橋下徹『異端のすすめ』”その他大勢”を抜け出す7つのコツ

橋下徹『異端のすすめ』”その他大勢”を抜け出す7つのコツ




 こんにちは、ヒイラギです。今回は、橋下徹さんの『異端のすすめ 強みを武器にする生き方』をご紹介します。

 ご存知の方も多いと思いますが、橋下さんは人気テレビ番組「行列のできる法律相談所」にレギュラー弁護士として出演し、派手な装いと誰に対しても歯に衣着せぬ発言をすることで世間の注目を浴びて、38歳の若さで大阪府知事に就任した驚異の経歴の持ち主です。

 本書はそんな橋下さんが、「その他大勢」から抜け出し、納得できる人生を送るコツについて熱い言葉でまとめた指南書になっています。

 本書は次のような人におすすめです。

  • 「どうすれば納得できる人生を送れるのか」知りたい人
  • 「普通の人」から脱したい人
  • 頑張り方がわからない人
  • 就職活動を控えた学生の人、社会人になったばかりの人
  • 橋下徹ファンの人

 弁護士としても、政治家としても、常に異端児として全力で走り続けてきた橋下さんのヒミツ、知りたくないですか?

 さっそく、橋下流・生き方のコツを見ていきましょう!

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リスクを取って、限界を突破する

 橋下さんと言えば、テレビカメラの前での強気な態度や、過激な発言ぶりを思い浮かべる方も多いでしょう。

 時に周囲と激しく衝突しながらも、橋下さんは常にチャレンジを心掛け、「限界を突破する」生き方を選んできたと言います。「迷った時は、選択肢の中で一番大胆な道を進む」のが橋下流なのです。

 日本におよそ4万人いる弁護士の中から、メディアで一躍有名人となり、大阪府知事の座を手に入れた背景には、このマインドがあります。

どうれうば「限界を突破する」ことができるのでしょうか。ポイントは5つあります。

1)すべての仕事(物事)は表裏一体性で考える

 誰でも自由や権利、チャンスや利益は欲しいものです。でも、その裏には必ず背負うべき「責任」「義務」「努力」があります。

 たとえば、スキルを広げたいなら努力すること。チャンスに恵まれたいなら、行動して種をまいておくこと。

 異端児と呼ばれる橋下さんも、この当たり前のルールに従って現在の地位にたどり着いたのです。

 何かを得るために、その裏側にあるものをいかに背負うか。それとも何も背負わず、現状維持で行くか。(p.20)

2)強みの掛け算で「自分にしかない価値」を手に入れる

 高みを目指すのであれば、自分の価値を高める必要があります。実はその方法はとてもシンプル。「複数の強み」を掛け算すればいいのです。

 まず、色々なことに挑戦してみること、とにかく行動することが大事です。たとえば、たくさんの人と接する、様々な分野の本を読んでみる、新しい体験をする、いつもとは違う視点で物事を考えてみるなど、「自分はこれで勝負する」と思うものがあっても、そこから派生させて別の事にもチャレンジすることが大切だそうです。

 その結果、橋下さんは「弁護士」×「タレント」×「知事」×「市長」×「政党代表」という強烈な掛け算式を手に入れました。

3)目標達成に向けて行動し続ける

 歩みを緩めることなく、目標達成まで走り続けることはとても難しいことです。恥ずかしながら、わたしも資格取得に挑戦しては投げ出し、新しい習い事を始めては早々にやる気をなくした経験が数え切れないほどあります。

 ここでの橋下さんのアドバイスは、「そもそもの理由に立ち返る」です。投げ出したくなったり、やる気がなくなったりしたら、目標達成の暁には何をするのかをできるだけ具体的にイメージすることが重要だといいます。そうすることで、目標を掲げた時の、ポジティブで、力強い感情を取り戻すことができるからです。

4)迷ったら「大胆な道」を選ぶ

 橋下さんは弁護士として駆け出しの頃、放送局に勤めていた高校の先輩からラジオ番組のピンチヒッターを頼まれたそうです。悩んだ末、「大胆な道」を選ぶことに決めて出演を引き受けました。

 それがきっかけとなり、情報番組のコメンテーターや、人気テレビ番組「サンデー・ジャポン」や「行列のできる法律相談所」などへの出演が決まったのです。それらすべては、大胆な方を選ん結果だと橋下さんは言います。

 人前で意見を述べるときも同じです。周囲から孤立することを恐れず、たとえ「チャレンジの道」だとしても持論をきちんと示すようにしているそうです。

 迷ったときは「大胆な道」「今までやったことのない道」「現状維持ではなく前進という道」「チャレンジの道」を選ぶというのが橋下さん流なのです。

 橋下さんが多くの人の関心を集め、政界からも声が掛かった背景には、こうした揺るがない姿勢があったからではないでしょうか。

5)チャンスを掴むために、圧倒的な量をこなす

 橋下さんをはじめ、チャンスをものにしている人の共通点は、圧倒的な量で行動していることにあります。「限界を突破する」コツはこれです。

 橋下さんは、陰では人並ならぬ努力をしており、特に大多数の人と意見が異なる際は、完璧な理論を構築するために猛勉強するそうです。

 1つのテーマに100くらいの準備をやって、使ったものは1つか2つ。場合によっては使ったものは0で準備の労力だけかかったということも多々ありました。それでも手を抜かずにやり続けました。(p.46)

 その他大勢から抜け出すのに楽な方法はありません。圧倒的な量の努力、できていますか?

自分の商品価値をMAXまで高める

 自分の商品価値とは、自分の「ウリ」のことです。成功するには、自分の商品価値をその時々の最高値まで引き上げる必要があります。

 社会人1年目の時に「ウリ」になっていたものが、10年後も通用するとは限りません。

 ここでは、自分の商品価値を高める方法をご紹介します。

1)自分の「強み」を武器にする

 無理に10年後も通用するような「ウリ」を身に付けなくても大丈夫です。必要なのは、その時の自分に合った分相応な「ウリ」です。

 経験不足なり、実力不足なりに、ウリにできるものがあると橋下さんは言います。橋下さんは駆け出し弁護士のころ、特に得意な専門もなく、経験や信用もなかったので、「スピード」をウリにしていたそうです。

2)ウリは他を圧倒しなければならない

 「スピード」をウリにする場合、たとえばプレゼン資料を作成するにしても、周囲が「1」程度のレベルでやるところを、自分は「1万」のレベルでやって、ようやく周囲は「5」くらいのレベルだと認識してくれます。

 自分のウリを周囲に認識してもらうためには、そのくらい他を圧倒しなければいけません。

3)努力を一番の目的にしてはいけない

 ウリを強化しようと努力すること自体が目的になってしまうと、自分の商品価値を高めるという本来の目的から外れてしまいます。

 たとえば、「名刺コレクター」。たくさんの人と名刺交換することで満足してしまい、人脈を築くという本来の目的を見失っている人は少なくありません。手段と目的、つい混同しがちなので注意です。

4)「質」は「量」で磨かれる

 当たり前ですが、仕事の質は量をこなすことでアップします。「こんなに頑張っているのに評価してもらえない」「これだけやっているのに効果が出ない」という時は、まだ圧倒的な量をこなしていないと橋下さんは言います。

 量をこなして仕事の質が上がれば、量にこだわる必要はなくなります。そして、自分の商品価値が高くなると、必然的に報酬単価も上がります。

 そうすれば短い時間仕事をするだけで生活できるようになり、余った時間を上手に使えば、さらに自分の強みを増やせるという好循環がやってくるのです。

物怖じせず「できる」マインドを持つ

 ここでは、難関を突破するための「できる」マインドの作り方をご紹介します。

 橋下さん曰く、「できるかどうか」を自分の実力以上に左右するのが、自分の意識だそうです。つまり、「できる」マインドを持つことが未知の可能性を開く扉になります。

 「できる」マインドを身につけるには、成功体験をするしかありません。その際は、あえて成功するかわからないような、大きなことにチャレンジすることが大切だと言います。とにかく成功する方法を死に物狂いで考え、あの手この手で挑戦してみます。

 チームでタスクに取り組む時も同じです。チームが大きいほど、誰もが絶対にできないだろうと思っているような大きなことにチャレンジすると効果があります。

 物怖じすれば、チャンスはそこで終わりです。成功体験も得られなければ、「できる」マインドを持つこともできません。そしてまた、いつも同じようなタスクをこなし、普段通りの毎日を送ることになるのです。

 チェンジのためには、チャレンジあるのみです!

情報マニアにならないために

 これからの時代に求められる能力は、「知識・情報を持っている」ことよりも、その知識や情報を活用して「自分の頭で考え持論を打ち出せる」ことだと橋下さんは言います。なぜなら、今はどんな情報でも簡単に調べられる時代だからです。

 では、知識や情報を持論へと発展させる力を身につけるには、どうしたら良いのでしょうか。橋下さんが勧めるのは、「持論工場」を持つという方法です。

 これは、知識や情報といった原材料を放り込むだけで、それを基に付加価値のある持論をつくってしまう「工場」を自分の中に持つということです。

 良い商品を素早く製造する工場にするには、訓練あるのみ。橋下さんは、新聞やネットなどで知識・情報をインプットしながら、必ずそこに自分の意見を脳内で添える習慣を20年以上毎日続けているといいます。

 この訓練をしていると、「この部分がわからないと、自分の意見が言えない」という箇所が出てくるそうです。そこを調べてまた自分の意見を考える。するとまた知識・情報不足の壁にぶつかって、さらに調べて考える……これが持論を構築するプロセスです。

 この作業を繰り返すことによって、知識・情報量がどんどん増えることはもちろん、持論を構築する工場のレベルが上がり、必然的にアウトプットの質も上がってくるそうです。

 記事を読んで「そうなんだ」で済まさず、「そうなんだ。では自分はどう考えるか」と常に自分の意見を添えることを習慣にしてください。(p. 128)

 この訓練はいつでも、どこでもできます。ぜひ試してみてください。

合理的に人と付き合う方法

 職場の人間関係の悩みが深くなってしまうのは、「その人とずっと付き合わなくてはいけない」という思い込みがあるからだと橋下さんは言います。

 これまでに出会った人たちを振り返ってみてください。中学、高校、大学、アルバイト先、初めての職場……人との付き合いは意外と短いものです。

 つまり、もし人間関係に苦労していても、その状況はいずれ変わるということです。なぜなら、基本的に人間関係は時とともに移り変わるものだからです。

 少し冷めた考えに感じるかもしれませんが、目の前に存在する嫌な相手だって、いずれ関係なくなっていく人なのだと割り切ってみると、想像以上に気持ちが楽になるはずだと橋下さんは言います。

 そして、意外と付き合うのが難しいのが後輩です。頼んだ仕事がいつまでも終わらなかったり、指示どおりに作業をしてもらえなかったりすると、つい不快感を抱きがちです。

 後輩と仕事をする際のポイントは、「相手は自分と同じようにはできない」という認識を常に持つことだといいます。自分と同じような作業スピードでタスクをこなしてくれるだろうと考えているために、期待が外れると不快感が募るのです。

 ちなみに、後輩や部下には「頑張れば到達できる一歩先の目標」を示すと、彼らのやる気と行動を呼び起こし、成長を促すことができるそうです。それがチームの力を底上げし、ひいては先輩やリーダーであるあなたの商品価値を高めることにつながります。

批判・苦言・進言にきちんと向き合う

 強気なキャラクターの橋下さんだけに、周囲から厳しく批判されることも数え切れないほどあったと思います。そんな橋下さんは、どのように批判を受け止めてきたのでしょうか。

 実は意外にも周りからの批判や苦言、進言などには素直に耳を傾けるそうです。なぜなら、人から意見されることや批判されることは、自分の思考訓練になり、持論を磨くことにプラスとなるからです。

 人と意見が食い違っても、そこでなあなあで済まさず積極的に意見を戦わせることで、生煮えだった自分の思考が洗練されることも多いのです。(p. 177)

 人からの批判に耳が痛くなるのは、自分の思考の甘いところや弱いところを的確に突かれているからです。なので、批判、苦言、進言にきちんと向き合えば、自分の甘さや弱さに対する対応策を講じられるようになります。

 批判を恐れて避け続ければ、永遠に自分の弱点は改善されません。

心から納得できる人生を生きる

 最近よく「好きなことを仕事にする」というフレーズを耳にします。しかし、橋下さんいわく、「好きなこと」が見つかっていなくても大丈夫だそうです。なぜなら、これからの時代に大切なのは行動力だからです。

 何度転職を繰り返してもいいので、とにかく行った先々でがむしゃらに一生懸命やってみることが重要で、最終的に「納得できる人生」なら結果オーライというのが橋下流です。

 「納得感」は、お金持ちになったかどうか、成功したかどうか、結果を出したかどうか、目標を達成したかどうかではなく、自分のエネルギーをすべて出し切って完全燃焼したかどうかで決まると橋下さんは言います。

 僕自身、これまでの人生を振り返って記憶に蘇ってくるものは、すべて「自分なりに精一杯、全力で行動した」ときの記憶です。(p. 218)

 そう言われてみれば、そうかもしれません。必死に取り組んだ受験勉強や全力投球したスポーツなどは、鮮明な記憶とともに、いつ思い出しても満足感を与えてくれるものです。

おわりに

 これ以上頑張れないというくらい努力し、死ぬ気でやってみて初めて他の人との差別化を図ることができ、「普通の人」の域から脱することができます。なぜなら、「普通の人」はそこまで頑張れないからです。

 圧倒的な努力をすることができれば、それが自分の強み、武器、個性になります。

 正直なところ、本書を最後まで読んでみて、橋下さんの生き方は常に全力疾走でしんどそうだと思う箇所もありました。しかし同時に、なぜ自分がその「他大勢」から抜け出せないのかを痛いほど実感させてくれる良書でもありました。

 まずは自分ができそうなところから橋下流の生き方のコツを取り入れることで、昨日までの自分とは少し違った自分になれると思います。

 読書が趣味の自分は、本を読んだら自分の意見を添えることを習慣にして、「持論工場」づくりをやってみようと思います。あなたも、ちょこっと橋下流の生き方をマネしてみませんか?

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