なぜ、リーダーは説得を受け入れる「柔軟性」を持つべきなのか?

なぜ、リーダーは説得を受け入れる「柔軟性」を持つべきなのか?




 書店に行くと「人を説得する方法」に関する本が、数多く目につきます。しかし一歩下がって考えてみると、「むしろ、説得されるべきなのは自分の方なのではないか…?」と考えることがあるかもしれません。

 個人の価値観が多様化している現代において、自分一人の考えに固執し、それを貫くばかりでは、時代に取り残されてしまう可能性が高まっているからです。

 むしろ人の意見に耳を貸し、積極的に取り入れる柔軟性を持つこと、つまり上手に「ブレる」ことが重要なスキルになってきていると説くのが、今回紹介する『すごいヤツほど上手にブレる』です。著者はビジネスコンサルティングとしてNASAやボーイングなど有名企業に協力し、環境変化への適応をサポートしているアル・ピタンパリさん。

 本書は世界的に有名なトップリーダーたち、例えばAmazon創業者のジェフ・ベソスや元フォード・モーターCEOのアラン・ロジャー・ムラーリーなどによる様々なビジネス事例から、「本当のリーダーシップとは何か」を学べる一冊となっています。

 本書は大きく2つのパートに分かれており、パート1では「なぜ説得を受け入れる柔軟性を持つべきなのか」、パート2では「説得を受け入れるリーダーになるための7つの実践法」が紹介されています。各事例の終わりには、話の内容が一枚のイラストでまとめられているので、理解しやすく、楽しみながら読み進めることができるのもオススメポイントです。

 今回はパート1にフォーカスをあてて、説得を受け入れる柔軟性とは何か、なぜそれが大切なのかをお伝えします。

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自分の判断を絶対視しない

 そもそも「説得を受け入れる」とは、自分の判断が間違っているとか、自分の考えに自信がないといったネガティブなことではありません。

 「自分の判断を絶対視せず、どれほど自信があっても意見が間違っている可能性があることを認めること」という前向きな姿勢です。

 一見当たり前のように感じるかもしれませんが、実は多くの人にはこれができていません。というのも、人間は「認知的倹約家」であり、脳はエネルギーを最小限しか使おうとしないからです。また心理学的にも「現状維持バイアス」というものに侵され、現状の方を好む傾向にあります。

 これらを克服するためには「能動的に心を開く」ことが重要です。つまり自分が信じたいと思っていることに反する事実を受け入れるだけでなく、それを自ら探し求める姿勢が必要なのです。



自律性を持って行動する

 自分のミスや望ましくない結果から目を逸らしたくなってしまうのは普通のことです。しかし優れたリーダーは、現実から目を背けることなく、自律性を持って行動します。

 ここでいう自律性とは「手に入る全ての情報をしっかりと考慮し、自らの価値観や目標を踏まえ、そのうえで結論を出すこと」です。

 本書を読んで、多様化していく今の社会において、この「自律性」と「柔軟性」を持つことがいかに重要であるかを認識しました。

 自分の価値観や軸という「自律性」があってこそ、他の人の意見を受け入れる「柔軟性」を持つことができ、それを足したり引いたりすることでより良いものを創造できるのですね。

 パート2では、「説得を受け入れるリーダーになるための7つの実践法」が紹介されています。

 仕事だけでなく人生においても参考になる上手な「ブレ方」、気になる方はぜひチェックしてみてください。

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