深呼吸は体に悪い?正しい「呼吸法」の身につけ方!

深呼吸は体に悪い?正しい「呼吸法」の身につけ方!




 こんにちは。美女読書で初の書評執筆となります。Yukaといいます。

 少しでも多くの方と学びを共有できればと思い、参加させていただきました。私が今回読んだ本は『人生が変わる最高の呼吸法』です。

 みなさんは普段、呼吸を意識したことがありますか? あまりにも当たり前すぎて深く考えたことがない方がほとんどだと思います。私もその中のひとり。唯一意識的におこなっていたことと言えば、気持ちを落ち着けたり、リフレッシュするために大きく深呼吸をしていたことくらいです。

 しかしこの本を読んで、「深呼吸は体に良い」と思っていたのが、実は間違いだったことが判明しました! なぜ深呼吸が間違っているのでしょうか? また本書では「口呼吸」ではなく「鼻呼吸」をおすすめしているのですが、それはなぜなのでしょうか?

 これらの理由についてご紹介していきます!

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なぜ深呼吸は身体に悪いのか?

 深呼吸が身体に悪い理由を知るためには、呼吸の仕組みを知る必要があります。

 呼吸には、空気中から酸素を体内に取り入れ、代わりに体内で発生した二酸化炭素を排出するという一連の流れがあります。取り込まれた酸素は、肺の中で毛細血管を通して全身に送り込めるようになっています。

 血液から全身に送られた酸素は、筋肉を効率的に動かす燃料として消費されますので、たくさん呼吸をしてたくさん送り込みたいところです。しかし、そこが多くの人が勘違いしてしまうポイントだと言います。

 なぜなら血液中の酸素は不足しているわけではなく、常に十分に行き届いている状態だからです。そこにさらに酸素を送り込むのは、たとえるなら、すでに満杯のコップに水を入れるようなものだと本書では記されています。

 なるほど、これはとてもイメージしやすいですよね。

 深呼吸で酸素をたくさん取り込むことにはあまり意味がなく、呼吸で大切なのは、実は排出されずに体内に残った二酸化炭素にあるそうです。二酸化炭素は、酸素を筋肉に届ける「窓」の役割を果たしており、その窓が全開になっていると酸素が筋肉に十分行きわたり、高い運動パフォーマンスを維持し続けることができます。

 しかし日常的に深呼吸を繰り返すことで吸い込む空気の量が多くなると、吐く息の量も多くなるので、必然的に排出される二酸化炭素の量も多くなってしまいます。すると血中の二酸化炭素濃度が減り、酸素を筋肉に届ける役割である窓の開きが小さくなってしまうんですね。

 全身に酸素が行き渡らない状態になると、日々の生活での倦怠感や運動時の息切れなどにつながってしまいます。

 深呼吸が身体に悪影響を与えるというのは、このような理由によるものなのですね。では、どのような呼吸を意識すればよいのでしょうか。



「鼻呼吸」が持つさまざまな利点とは?

 みなさんはふだん鼻と口どちらで呼吸していますか? 鼻は呼吸のため、口は食事のためにあると言われているように、本書では鼻で呼吸をすることをおすすめしています。

 その利点は次の通りです。

  • 吸い込んだ空気が肺に入る前にいらないものを取り除き、温めて湿気を与える。
  • 心拍数を下げる。
  • 一酸化窒素が肺に送られ、気道と血管が広がる。
  • 酸素が全身に効率的に行きわたる。
  • 動いている筋肉にたくさん酸素が送られるので、疲労物質の乳酸が減少する。

 鼻呼吸を意識して習慣化するだけでこれだけのメリットがあるのですね。

 上記以外にも、睡眠時に鼻呼吸を取り入れると、質の良い睡眠が得られるという効果もあります。これは私もさっそく実践してみました。

 でも、寝ているときに鼻呼吸を意識するのはなかなか難しいですよね。私の場合、マスキングテープを縦に貼って口が開かないようにしています。最初は違和感がありましたが、だんだんと気にならなくなってきました。

 そして鼻呼吸を心がけたことで、浅かった睡眠が徐々に深く寝入ることができるようになり、途中覚醒の頻度も少なくなってきました。正直、こんなに早く効果が出るとは思っていなかったので驚いています。これはぜひ試していただきたいです。

鼻呼吸で集中力を高め、ゾーンに入る

 鼻呼吸は体の健康だけではなく、心の健康にも良い影響を与えてくれます。

 鼻呼吸で集中力を高めることによって、普段の思考を見直し、邪魔な考えを消し去ることができるのです。すると、今している活動に完全に没頭できるようになります。この「何も考えずに没頭できる状態」を「ゾーンに入る」と呼んでいます。

 現代はたくさんの情報にあふれているため、入ってくる情報を選別する時間が意図せずとも増えてしまい、集中力を持続させるのが難しくなっています。

 最近、書籍やテレビで瞑想について取り上げられる機会が増えていますが、本書でも瞑想を行うことで集中力を高める方法が紹介されています。

 たとえば瞑想することによって、「呼吸を軽くすること」「体の内部と一体になること」「『今、ここ』に集中すること」という3つのテクニックを身につけることができます。

 「呼吸を軽くする」とは、自分の呼吸に集中し、体全体をリラックスさせ、心を静かにすること。

 「体の内部と一体になる」とは、思考の呪縛から離れることです。終わりのない思考から抜け出し、体の内部に意識を向ければ、そこにある静けさと知性を活用することができます。

 最後の「『今、ここ』に集中する」とは、過去の出来事や心配事にとらわれずに、今この瞬間を生きるということです。分析や批判、比較をせずに、見えるもの、聞こえるもの、触れるもの、味、匂いなど、体の五感を使って周りの環境を感じ取ることができれば、思考から完全に解放されます。

 これら3つの習慣を実践してみると、今まで気にしたことがなかったけれど、あらためて目の前にある物を見た時に新鮮な発見があったり、外に出て季節を感じると、なんだか気持ちがすっきりしてポジティブに考えられるようになったりと、何事も行動につなげる心の余裕が出てきたように感じます。

 瞑想に関する本は、美女読書でもいくつか紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。

まとめ

 著者曰く、「呼吸は本来無意識に行うものであり、深く考えたことのある人はあまりいないが、人は生きている限り常に呼吸をしていて、その呼吸法が健康を促進してくれることもあれば、健康を妨げる足かせになることもある」そうです。

 もっと自分の呼吸に対して自覚的になり、本来の正しい呼吸法を身につけなければならないと痛感しました。

 本書では様々な専門的な仕組みが分かりやすく説明されており、具体的な事例も取り上げられています。また、最終章ではトップアスリートが実践する酸素アドバンテージ・プログラムを、自分だけの仕様に合わせて作ることができるようになっています。

 みなさんもぜひ、本書を読んで心身共にコントロールできる人生を歩んでいきましょう!

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