こんにちは、手帳ライフクリエイターのKanaです。数年前に独学で保育士資格を取得しました。好奇心旺盛でチャレンジすることが好きな私は、今はさらに違う道へと進んでいます。
最近は「お金」の勉強に夢中になっています。日本では「お金は銀行に預けるのが当たり前」で、「投資はお金持ちがすること」というイメージを持つ人が多いと思います。
一方、アメリカやイギリスでは、小中学校で経済や投資などお金について学べる環境が整っており、小学生の頃から、株などの資産運用を行っている子供もいます。日本の学校では、金融関連の教育が少ないため、自ら勉強しない限り、投資について学ぶ機会はほとんどありませんよね。
「経済・金融」に対するこうした価値観の違いは、学校教育で培われる金融リテラシーの差によって生まれると言われているため、海外ではどのようなお金の授業が行われているのか気になっていました。
今回ご紹介する『新版 アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書』は、文字通り、アメリカの高校生が学んでいる「経済の教科書」です。
CEE(アメリカ経済教育協議会)の「経済教育のスタンダード」を日本人向けにアレンジしたものとなっており、まるで大学の教科書のように、「経済学」を体系的に学ぶことができます。アメリカでは、これを高校生から学んでいるというのだから驚きです。
期待していた「お金」の教育とは内容が異なりましたが、本書の中で特に興味深かった、アメリカの「起業家教育」についてご紹介します。
高校と企業が連携した「起業家教育」
アメリカでは、高校と企業が連携して起業家教育を行っているそうです。
経済学では、商品を生み出すために必要な資源として「労働」「土地」「資本(財)」の3つを「生産要素」と呼びますが、アメリカではこれに、生産活動を組織する「起業家」を含めて、4つの生産要素と教えられているのです。
それだけ「起業家は経済を活性化させる欠かせない存在」だと考えられているのですね。
CEE(アメリカ経済教育協議会)では、高校生までの間に起業家教育を施すことが重要だとして、地元の企業経営者が学校と協力し、学生が起業について学べる環境を整えています。
その教育方法はユニークで、講義を聞くだけの受け身の授業ではありません。セミナー受講後に、実際に起業計画を作成して、経営者たちの前でプレゼンテーションを行うのです。しかもその計画が優秀と認められれば、起業資金を提供されるケースもあるそうです。
高校の授業がきっかけで、企業が学生の起業をサポートするなんてこと、日本ではあまり考えられませんよね。
また、中には「経済学」だけでなく、「経営学」まで教えている高校もあるといいます。その授業では、起業家になったつもりで事業計画を立てたり、経営者と一緒に仕事をしたりする経験を得られるそうです。
このようにアメリカの高校では、インプット型の授業だけでなく、学んだ知識をアウトプットすることを重視した教育が行われています。
そもそもアメリカでは学生の頃からビジネスをすることに抵抗がありません。小学生のときからおいこづかいを稼ぐためにレモネードを売ったり、中学生や高校生がクラブの試合や合宿に行くためにドーナツを売ったりしています。10代という若いうちから、自分のビジネスマンとしての可能性を知り、社会に出る準備ができているのです。
こうして自ら考える力や行動力が養われているからこそ、アメリカでは多くの起業家が生まれ、GoogleやAmazonなど、世界に名を馳せる大企業が多く誕生しているのでしょう。
実体験に落とし込んで学ぶ重要性
アメリカの起業家教育の実態を知り、本や教科書の知識を覚えるだけではなく、自分の実体験に落とし込んで学ぶことの重要性を感じました。
アメリカの授業のように体験型カリキュラムを取り入れることで、「起業」を身近なものとして考えられるようにしていくことが、日本での起業の活発化につながるのではないでしょうか。