ライターが押さえておくべき「読まれる文章の書き方」3つのポイント!

ライターが押さえておくべき「読まれる文章の書き方」3つのポイント!



 あなたは世界のどこかに、小さな穴を掘るように、小さな旗を立てるように、書けばいい。すると、だれかがいつか、そこを通る。

 愛と敬意。これが文章の中心にあれば、あなたが書くものには意味がある。

 みなさんこんにちは、マイト(maito)です。SNSの普及で、言葉があふれる時代。言葉で救われたり、傷ついたりすることが多い中、私たちを勇気づけてくれる言葉に数多く出会えるのが、今回ご紹介する『読みたいことを、書けばいい。』です。

 著者は田中泰延さん。かつて電通でコピーライターとして24年間活躍した後、「青年実業家」を自称してフリーランスで活躍。WEB上での情報発信で注目を集める中、今回が初となる著書を出版されました。

 経歴もさることながら、本書の内容も独特です。社会に承認され賞賛されたいなら、文章を書くよりも「100メートルを10秒以下で走る、駅前の広場で歌を歌う、Youtuberを目指す、友人と漫才コンビを結成するなど、もっと手っ取り早い近道はいくらでもある」と読者への皮肉をうたったり、「『この人のギャグはすべっている』と批判してくる人もいる。しかし、すべるのがスキーだ」とちょっとふざけた表現があったり、好き嫌いが分かれるところもあるかもしれません。

 しかし一方で、冒頭にご紹介したような勇気をもらえるフレーズもたくさん登場する、何とも不思議な一冊です。

 既に本書を読まれた方の感想を見てみると、「書くことが楽しくなった」「気が楽になった」というコメントが多くありました。私も実際に読んでみたところ、ひねくれた表現の中にも「言葉」や「表現」に対する田中さんの真摯な姿勢が感じ取れました。

 『読みたいことを、書けばいい』というタイトルの通り、本書では「何かを発信する時の基準は自分である」と自覚することの重要性を説いています。

 今回は、本書から「文章を書く上で重要な3つのポイント」についてご紹介しようと思います。

 既に本書を読んだ方も、改めて読みなおすきっかけとしてお読みいただければと思います。

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文章を書く上で重要な3つのポイント

①書く文章の定義を知る。

 あなたはSNSで目にするネット記事を、見出しだけでパッ、パッと判断して画面を移動させていませんか?

 現代は情報が気軽に手に入る反面、限られた時間の中で、より早く自分にとって必要な情報の取捨選択をすることが求められます。そのため私たちは、目の前の記事を「読む」ことをせず、知らず知らずのうちに「処理」してしまいがちです。これは目に留まらない情報は、どんどん目の前を通過してしまうということです。

 では、自分の文章がスルーされずに、「いい」と思ってもらえるようにするためには、どうすればいいのでしょうか。

 まずは、自分が書いている(書きたい)文章の形式を定義しておくことが重要だと田中さんは言います。映画に「コメディ」「ホラー」といったカテゴリーがあるように、文章にもカテゴリーが存在します。

 私たちが日頃ネットで読んでいる文章は、ほとんどが「随筆」というカテゴリーに属します。「随筆」とは、「事象と心象が交わるところに生まれる文章」のこと。見たことや知ったこと(=事象)に心が動き、それを伝えたくなる気持ち(=心象)があって書かれるのが「随筆」だと田中さんは定義しています。映画やコンサート、読書などの感想がこれに該当します。

 そのほか小説や詩、学術書などさまざまなカテゴリーがありますが、大事なのは、自分が書きたい文章のカテゴリーの定義を押さえておくこと。「定義をしっかり持てば、自分がいま、何を書いているかを忘れることはない」と田中さんは言います。

 「事象と心象が交わるところに生まれるのが随筆」という定義を見失って映画を評論すると、事象寄りに触れてしまえば映画のあらすじばかり書く状態に陥るし、心象寄りだと感想だけ書いて終わってしまう。(p.63)

 「随筆」を書くのであれば、定義を満たしているかどうか、「事象」と「心象」どちらかに偏っていないか、ということに目を向けてみてください。



②自分の内面を語らない。

 よく文章指南の本には、「なにが書いてあるかが大切」という教えが書いてあるが、現実は違う。「だれが書いたか」の方が多くの人にとっては重要なのだ。(p.110)

 冒頭で述べた通り、田中さんの表現はときに厳しく、皮肉が効いたものがあります。特にこの一文は耳が痛く感じるかもしれません。しかしこれが現実なのです。

 あなたが日頃よく読んでいる情報を振り返ってみても、見知らぬ誰かの文章よりも、著名人や好きな芸能人、アーティストやジャーナリストの文章の方が多いのではないでしょうか。

 多くの人は、「なにが書いてあるか」よりも、「だれが書いたか」で読む記事を決めているということです。極端な話、ただの日記や感想文でも、有名人であればそれだけで多くの読まれるでしょう。一方で、無名の人間が有名人のように自分のことばかりを語っていても、誰も読んではくれません。

 この点についても、田中さんは以下のような痛烈なコメントを残しています。

 朝、職場で会うといきなり「寒い寒い。今日は穴の空いてる靴下を履いてるから寒い。でも靴下を買うお金がないんだよな今月」などと言ってくる。知らんがな、としか言いようがない。(p.141)

 自分のことを知らない人に向かって内面だけを語っても、興味を持ってもらえることはありません。

 少しでも相手に興味を持ってもらうには、まず事象を提示して、その上で心象を述べることが大切なのです。

 そして「事象とは、つねに人間の外部にあるもの」であり、「心象を語るためには事象の強度が不可欠」だと田中さんは説いています。

③巨人の肩に乗って書く。

 そんなこと、先人がさんざん考察して大昔に語り尽くしとるわ、というようなことを、自分の頭で考えようとして、得意げに結論をぶちかますような随筆だらけである。(p.174)

 またしても心に突き刺ささるような一文です。ちまたにあふれるネット上の文章は、人類が積み上げてきた知識の初歩に立脚することなく、あたかも自分が初めて気づいたことかのように書かれているものが多いという指摘です。

 たとえば恋愛に関するネット記事について、田中さんは「それ、夏目漱石が、百何十年も前にほとんどやっている」と切り捨てています。後世の文学者たちは、漱石の「その先」を書こうと挑戦し続けてきたのだから、若いライターや小説家は、何十年前の漱石が書いたその先を書かないと、いまさら書く意味がないというわけです。

 これを「巨人の肩に乗る」と表現したのが、12世紀のフランスの哲学者、ベルナール。田中さんはこの言葉について、次のように説明しています。

 歴史の中で人類がやってきたことの積み重ねが巨人みたいなものだから、我々はその肩の上に乗って物事を見渡さない限り、進歩は望めない、という意味だ。(p.177)

 巨人の肩に乗る、というのは「ここまでは議論の余地がありませんね。ここから先の話をしますけど」という姿勢なのだ。(p.179)

 過去を引用しながら、ちょっとずつ新しくなっていく。これが「その先」を書くということです。ライターとして文章を書く仕事をするのであれば、すでに語り尽くされていることについて、自分が初めて味わった事象・心象として発信するのではなく、巨人の肩に乗って、「その先」を書くことを目指すべきなのです。

 では、巨人の肩に乗るにはどうすればいいのかというと、「図書館」で「一次資料」に当たることが勧められています。「一次資料」とは、「ここがその話の出所で、行き止まりである」という資料のこと。

 ネットの情報は、また聞きのまた聞きが文字になっているものばかりなので、それをもとに心象を書いたところで、「その先」を書くことにはなりません。

 一次資料に立脚しているからこそ、好きなことを書いていても信頼され、多くの人からおもしろいと評価される、「新しい」ことを書けるようになるのです。

おわりに

 『読みたいことを、書けばいい』は、文章術のようなテクニック論ではなく、自分が読みたい(=書きたい)ことをより明確に知ることの重要性を教えてくれる一冊です。

 自分のことをもっと知ることができて、表現することが楽しくなると思います。

 本書を読んで、文章を書くことを楽しんでください。

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執筆者プロフィール

舞人
読書と発信欲で構成されている、自称「乱読家」
2019年は400冊読破目指してます。
いろんな読書会に興味あり。
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