頭がいい人の条件とは?パズルを解いて「論理的思考」を身につけよう

頭がいい人の条件とは?パズルを解いて「論理的思考」を身につけよう




 こんにちは、大関です。今回は、『論理的な人の27の思考回路』を紹介します。

 著者の北村良子さんはパズル作家で、企業のキャンペーンをはじめ、書籍や雑誌、新聞、TV番組に向けたパズルを数万以上も作成されています。

 昨年、北村さんの『論理的思考力を鍛える33の思考実験』を読み、本の中で紹介されていた「トロッコ問題」や「囚人のジレンマ」といった思考実験が面白かったので、この本も読んでみることにしました。

 論理的思考(ロジカルシンキング)と聞くと、苦手意識を抱いて「自分には無理だ」と諦めてしまったり、「自分は感覚派だから」と開き直ってする人もいるかもしれません。しかし論理的思考は、仕事だけでなく、日常生活でも必須のスキルであり、コミュニケーションをとるうえでなくてはならないものです。

 自分の主張を相手に伝え、納得してもらうためには、しっかりとした「理由」が必要です。「ただ、なんとなく」という理由で納得してもらえる可能性は低いでしょう。

 では、どうすれば論理的思考を身につけることができるのでしょうか。

 「パズルを解くことを通して、論理的思考を身につけよう」というのが本書のテーマです。

 北村さん曰く、パズルは論理的思考を身につけるツールとして優れているそうです。なぜならパズルを解く際は、「理由」→「結論」という論理的なステップを踏まなければならないからです。しかも、遊び感覚で挑めるので、突飛な発想に対する心のブレーキを外しやすくなり、思考の幅が自然に広がるといいます。

 第i部では、「論理力にプラスすべき8つの能力」と「7つの解法セオリー」について紹介され、第ⅱ部では、脳に新しい思考回路をインプットするための具体的なパズル問題がたくさん登場します。

 今回は第i部から、パズルを解くことで鍛えられる8つの能力と、パズルを解く際に用いる7つのセオリーをご紹介します。

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「頭がいい」とはどういうことか?

 「頭がいい人」と聞いて、あなたはどのような人が思い浮かぶでしょうか?

 学生時代であれば、テストの点数が高い人を頭がいい人と呼んだかもしれません。すなわち、暗記力が高かったり、テスト範囲の勉強が効率よくできる人です。

 しかし社会人になると、「頭がいい人」の定義は変化します。本書では、頭のいい人の3要素として、

  • 知識量
  • 頭の回転の速さ
  • 論理力

 を挙げています。つまり知識量が多く、頭の回転が速くて、論理的に物事をとらえ、伝える力のある人が「頭がいい人」ということです。

 「知識量」はスマホやパソコンなどの外部機器を用いることでカバーできますが、残りの2つ自らトレーニングして磨かなければなりません。本書のパズルは、そのためにも有効なツールです。

論理力を磨く8つの能力

 「論理力」を十分に発揮するためには、組み合わせるべき8つの能力があります。

  1. 推理力
  2. 問題解決力
  3. 発想力
  4. 空間認識力・イメージ力
  5. 言語力
  6. 判断力
  7. 多角的思考力
  8. 試行錯誤力・積み上げ思考力

 これらは論理力を駆使するためのカギとなる存在であり、本書に出題されている問題を解くことで鍛えることができます。

 しかし、これらの能力を「意識して使う」ことは抽象的な作業となるので、イメージしづらいかもしれません。

 そこでパズルを解く際のセオリー(具体的な解法)として、7つの要素が紹介されています。



問題解決の7つのセオリー

 このセオリーを駆使することで頭の中が整理され、問題を理解しやすくなったり、闇雲に解くことや、何から手をつけていいのかわからず悩むことが劇的に少なくなると言います。

  1. シンプル化…もっと単純化して考えられないか?
  2. 発想の転換…別の見方ができないか?
  3. 代入…他のものに置き換えられないか?
  4. 比較…AとBを比較することで何かが見えてこないか?
  5. 視点の憑依…ユーザーや相手の視点で考えることで新たな発見ができないか?
  6. 組み合わせ…今までに存在するアレとコレを組み合わせたら新しいものにならないか?
  7. 消去法…最善のものを選択するために消去できるものはないか?

 パズルを解く際に使うこれらのセオリーは、じつはビジネスや日常生活にも通じる問題解決の手段です。目の前に何か問題が立ちはだかったとき、この7つのセオリーのどれかを使うことで、基本的にほとんどの問題に突破口を開くことができます。

 それでは、7つのセオリーの中から実際に「視点の憑依」を使ってパズルを解いてみましょう。 

嘘つきは誰?

 「視点の憑依」とは、「ユーザーや相手の視点で考えることで新たな発見ができないか?」と考えることです。
 
 まずは次のパズルを読んでみてください。

 正直者は必ず本当のことを言い、嘘つきは必ず嘘をつきます。以下の4人のうち、1人だけいる嘘つきは誰でしょうか?

カオリ「私はピアノしか習っていないわ」
ケント「僕は正直者だ」
ソウタ「サトミは嘘つきじゃない」
サトミ「カオリは習字を習っているよ」

 さて、この問題はどうやって解けばよいでしょうか?

 ここで必要になるのが「視点の憑依」、つまり自分の視点ではなく、登場人物それぞれの視点に立って考えてみることです。

 カオリとサトミは言っていることが食い違っているので、どちらかが嘘をついていることがわかります。つまり、ケントとソウタは正直者です。ソウタのセリフから、サトミは嘘をついていないことがわかるので、嘘つきはカオリです。

 さあ、あなたは解けましたか?

 第ⅱ部では、より複雑なパズルが紹介されています。問題の答えだけでなく、答えにたどり着くまでの道筋と間違った道筋の両方が記された考え方のチャートが用意されているので、自分がどこでつまづいているのか理解することができるとともに、脳に新しい思考回路がインプットすることができます。

 たかがパズルと思うかもしれませんが、楽しみながら論理的思考を身につけることができる本なので、ぜひ読んでみてください。

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