マッキンゼー本『入社1年目の教科書』に学ぶ!”問題解決”アプローチ法

マッキンゼー本『入社1年目の教科書』に学ぶ!”問題解決”アプローチ法






10秒で要点チェック!

 真の「問題解決」とは、目の前の事象だけをモグラ叩きのように片付けていくことではなく、「なぜ、その事象が起こったのか?」「どうあればその事象が起きないのか?」という、問題の本質まで掘り下げて解決するものでなければならない。

マッキンゼーの社員は、なぜ入社3年目で起業して即活躍できるのか?

 世界最強のコンサルティングファームと言われるマッキンゼーでは、入社3〜5年すれば卒業して起業する人、さまざまな事業会社で経営やマネジメントに携わる人が珍しくないと言います。

 一般的に入社3〜5年と言えば、ようやく会社の仕事の慣れ、組織の中で自分の役割を与えられて、後輩に仕事を教えながら日々の業務を遂行しているという立場が多いでしょう。

 なぜマッキンゼーの卒業生は、わずかな期間のうちにさまざまな分野で即活躍できるようになるのでしょうか。その秘密は、マッキンゼーが独自に築き上げた「新人研修プログラム」で学ぶ仕事術にあると言います。

 そのノウハウを惜しげもなく公開してくれているのが、今回紹介する『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』

 同期やライバルを圧倒するスピードで成長を遂げるためにも、本書からマッキンゼー流・新人研修の学びを拝借しましょう。今回は、女優でモデルの篠﨑瑞希さんと一緒に、本書の要点をご紹介します。

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真の「問題解決」とは?

 コンサルティングファームに限らず、「仕事」とは「問題解決」とほとんど同義です。社内向けにせよ社外向けにせよ、自分以外の誰かの問題を解決することで対価を受け取るのが「仕事」です。

 にも関わらず、本当の意味での「問題解決」とは何かを理解している人は意外と多くありません。

 「問題解決」とは、目の前の事象をモグラ叩きのように片付けていくことではなく、「なぜ、その事象が起こったのか?」「どうあればその事象が起きないのか?」という、問題の本質まで掘り下げて解決するものです。

 たとえば「仕事でミスが多いAさん」のミスをなくそうとする場合、「Bさんがダブルチェックをする」というのは「問題解決」にはなりません。

 なぜなら、そもそもAさんのミスがなくなればBさんの時間を使う必要はないし、もし負担が増えたことによってBさんのミスが増えてしまったとしたら本末転倒だからです。

 真の「問題解決」とは、「ミスが多いからミスを減らそう」という「コインの裏返し」のような発想ではなく、「AさんもBさんも効率よく、正確に仕事をしている」というあるべき姿と現状とのギャップを埋めるものでなければなりません。

 そしてそれを解決するための具体的な「打ち手」を明確にし、実行して初めて「問題解決」と言えるのです。

 では、どのように真の問題を見極めれば良いのでしょうか。

1. 問題の構造を把握する

 どんな事象や結果も、それだけが独立して存在することはありません。

 そのため、まずは何が問題なのかの「問題定義」を行い、その問題がどんな要因でつながっているのかという「問題の構造」を見える化することが必要です。

 ポイントは「事象と要因を分離する」こと。

 上述のように「Aさんのミスが多い」という事象だけを見て対策を考えるのではなく、「Aさんのミスが多い」という事象とそれが引き起こされる様々な要因を分けて考えることで、問題がどんな構造によって成り立っているのかを把握するのです。

 その際に役に立つのが「ロジックツリー」です。

2. ロジックツリーで問題を分解する

 ロジックツリーとは、前提となる事象を含んだ問題(大きな問題)を、その問題につながるいくつもの要因に細かく(小さな問題に)分解していくための思考ツール(フレームワーク)です。

 大きすぎて解決するのが難しい問題でも、分解して小さくすることで問題を整理しやすく、解決策が導きやすくなります。その際のポイントは下記3つ。

 ①「モレなくダブりなく」分解する。
 ②「事実(ファクト)ベース」で行う。
 ③重要度の低いことは深く掘り下げない。

 本書では、「営業担当の営業実績が上がらない場合」を例に、次のようなロジックツリーを作っています。

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 このように分解すると、問題の全体像を俯瞰して重要度の大小を見極めることができるので、思いつきで重要度の低いものに時間をかけるようなことも避けられます。

3. 仮説を立てて分析する

 問題を分解したら、その中から「何が最も重要な課題か」というイシューを決めます。イシューは「最も本質的で解決のインパクトがありそうな課題」でなければなりません。

 ロジックツリーによって見えてきた問題の構造をすべて分析・検証していく時間はないため、現時点での「仮説」としてイシューを設定し、それが正しいか間違っているかを検証するところからスタートするのです。



4. イシューツリーで仮説を検証する

 「イシューを検証するにあたってどんな分析が必要か」を明らかにするためには、「イシューツリー」を使います。

 「ロジックツリー」と同じ要領で、イシューを出発点としてそこから導かれる要素について、その仮説が正しいかどうかを「YES/NO」で検証していきます。

 本書では自動車メーカーを例として、「利益率アップのために顧客層Aへアップグレード車種を販売拡大すべきか」というイシューについて、下記のようなイシューツリーを作成して検証しています。

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 ※タップして拡大

 このようにイシューを分解していくと、市場の拡大の可能性や顧客ニーズの把握、販売チャネルや価格に関することまで、さまざまな要素を検証する必要があることがわかります。

5. 解決策を導き出す–空・雨・傘

 最後は、「解決策」となる打ち手を実行する際のフレームワークです。マッキンーゼでは、一つの打ち手を導き出す上で「空・雨・傘」という思考を徹底していると言います。

 空とは「現状はどうなっているか」というファクト(事実)、雨とは「その現状が何を意味するのか」という解釈、そして傘はそれを解決するための打ち手を意味します。

 つまり現状の「空模様」を分析することで「雨」を予測し、その対応策となる「傘」は何かという考え方をするのです。

 ただ単にデータや情報を集めるだけではなく、「空・雨・傘」という一連の流れの中で検証することで、的外れな解決策を導き出すことがなくなります。

まとめ

 こうしたフレームワークばかり紹介していると、「マッキンゼーでは頭のいい人たちが机の上で理論だけ練って解決策を導き出している」というようなイメージをもたれるかもしれません。

 しかし本書の冒頭で語られているように、マッキンゼーでは「Client interest first」を仕事の流儀として、直接現場に足を運び自分の足で拾った一次情報をベースに思考を深めていくことが何よりも徹底されています。

 クライアントが思いつかないようなバリュー、それも机上の空論ではなく現場レベルで実行できてインパクトの出せるバリューを生み出すためには、クライアント以上にクライアントのことを理解しなければならないからです。

 徹底された「顧客第一主義」は、どんな仕事でも価値を生む源泉になるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

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モデルプロフィール

・名前     :篠﨑瑞希
・生年月日   :1992.3.10
・出身     :大阪府
・職業     :女優、モデル
・Twitter   :@mizukishinosaki
・instagram  :@mizukishinosaki

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