【要約】『転職2.0』〜タグの掛け合わせで市場価値を高めよ〜

【要約】『転職2.0』〜タグの掛け合わせで市場価値を高めよ〜




転職を前提にキャリアプランを考えることが当たり前となっている今の時代、あなたも一度は転職を考えたことがあるでしょう。

  • 「今よりも収入を増やしたい」
  • 「もっとやりがいのある仕事がしたい」
  • 「これまでのキャリアを活かして新しいチャレンジをしたい」

理由は様々かと思います。

これからの時代に大切なことは、転職を自分の望み通りのキャリアを手にするための手段と考えること。

これまでの日本は、終身雇用制度により会社が一生守ってくれるのが当たり前だったため、個人よりも会社の立場が強く、個人は会社のために尽くすものとされました。

どのようなキャリアを積んでいくかという「個人のキャリア形成」でさえも会社が握っており、何か会社に不満があっても我慢して働かざるを得なかったのです。

しかし「終身雇用の崩壊」と「労働人口の減少」が相まったことで、個人と会社の立場は逆転し、今は自分次第でキャリアも働き方も選べる時代となってきています。

自分でキャリアを選べる時代に、実際に望み通りのキャリアを手にするためには、キャリアに対する考え方のOSを根本的に入れ替え、「転職1.0」から「転職2.0」にアップデートする必要があると説くのが本書。

LinkedIn(リンクトイン)日本代表である村上臣氏の著書『転職2.0』です。

本書では、「正しい転職の価値観」「正しい転職の方法論」によって、これまでの経歴に関係なく、誰もが我慢の必要のない〝望み通りのキャリア”を手にする方法を教えてくれます。

転職を考えている方や、今の仕事に疑問を持っている方、今後のキャリアプランに不安を持っている方は、ぜひ読んでみてください。

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転職1.0と2.0は何が違うのか?

転職1.0と2.0は何が違うのでしょうか?

まず転職1.0の時代は、「1回の転職の成功」自体を目的としていました。ほとんどの会社が終身雇用を採用し、転職をしてもせいぜい一度という時代では、(より収入のよい安定した会社への)「1回の転職に成功する」ことに大きな意味がありました。

しかし、会社の寿命よりも個人の労働寿命のほうが長くなり、人が職業人生において何度も転職を経験するのが当たり前になるこれからの時代は、「転職の目的は転職自体であってはならない」と著者は言います。

上位の目的は「自分株式会社の時価総額の最大化」であり、転職はその手段と捉え直すべきだというのが、「転職2.0」の軸となる考え方です。「自分株式会社の時価総額」というのは、すなわち「自分の市場価値」という意味です。

キャリアの意思決定権が個人にある時代には、「自分を会社と見立て、自分株式会社を適切に経営していく意識が重要である」と著者は説きます。

自分の市場価値が最大化されれば、景気に左右されず常に評価されることになるので、これは労働市場で生き残り続けるための本質的な対策と言えるでしょう。

転職1.0と2.0の違いをまとめると、以下の表のようになります。

転職1.0転職 2.0
目的1回の転職の成功
(転職=目的)
自己の
市場価値最大化
(転職=手段)
行動情報収集タグ付けと発信
考え方スキル思考ポジション思考
価値基準会社で仕事を選ぶシナジーで
仕事を選ぶ
人間関係人脈づくり
(狭く深く)
ネットワークづくり
(広くゆるく)

では、自分の市場価値を高めて、望むキャリアを手にするためには、具体的に何をすればよいのでしょうか。

本書ではそのためのアイデアがすべて「方法論」に落とし込まれています。しかも、その多くが誰でもすぐできるけど日本人の99%はやっていないもの。つまり、やるだけで読者の皆さんは周りに差をつけることができるものです。

ここでは、一番重要なコンセプトである「タグ付け」についてご紹介します。

「タグ付けと発信」をする

本書では、「タグ付け」というコンセプトが紹介されています。

「タグ付け」とは、自分のこれまでのキャリアを「ポジション」「スキル」「業種」「経験」 「コンピテンシー」に分解して、個人を想起させるためのフックとなるキーワードを付けることです。

これによって、個人が持つべきスキルや強みを整理することができ、個人の市場価値を客観的に把握しやすくなります。

ポイントは、

  • 「タグ付け」によって自分の「市場価値」を明確にすること。
  • タグを「掛け合わせ」て「希少価値」を高めること。
  • SNSで市場に「発信」してアピールすること。

の3つです。

タグ付けにあたっては、「自分はどんなタグを持っているのか」「市場価値の高いタグは何なのか」「既存のタグとシナジーが生まれるタグは何なのか」などを知り、戦略的に組み合わせる視点を持つことが大切です。

またタグは発信してこそ意味があります。市場に「認知してもらう」ことでキャリアに有利に働くため、SNSで自分の有するタグについて発信し、広く浅いネットワークを育てていくことも重要です。

タグを発信することで、企業からのオファーを呼び、ミスマッチを防ぐことにもつながります。

タグ付けによって市場価値を明確にする

納得のいく転職を実現するためには、まず自分の市場価値を把握することが重要です。

そして、市場で自分がどう評価されるのかを知るには、転職エージェントの担当者やキャリアコンサルタントに話を聞くのがおすすめです。

自分がどんなタグを有しているのか、つまり自分がこれまで築いてきた「ポジション」「スキル」「業種」「経験」 「コンピテンシー」は、どんな市場価値のあるタグ化ができるのか、転職エージェントやキャリアコンサルタントに教えてもらうのです。

著者自身も、リンクトインに移籍する転職活動ではヘッドハンティングのコンサルタントと話をしたそうで、そこで、エンジニアとしてのプログラミングスキルに加えて、ヤフーに在籍時に企業買収のプロジェクトに携わっていた経験が、ユニークで希少なタグであることを認識できたと言います。

「エンジニア」と「企業買収を手がけた経験」。これらのタグの掛け合わせによって、希少性を構築し、市場価値を高めることができたのです。

このように、市場で通用する強みや適性を見つけるためには、「転職エージェント」や「キャリアコンサルタント」など、現在の転職市場において価値があり、評価されやすいタグを把握しているプロフェッショナルに相談することが有効です。

以下、職種別におすすめの転職エージェントをまとめておきます。

総合

IT業界

クリエイター・マーケター

20代(第二新卒)

バックオフィス

アフィリエイト広告を利用しています。

タグの「掛け合わせ」で市場価値を高める

既存のタグの価値を知ることに加え、そこに新しいタグを組み合わせることで、希少性(=市場価値)を高めることができます。

市場価値を高める上では、「いそうでいない人材だけど、多くの企業がほしいと思う人」を目指しましょう。こうした人材は、タグの「掛け合わせ」によって生まれます。

自分のタグにどんなタグを掛け合わせたらいいのかを考えるときは、

  • 「すでに持っているタグと離れたタグ」
  • 「新しい職種に付随するタグ」
  • 「ホットなタグ」

の3つを考えることが勧められています。

たとえばすでに「BtoB営業」のタグを持っている人が、「BtoC営業」のタグを掛け合わせることで、両方に対応できる希少性の高い人材となり、市場価値が高まります。

また「エンジニア」のスキルを持っている人が、ビッグデータから営業に必要なデータを抜き出してサマリーにまとめる「営業サポート」のような新しい職種の業務を担当することで、営業のスキルとエンジニアのスキルを持つ希少性の高い人材となります。

さらに、今成長しているホットなマーケットには「ホットなタグ」となる要素があるものなので、伸びている会社で仕事をすれば、必然的にホットなタグを獲得できることとなります。

こうしたホットなタグの情報も、転職市場のトレンドを押さえているプロフェッショナルに相談してみるのが早いでしょう。

具体的なタグの種類や、市場価値を高めるための掛け合わせ方について知りたい方は、ぜひ本書を読んでみてください。

この点、『藤原先生、これからの働き方について教えてください。』では、「100人の中で1番になれる特技(スキル)」を3つ掛け合わせることで、「100万分の1のレアさ(=希少性)」を手に入れることができると説いています。

言葉は違いますが近しいコンセプトなので、興味のある方はこちらの記事もチェックしてみてください。

まとめ

本書では、「タグ付け」以外にも、新時代の転職に有効なフレームワークが多数紹介されています。

「自分株式会社」の「時価総額」を高めて、自分の理想とするキャリアを築きたい人、また転職を成功させたい人はぜひ読んでみてください。

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