「仕事が終わらなくて残業してしまう」「考えすぎて仕事が進まない」
こうした悩みを持った経験は、誰もがあると思います。とあるベンチャー企業の新規事業部で働く僕も、その一人です。
この課題を解決するために何かヒントはないかと思って読んでみたのが『捨てる。手を抜く。考えない。』です。
本書は、著者の須田仁之さんが、「月460時間労働から抜け出すために実践した仕事術53」を紹介しています。この記事では、その中から4つをピックアップして紹介します。
①矛盾は解決せずに受け止める
著者は冒頭で、仕事ができる人は「矛盾を解決しようとせずに、むしろ受け入れながら先に進む人」と述べています。
ビジネスは、競合や顧客といった市場の変化によって状況が変化して、昨日の意思決定が変わることは日常茶飯事です。
そんな矛盾だらけのビジネスにおいて、「昨日と言ってることが違うじゃないか!」と考えていたら、時間も足りないし、そもそも論理的に整理すること自体が無駄だったりします。
だからこそ、矛盾を受け入れて仕事を前に進める思考が必要なのです。
②成果が出ない人ほど思考したがる
須田さんが重視している仕事術として、「知っている人に聞く」と「ググる」が挙げられています。
凡人の頭でいくら考えても間違いますし、うんうんと考えていても時間のムダです。(p.25)
仕事ができる人ほど、自分の力が及ばないことを認め、それに対してムダな努力はしないものだといいます。
クリエイティブが要求される仕事以外は、何よりも「処理スピード」を重視して、進めながら軌道修正して成果までたどり着くことが重要なのです。
③自分の勘違いに気づけ!
そんなこと言ったって、「知っている人に聞いても納得できない時だってあるじゃないか」と思う人もいるかもしれません。
そんな時にオススメなのが、「考える前にまずやってみよ!」というマインドです。
人間は誰しも、思考自体に「バイアス(偏り)」があり、「自信満々な勘違い思考」をしてしまうものです。
これを避けるためには、自分の思考に「バイアス」があることを認識し、「自信満々なときこそ、一旦自分を疑う」ことが大切なのだそうです。
そして「他人(自分より賢い人)に聞いてみる」といった柔軟な姿勢を取って、考える前にまず行動してみることが勧められています。
④「オッサン脳」にならないために初体験を重視する
ここまで紹介したように「考えない」仕事術を続けていると、仕事の経験値がすごいスピードで溜まっていきます。
すると、これまで真新しかった業務がルーティン化し、より物事を「考えず」に仕事ができるようになっていきます。
しかし、ここで気をつけなければならないのは、考えずに仕事をすることに慣れすぎてしまうと、考える仕事をするための「脳」の筋肉が衰えてしまうという点です。
これを避けるために、須田さんは脳に「初体験」の餌を与えることを勧めています。
オッサン脳化を回避するには、子供の頃のように「常に新しいものに触れる」という脳への刺激を、無理やりにでも作る必要があります。(p.43)
普段触れない分野の本を読んでみたり、新しい人に意識的に会ってみたりして、脳の筋トレを行いましょう。
最後に
須田さんは仕事ができる人とできな人の差について、次のように述べています。
長年仕事をしているとわかるのですが、仕事ができる人とできない人の差で一番大きいのは、案外「その仕事をやったことがあるかどうか」だけだったりします。経験さえ積んでさえいれば、一部のクリエイティブな仕事を除いて、仕事のほとんどは誰でもできるものです。
「経験をどんどん取るために、捨てて、手を抜いて、矛盾を考えない」ーーこのようなスタンスで仕事をすることが、成果を出す人には求められるのですね。
僕もすぐ実践できることを、「考えずにまずやる」ことを心がけたいと思います。