茂木健一郎が語る!成功に必要なのは「才能」より「続ける力」である理由

茂木健一郎が語る!成功に必要なのは「才能」より「続ける力」である理由




 はじめまして。現在、1歳と4歳の二児を育児中のNOIEと申します。育児の傍ら、通信講座で実務翻訳の学習中です。

 今回紹介させていただくのは、茂木健一郎さんの『続ける脳 最新科学でわかった! 必ず結果を出す方法』です。

 この本では「GRIT(グリット)」というキーワードを起点に、脳科学の観点から「続ける力」について解き明かしています。グリットとは「やり抜く力」のことで、ペンシルヴァニア大学教授の心理学者、アンジェラ・リー・ダックワースがTEDで提唱したことがきっかけで、世界中から一躍脚光を浴びました。

 皆さんも一筋縄ではいかない課題や目標をお持ちではありませんか? ここでは、そういった課題や目標の達成の鍵である「続ける脳」について、以下の2点でご紹介させていただきます。

  1. 才能よりも「続ける力」が大切
  2. 「続ける脳」の作り方



①才能よりも「続ける力」が大切

 あなたは成功している人とはどんな人のことだと思いますか?

  • 「生まれつき頭がよかった」
  • 「持って生まれたセンスがちがう」

 そう思ったことはないでしょうか。ですが近年、その人の成功を決めるのは「才能」でも「知能指数」でもなく、

  • 「困難があっても、続ける力」
  • 「情熱をもって取り組むネバリ強さ」

 だと言われています。これはよくある「歯を食いしばれ!」という日本的な根性論ではありません。

 何日、何週間という単位ではなく、何年にもわたり、困難な課題を達成するために努力を続ける力のことです。

 どんなに失敗しても、最後までやり遂げる精神的な特性が、結局は成功につながると言われています。

 「続ける脳」を持った有名人の例を挙げると、ウィンドウズを開発したマイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツがいます。

 ビル・ゲイツは、1960年代としてはとても恵まれたコンピュータ環境であるシアトルの私立中高、レイクサイド校に入りました。彼はそこで授業をサボるくらいプログラミングに没頭。先生たちも「そんなに情熱を傾けられるなら」と容認するようになったそうです。

 彼の成功の秘訣は

  • 「プログラミングに、誰よりも多くの時間を割いた」
  • 「粘り強く取り組んだ」

 この2点につきます。つまり生まれ持った才能というよりも、「続ける脳」に支えられたものだったのです。

 また別の例として、ダックワースは公立の学校で算数を教えていたとき、もっとも成績のよい子と成績の悪い子のIQに大きな違いはないと気づきました。

 IQが低くても、テストで良い点をとる子どもがいるし、IQが高くても、テストで悪い点をとる子どもがいます。そこから、IQがどうであれ、「粘り強く課題に取り組めるかどうか」が、テストの点数を左右するのではないか、と考えたのです。

 つまり、これもビル・ゲイツの例と同じように、「粘り強く続ける力」「継続的に取り組む力」が成功する秘訣となっているのです。

 ビル・ゲイツの成功の秘訣も、算数のテストの点数の例も、子どもがいる人にとっては大変参考になるエピソードではないでしょうか。

 子どもがビル・ゲイツのように何かに没頭しているときは、「続ける脳」を培っている大切な時間かもしれません。



②「続ける脳」の作り方

 ではどうしたら、「続ける脳」を作ることができるでしょうか。茂木さんは「完璧主義を捨てる」ことだと言います。

 たとえば「毎日、英単語10個を覚えよう!」と決めたのに、4日で休んでしまったとします。すると完璧主義の人は「ああ、続けられなかった、三日坊主だ…」と自己嫌悪に陥り、その後再開するやる気を失ってしまいます。

 ですが茂木さんは、3日続いた(続けることができた)事実に目を向けることなく、1日守れない日があるだけですぐ諦めてしまうのは、とてももったいないことだと言います。

 そこで登場するのが「ベスト・エフォート」という考え方です。三日坊主で4日目にやめてしまったけれど、5日目にまた再開するのと、三日坊主だからと言って翌5日目から永遠にやめてしまうのと、どちらがいいでしょう?

  • 継続が途切れるのは当たり前と考え、完璧主義を捨てる。
  • 「今」できる中でのベストを考える。

 ベスト・エフォートは、究極の未来志向であると茂木さんは言います。これは、育児をしながら翻訳の語学学習をするわたしにとって、とても身に滲みる言葉でした。

 なぜなら、育児中は継続的に勉強したくても、毎日欠かさず勉強するということは困難だったりするからです。

 日中は家事や子どもの相手で勉強ができないので、夜に皆が寝静まった後に勉強しようにも、寝かしつけと同時に自分も朝まで眠ってしまい、気がつけば朝だったということが多々あります。

 そんなわたしの不完全な継続的学習でも、目標に向かって、「ベスト・エフォート」で粘り強く、継続する力が重要であることを、この本は教えてくれました。

 三日坊主の経験のある人なら誰にとっても、この本はやる気と励ましを与えてくれる重要な1冊になると思います。






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