でやろう」「今日は忙しいから明日やろう」と考え、実行を遅らせてしまうからです。

新たなスタートのための完璧なタイミングはありません。もっとも実践に適した日は「今日」であり、もっとも実行に適した時間は「いま」なのです。

決心を実行するのに、「いま」ほどよいときはない。ある特別な日から禁煙を実行すると考えずに、今日からただちに禁煙を始めて、今日を特別な日にしてしまう方がずっと早い。(p.91)

多くの人が適当なタミングを待つために、多くの時間を無駄にしてしまいます。

それはただ時間を浪費するだけでなく、待っている間に頭の中にあった目標が消えてしまうことにもなるため、大きな損失を受けます。

著者は

  • 人生でもっとも破壊的な単語は「あとで」
  • 人生でもっとも建設的な単語は「いま」

と述べています。

つらく不幸な人たちほど「明日やろう」と先延ばしにし、成功して幸せな人たちほど「いまやる」と言います。

「明日」と「あとで」は負け組の単語であり、「今日」と「いま」は勝ち組の単語です。

将来、何かになりたければ、必ず「いま」何かをしなくてはなりません。

実行力を高めたければ、つまり成功の可能性を高めたければ、あれこれ考えずに、いますぐ目標に関係した何かに手を付けるべきなのです。

夢を成し遂げるため、あなたがいまいる場所で、いま持っているもので、すぐにできることは何だろうか? あなたの心があなた自身に「いまやろう!」とささやいていることは何だろうか?(p.96)

なかなか実行にうつせない人は、以下の2点を覚えておきましょう。

  • 「まだ準備ができていないので始められない」というが、実際は、始めないから準備ができないことの方が多いこと。
  • もっともよいアイデアは、常に作業する過程で出てくるということ。

始めることで、物事は前に進み出し、さらに前に進むためのアイデアが浮かんできます。

だからこそ、もっとも実践に適した日は「今日」であり、もっとも実行に適した時間は「いま」なのです。

最初の1%の行動に全力を注ぐ

意欲がわかない理由の1つに、「やりたいことがあまりに難しくて、ちゃんとできそうにないと思えるから」というものがあります。

だから多くの人は、手を付ける前に夢をあきらめてしまいます。ではどうすればいいのか。

答えはシンプルで、「小さなこと」から始めればいいのです。

少数の成功者たちは、いくら難しいことでも、その中から簡単にできる小さなことを探し出すといいます。そして失敗した人たちには考えも及ばなかった大きなことを成し遂げます。

仕事を始める気分になれない時は、まず簡単なことから始めて、失敗してもいいと気楽に考えてみましょう。できない言い訳ばかり探さずに、すべき理由を探す。そして、その仕事と関係のある、簡単で小さな仕事をひとつ、いますぐに始めるのです。

「そんな気分じゃなくて」「気乗りしないから」「まだ気持ちの準備ができていなくて」のように、「意欲がわかない」ことを後回しの理由にする人もいるかもしれません。

しかし生物学的に見れば、そうした考えは間違っていると著者は指摘します。実際は、意欲がなくて始められないのではなく、始めないから意欲がわかないのです。

体が重くて起きたくないときでも、さっさと起き上がって体を動かせば、さっきまでのことなど忘れたように日常生活が可能になるという事実を、あなたも知っているはずです。

意欲があろうがあるまいが、あることを始めれば、人間の脳の側坐核という部分が興奮を始め、次第にそのことに没頭できるよう意欲を作り出してくれます。

人間の体と心は、エンジンがかかると自動的に動き出す機械のように、いったん始めさえすれば、それがきっかけとなって嫌いなことをしている場合であっても動き続けるようになっているのです。

こうした精神現象を「作業興奮」と呼びます。この理論によれば、人間の脳は体がいったん動き始めると止めるにもエネルギーを消耗するため、していることを続けるのがより合理的だと判断するのだそうです。

だから、やりたくないことでもいったん進み始めれば、脳が刺激を受け、たちまちそのことに集中するようになるのです。「走り出しさえすれば、半分は終わったも同然」とよく言われますが、これは心理学的に実に正しい言葉なのです。

意欲がわかないことに手を付けるもっともよい戦略は、まず小さなところから始めてみることです。

目標は大きく持っても、小さな単位から始める。それが成功したら、次の単位に移る──こうすることで、困難に思えることでも、とりあえず始めることができ、意外に多くのことを成し遂げられることに気づきます。

あらゆる偉大な成功にも、最初の小さな一歩があります。あなたの夢に向かって、いますぐ始められる小さな一歩を考えることが大切です。

やるべきことがあれば、意欲がなくてもぐずぐず先延ばしにせずに、さっさと始めてみましょう。いつの間にか仕事に没頭している自分を発見するはずです。

 とりあえず始めてしまえば驚くようなことが起こる。すべての変化は、自然と動く「自己推進力(Self-Proprlling Power)」を持っており、ごく小さな変化が次の変化を呼ぶ。夢を実現するための最初の行動として、いますぐ実行できる最小単位のことを探してみよう。(p.106)

3.すぐやる自分を「維持」する

人はセルフイメージ通りの人間になる

「いますぐやればいい」と言われても、「それができたら苦労はしないよ」というのが多くの人の本音でしょう。

「自分は怠惰な人間だから」「自分は意志が弱い人間だから」と諦めている人もいるかもしれません。こうした考えでいるうちは、自分を変えることはできません。

なぜなら、人はセルフイメージ通りの人間になるからです。

人は誰でも「自分は〜な人間だ」という自己イメージを持っています。たとえ意識しなくても、あなたの頭の中は何らかの自己イメージに満たされているのです。

「ただのサラリーマン」「僕なんか」「この年齢で」といった否定的なイメージは、存在自体を認識しなくても、私たちの精神の中に深く根ざしており、知らず知らずのうちに私たちの行動全般に影響を及ぼします。

そして、それに合致する証拠を探し出し、自己イメージに合わせて行動しようという強い欲求を持っています。

「わたしは〜だ」と考える時、「わたしは」の後に従って出てくる「自分のイメージ」は強力な力を持っており、それに合致する証拠を探し出して、自分自身をそちらの方向へと導いていきます。

そしてあなたは、ついにそういう人間になるのです。

これを「自己一貫性原理」と言います。そのため、「自分は意志が弱い人間だ」「自分はもともと朝が苦手だ」と規定してしまうと、その通りの人間になってしまうのです。

早起きできないのは、怠けているためではありません。意志が弱いからでもありません。自分を早起きできない人間と決めつけているからです。

これまでと違う人生を歩みたければ、これまでと違う自分をイメージしなければなりません。

逆に言えば、理想に描く姿の人間として自分をイメージしさえすれば、いまとは違う姿で生きていくことができます。

 本をたくさん読みたいなら、「本をたくさん読みたい」と望む代わりに、「私は一週間に一冊以上、本を読む人間だ」とはっきりと自分を規定しよう。実行力のある人間になりたければ、「自分は意志薄弱だ」という考えを頭から追い出して、「自分は決心すれば必ずやり遂げる人間だ」と、きっぱりと規定すればよい。アイデアマンになりたければ、ただ「自分は何をしようと、ユニークなアイデアをひとつずつ思いつく人間だ」と想定しよう。そうすれば、自己イメージがあなたを引っ張っていく。(p.181)

いくら努力しても行動が変わらないなら、行動を変えようとするのではなく、イメージを作り変えることから始めましょう。自己イメージが変われば、行動は自然と変わっていきます。

具体的には、以下のステップを実践します。

自己イメージを変える3つのステップ

  • ステップ1:決心しながら実行に移せないでいることを一つ思い浮かべる。
  • ステップ2:実行を妨げている障害物となっている自己イメージを探してみる。
  • ステップ3:それを変化への足掛かりとなる自己イメージに置き換える。

もっと大きなことをしたければ、まずあなた自身をもっと大きくイメージしなくてはなりません。もっと高いところに登りたければ、自分をもっと高い場所に押し上げなくてはなりません。

 どんな人でも、イメージする以上に高い場所に登ることはできない。イメージほど成功の障害物になるものはない。同時に、イメージほど可能性を高めてくれるものはない。(p.182)

あなたの運命はあなたのイメージがつくり、あなたにチャンスを与える第一人者はあなた自身であると肝に銘じましょう。

まとめ

本書では、後回しにしないための技術とその身につけ方について、実践的な方法が数多く書かれています。

上記を読んで、少しでも興味が出た方はぜひ読んでみてください。

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