人は相手の話の8割は聞いてない!1分で印象に残す伝え方のコツとは?

人は相手の話の8割は聞いてない!1分で印象に残す伝え方のコツとは?




 こんにちは、Yukaです。今回は、とてもシンプルなタイトルの本、『1分で話せ』を読みました。

 なぜ、この本を読もうと思ったかというと、以前仕事でプレゼンテーションを受ける機会があり、あまりの熱量と説得力に衝撃を受けて以来、「話す技術」や「伝える技術」に関心をもっていたからです。普段は事務仕事が中心で、プレゼンをすることも受けることもほとんどなかったため、こんなに人の心を揺さぶる仕事があるのかと、今でも印象に残っています。

 本書の著者である伊藤羊一氏は、現在ヤフー・アカデミアという企業内大学の学長として、また様々なアクセラレータプログラムのメンターとして講義を行い、プレゼンテーションの指導をしていらっしゃいます。

 今でこそ、伝え方やプレゼンテーションの方法を指導する立場の伊藤さんですが、新卒の頃はプレゼンが大の苦手だったといいます。

 そんな伊藤さんにとって、伝え方を改善するための大きな気づきを得たのが、グロービスの授業で「ストーリー」の作り方を学んだときだといいます。

 ストーリーを考えようとするなら「何が大事なのか」、そして「どうしたら相手に伝わるのか」をきちんと考えることが必要になります。だからこそ1分でも伝わるような凝縮した言葉になるのです。(P.7)

 こうした学びを実践しながら「伝えるスキル」を磨いていった結果、伊藤さんは「ソフトバンクアカデミア」の募集の際に孫正義社長の前でプレゼンをし、「おもしろいね、任せてみたいね!」と評価されるコメントをもらうことができたそうです。

 今回は、本書の中でも肝となる、「1分で伝える」ためのコツについて紹介したいと思います。



「みんな人の話を聞いていない」

 みなさんは普段、プレゼンを行うことが多いでしょうか? それとも受けることが多いでしょうか?

 プレゼンを行う立場であれば、プレゼン前には緊張したり、話す内容に誤りがないか、時間通りに終わらせられるかなど、たくさんのことで頭がいっぱいになったりすると思います。

 しかしどんなに準備をしても、人は相手の話の80%は聞いていないから、その全てを理解してもらうことはできないと伊藤さんは言います。

 確かに、私も衝撃的なプレゼンを受け、「すごいプレゼンだった」という印象は残っているものの、内容自体はほとんど憶えていません。

 それは当然で、どんなにプレゼンが上手い人でも、相手に100%理解させたり、記憶させたりすることなどできるはずがないのです。

 自分の話を聞いて欲しいなら、聞き手はそもそも8割方話を聞いていないし、理解もしていないことを前提とした上で、少しでも相手の頭に残し、相手に動いてもらうためにはどうすればいいか、を考える必要があると伊藤さんは言います。

 そのために必要なのが、「1分で話せるように話を組み立て、伝える」ということです。なぜなら、1分でまとまらない話は、結局何時間かけて話しても伝わらないからです。逆に言えば、どんな話でも、「1分」で伝えることはできるため、短い時間で伝えるべきことを伝えた方が、相手の記憶に残りやすくなるのです。

 5分で話すべきことも、30分かけて話すことも、1時間与えられた時でも、まずは「1分で話せるように」話を組み立てる。これができれば、格段に「伝える力」がアップすると伊藤さんは言います。

 では、どうすれば「1分」で伝えられるようになるのでしょうか。



左脳と右脳の両方に訴えかける

 大切なのは、左脳と右脳の両方に訴えかけること。つまりロジカルでありながら、イメージを想像させて感情を揺さぶるような伝え方をするということです。

 ロジック面に関しては、「ピラミッドストラクチャー」によって、「結論」と「根拠」のセットを構築することが勧められています。根拠の目安は3つです。 

 「私の主張はこうです。理由は3点あって、1点めはこう、2点めはこう、3点目はこうです」のように、相手の頭の中に枠組みをつくってあげるイメージで話すと、理解してもらいやすくなります。これが「1分で伝える」ための基本形となります。

 また感情面については、相手の頭の中にイメージを想像させることがポイントとなります。写真や絵、動画を使ったり、「たとえば」という言葉を使って具体例を示し、相手の頭の中でイメージを膨らませることで「右脳」を刺激します。

 「たとえば」で具体例を示すことは、ロジック面でも重要です。「結論」と「根拠」に加えて「実例」を挙げることで、論理のピラミッドはより強固となり、説得力があるストーリーを作ることができます。

プレゼンのゴールを明確にする

 伊藤さんが言う「プレゼン力」とは、人前で発表するスキルでも、話すスキルでもなく、人に「動いてもらう」力のことだといいます。

 プレゼンとは、言葉を使って、自分望むゴールに、聞き手を動かしていくもの。だから、「聞き手に理解してもらう」ことをゴールにするべきではなく、「理解したうえで、聞き手にどうしてほしいのか」を明確にすることが重要なのです。

 たとえば、

  • 聞き手が賛成にせよ、反対にせよ、何らかの意見を表明してくれれればいいのか。
  • 聞き手が賛成してくれたらいのか
  • 聞き手に動いてもらう必要があるのか

というように、「このプレゼンを通して、聞き手をどういう状態に持っていきたいのか」というゴールを明確にします。

「超一言」で包み込め

 その上で、相手に「動いてもらう」ためのひと押しとして紹介されているのが、「超一言」で包み込むというテクニックです。

 上述の通り、人は相手の話の80%は聞いていません。そのため最初から話のストーリーすべてを覚えてもらうことは諦めて、「自分の伝えたいことを一言のキーワードで表す」ようにするのです。

 「覚えやすく、その一言で、プレゼン全体を表現するようなキーワード」のことを「超一言」と呼んでいます。

 伊藤さんは、ソフトバンクアカデミアで孫さんにプレゼンする際、Eコマースの戦略を話したそうなのですが、そのときに「キチリクルン」というキーワードを使ったそうです。

 これは配送にあたって、「1週間後くらい」とか「10日後くらい」といった曖昧な期日ではなく、「○月○日にお届けします」と、きちんと納期を明快にすることで、受注率を上げるという提案で、「きっちりくる」から「キチリクルン」というキーワードで表現したそうです。

 この言葉は孫さんをはじめ、聴衆の多くの頭に残り、プレゼンが終わった後に孫さんから声をかけられたそうです。

 「超一言」に自分の伝えたい内容を「包み込む」ことができれば、相手は驚くほどプレゼンの内容を覚えていてくれるといいます。

まとめ

 この記事では紹介しきれませんでしたが、本書では他にも、左脳に働きかける方法や、聞く相手を迷子にさせないために、スッキリ・カンタンな言葉を使う方法など、参考になるテクニックがたくさん紹介されています。

 仕事でのプレゼンだけではなく、日常生活でも「1分で伝える」ことができるようになれば、人間関係や人生そのものをより良く変えていけるかもしれません。

 シンプルながら、とても心に響く、熱いメッセージが散りばめられた本書。10万部を突破し、絶好調の売れ行きのようです。

 皆さんもぜひ、手に取ってみてください!






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