東大生が実践している読書法!「読者」にならずに「記者」になれ

東大生が実践している読書法!「読者」にならずに「記者」になれ




 こんにちは、Yukaです。今回は、現役東大生・西岡壱誠さんの『東大読書』を読みました。

 西岡さんは、偏差値35から東京大学合格を果たした方。本書はそんな西岡さんの経験から、単に「情報」を得るだけではなく、それを自分で活用できる「知識」へと変え、「自分で考える力」を身につけるための読書法が紹介されています。

 早速ですが、皆さんは今まで読んできた本の内容を、仕事や日常生活に生かせていると感じますか?

 私は美女読書でビジネス書を読みはじめ、学んだことを書評としてアウトプットしていますが、実際、書評を書き終わってしまうと、せっかく読んだ本もうっすら全体像がわかる程度で、詳しい内容を忘れてしまうことが多く、もったいないなと感じていました。

 そこで、東大生が実践する本の読み方を学び、自分の読書法をさらに発展させたいと思い、本書を手に取りました。

 どのような読み方をすれば、読んだ内容が頭に残り、いつでも活用できるようになるのでしょうか?

 西岡さんが発見した、多くの東大生がやっている読書術を見ていきましょう。

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『東大読書』で鍛えられる5つの力とは?

 本書では、「能動的に」という言葉が1つのキーワードとなっています。

 能動的とは、人に強制されることなく自ら進んで物事を行うこと。

 「能動的に」ということを意識して、次にどういう展開が来るのか、なんでその話をしているのかを考えながら読んだ方が、本の内容を理解しやすく、「本を読み込む力」が鍛えられるといいます。

 また、「この意見にはどのような反論があるのだろう?」「自分だったらどういう結論を出すだろう?」と自分で考えていくことで、「地頭力」が鍛えられるといいます。

 「読み込む力」と「地頭力」、この2つの力をつけるためには、具体的に以下の「5つの力」を身につける必要があります。

  1. 読解力…素速く、かつ正しく文章の内容を理解し、文章を読み込んで理解する力
  2. 論理的思考力…より深くその文章を理解し、論理の流れがクリアに追えるようになる力
  3. 要約力…他人に説明しやすい形に噛み砕く力
  4. 客観的思考力…様々な視点からの意見、多角的なものの見方を持つための力
  5. 応用力…得た知識を他のところにも活かせるように、自分のものにする力

 今回はこの中から、②の「論理的思考力」を磨く方法について紹介します。

「読者」になるな、「記者」になれ

 この章の冒頭では、ある重要なお願いをしています。それは、「本を読まないでほしい」ということです。

 いきなりすぎてびっくりしてしまいますが、「本を読むな」とはどういうことなのでしょうか?

 実は、東大生をはじめ優れた読み方をする人は、本の「読者」にはならないといいます。本当に読解力を身につけ、本の内容を自分のものにするためには、「読者」ではなく「記者」になり、本を取材しなければならないのです。

 「読者」がただ文を読むだけなのに対し、「記者」は相槌を打ちながら、質問を考えながら、時にはメモを取りながら、著者の話に耳を傾けます。

 「なるほど」と心の中で納得したり、「これってどうなんだろう?」と自分の中で疑問を持ったりしながら読んでいくーーその方が何倍も本の内容が頭に入りやすくなるのだそうです。

 本書ではこの読み方を「取材読み」と呼んでおり、その効果は多岐にわたるとしています。記者として読むからこそ、見えてくるものがあるんですね。

 一つは、文章を平坦に読むことがなくなり、感情を込めて読めるようになるという効果です。小説と違って、新書やビジネス書、参考書などの「知識を得るための本」を読むときに、感情を入れることはあまりありませんよね。

 しかし記者になり、相槌を打ったり、質問を考えたりしながら読むと、「ただの事実」として記述された文章にも、感情という名の「色」がつくため、理解しやすくなるといいます。

 本書の例を借りれば、

 「第1次世界大戦でドイツは敗北した」

という文について「記者の目線」で読むと、「ドイツが負けたのはなぜだったんだろう? 戦力差かな? それとも、戦略上の問題?」といった「質問」が思い浮かんだり、「ドイツ人は悔しかっただろうし、それが第二次世界大戦を招いたのかもしれない」といった「感情」をもとにした仮説が浮かんだり、一つの文からたくさんのことを想起することができます。

 このように色がついていれば、単なる事実の羅列ではなく、著者が何に対して肯定的で何に対して否定的なのか、何を嬉しく思っていて何を悲しく思っているか、といった感情を理解できるようになります。すると、その先の文章の流れを予測しやすくなり、論理展開が格段に理解しやすくなるのだそうです。

 では、具体的にどのように「取材」すればいいのでしょうか。以下、2つの方法を紹介します。



どうやって取材すればいいのか?

①質問読み

 一つ目は、「質問読み」です。

 何も考えずにただ本を読むだけでは、「情報」を得ているだけで、自分で使いこなせる「知識」にはなりません。大切なのは、「どうしてこうなんだろう?」「なぜ、こう言えるんだろう?」と、常に質問を考えながら読む姿勢だといいます。

 なぜなら「質問」をして、その回答を得るというプロセスを経ることで、「情報」を「知識」に変えることができるからです。

 「質問読み」の具体的な方法は、次の4つです。

  1. 読み進めていく中で、「質問」になる部分を探してみる
  2. 「質問」が見つかったら、そのページに付箋を貼る
  3. 「質問」の回答が出てきたら、さらにそこに付箋を貼る
  4. 「これは重要だ」と思う質問をノートに写しておく

 また④の「これは重要だ」と思う質問を考える視点として、次の3つが紹介されています。

  • 著者が最初に提示しているもの
  • 質問への回答が、複数ありそうな質問
  • 議論が分かれそうなものに対する質問

②追求読み

 二つ目は、「追求読み」です。こちらは「質問読み」をより深く、鋭くした上級者向けの質問読みとなっています。

 追求読みを習得すると、「自分で考える力」を徹底的に鍛え上げることができるといいます。

 「追求読み」の具体的な方法は、次の4つです。

  1. 1回読んだ本や章を選ぶ
  2. その本を、「本当にそうか?」と常に疑問を抱きつつ読んでいく
  3. 読み進めていく中で、抱いた疑問が解消されるか、残り続けるかを見極める
  4. 本や章を読み終わるまで残り続けた疑問をノートに写し、調べてみる

 これらを意識して取り組むことで、自分で考える力を身につけられるだけでなく、より深い知識が得られるようになるといいます。

 確かに、自分から積極的に疑問を抱き、その答えを「追求する」姿勢を持てば、自分で考える力が磨かれるとともに、一冊の本に対する理解の幅が格段に広がるでしょう。

 自然にできるようになるまでは時間がかかるかと思いますが、日常生活だけでなく、仕事においても活用できるように取り組もうと思いました。

まとめ

 本書では、今回紹介した取材読み以外の章でも、様々な読書法が、具体例を交えて詳しく紹介されています。また、西岡さんが特にオススメしている本がたくさん掲載されていますので、とても満足感を得られる一冊となっています。

 これからはただ読むだけではなく、本書の内容を少しずつ実践しながら、一冊の本から深い学びが得られるように読書していきたいと思いました。

 皆さんもぜひ、勉強にも仕事にも効く「東大読書」を試してみてはいかがでしょうか。

 「検証読み」について知りたい方は、こちらの記事をチェック!

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