名探偵コナンに学ぶ!ビジネスに必要なロジカルシンキングの基本

名探偵コナンに学ぶ!ビジネスに必要なロジカルシンキングの基本




 はじめまして、西宮エヌです。これまで小説以外の書籍をほとんど読んでいなかった私ですが、最近になって、小説では得られない知見を広めたいと思うようになり、ビジネス書や自己啓発書も読んでみることにしました。

 最初に手に取ったのが『名探偵コナンに学ぶ ロジカルシンキングの超基本』です。

 著者の上野豪さんは、日本最大のビジネススクールであるグロービス経営大学院で、「ビジネスに必要なことを全てマンガから学ぶ」という研究をしていたそうです。

 「ロジカルシンキング」とは、簡単に言えば「根拠をもって主張/結論を導き出す考え方」のこと。誰もが知っている名探偵コナンが、難解な事件を解決するとき、どのようにロジカルシンキングを活用しているのか?

 本書ではコナンの推理方法を引用しながら、ロジカルシンキングの考え方を以下の5つのステップで解説しています。

  1. イシューを特定する
  2. 枠組みを考える
  3. 初期仮説を立てる
  4. 初期仮説を検証し進化させる
  5. 結論づける

 この記事では、特に大切だと感じた最初の2ステップについてご紹介します。

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1.イシューを特定する

 「イシュー(issue)」とは「今考え、結論を出すべき問題」のことを言います。まず何について考えるのかというイシューを明確にしないと、思わぬ間違いや時間のロスをしてしまう可能性があります。

 そのため、まずはイシューを特定することが重要なのです。

①イシューを特定する際の注意点

〈コナンの事例〉
知人のある夫婦が主催する結婚パーティーに出席したコナンたち。妻はブライダル用の付け爪をセットするため、いったん会場を離れた。夫が妻に電話をすると「サヨナラ」と告げられ、その直後に妻の車が燃え妻は遺体で発見される。妻の付け爪の先にあった皮膚片と夫のDNAがほぼ一致したという報告があがってきた。

 あなたが現場に居合わせたコナンだったら、どのようにイシューを特定しますか?

【1】妻はなぜ自殺したのか?
【2】夫はどうやって妻を殺したのか?

 このように目の前にある情報の中から考えやすいことをイシューにしてしまうと、そのイシューの正確性は危うくなると著者は指摘します。【1】は妻が自殺したことを前提としており、【2】は夫が殺したことを前提としています。それぞれの前提が正しいかどうかわからない状態で、これらをイシューにして話を進めてしまうと、真相から遠ざかってしまう可能性があります。

 イシューの特定が見当外れでは、問題解決への道も遠回りになります。まず考えなければならないことは、

【why】妻は、なぜ亡くなったのか?
【how】どのようにして亡くなったのか?

という「動機」と「手法」に関するイシューです。これらを解明することで、妻の死の真相に近づくことができるでしょう。

 イシューを特定するときは、その時の状況から見えていることだけを判断材料にしていないか自問することが大切なのだそうです。

②常にイシューを意識するための工夫を

 会議やブレスト(ブレインストーミング)を行う際、本筋から外れてしまうことは多々あります。そうした場合、参加者の間で「今考えなければいけないことは何か?」を共有します。すると、散漫になりがちな会議やブレストが適切に進行し、早期の問題解決が望めるようになります。

 ホワイトボードやふせんなどにイシューを書き記し、常に目に入るようにしておくといった工夫がおすすめされています。



2.枠組みを考える

 「枠組み」とは、イシューに対して主張/結論を言うために考えるべきポイント、つまり根拠をまとめたものです。

 相手に納得してもらうためには、相手が求める根拠を説明するための枠組みが必要となります。枠組みは1つでは少なく、反対に多すぎても理解するのが困難なため、3つを目安に考えるとよいとのことです。

①枠組みの決め方

 たとえば、あなたの部署で、ある新技術を活用した製品を開発したとしましょう。その製品を市場投入するには上司の決裁が必要です。あなたはどのような枠組みで、上司にプレゼンしますか?

 まずは「自社が新製品を市場に投入すべきか?」というイシューを立て、次にイシューを解決するための枠組みを3つのポイントから考えます。

  1. 市場のニーズはあるか、どのくらいの規模か
  2. 自社の利益はどれくらい見込めるか、販売網はあるか
  3. 競合他社は同様の製品を持っているか、参入してくるか

 最後に、結論の根拠として言うべきことを網羅するために、「市場」「自社」「競合」のようにより大きな枠組みを設定します。

 このようにしてロジカルに考えられるようになれば、説得力のあるプレゼンをすることができるでしょう。

②新しい枠組みを作るための「分解」手法

 本書では枠組み(フレームワーク)づくりの助けとなる考え方として、マーケティングの「3C」や「4P」などの代表的なビジネスフレームワークが挙げられています。

 大切なことは、課題を解決するために関連性の高いビジネスフレームワークを見極めることです。たとえば「ある新事業に参入すべきか?」というイシューに対して、どんなフレームワークを使ったら適切な分析ができるかを考えます。

 もちろん適用できるものが見つからないケースもあるため、その場合はフレームワークを一から作る必要があります。

 その時に使えるのが「分解」という考え方です。これは全体を要素ごとに細かく分けることです。大きな問題を細分化することで一つひとつの問題を考えやすくなったり、異なる視点で見られるようになったりするため、問題箇所の分析をしやすくなります。

〈コナンの事例〉
蘭の友人である園子の祖父・次郎吉が、新聞紙面に怪盗キッドへの挑戦状を載せた。挑戦状では100カラットの宝石を銀座の街なかに設置することを宣言。警察の厳重な警備のほか、マスコミや野次馬が集まる中、上空からハンググライダーに乗ってキッドが姿を現した。宝石を盗まれていることに気付いていない次郎吉をよそにキッドは余裕の笑みを浮かべる…。

 このときのイシューは、次の2つです。

【how1】怪盗キッドはどうやって宝を盗んだか?
【how2】どうやって逃げたか?

 では、コナンは枠組みをどのように設定したらよいでしょうか? 怪盗キッドが登場し、逃げるまでの「プロセス」で分解して、枠組みを考えてみましょう。

【1】どうやって宝石を盗んだか?
【2】宝石は今、どこにあるか?
【3】怪盗キッドは今、どこにいるか? どうやって逃げたか?

 このように大きな問題を細分化することで、一つひとつの問題を分析しやすくなります。

 ビジネスフレームワークが使えないときや、特に解決すべき問題が漠然としているといきはには、このように問題をプロセスで分解して枠組みを作ることがことが有効です。

さいごに

 こうしたイシューと枠組みをもとに、「初期仮説」を立てて、結論づけていくのがこの後のステップです。

 本書では、コナンのロジカルな推理を引用しながら、ビジネス事例と合わせてロジカルシンキングの考え方を教えてくれるため、楽しく納得感を持って学ぶことができます。

 事件現場での推理はコナンと警察に任せるとして、私自身コナンから学んだことをどう活かせるか考えてみました。

 たとえば、冷蔵庫を買い換えたい場合。

①イシューの特定

  • 冷蔵庫を買い換えるべきか

②枠組みを考える

  • 既存のものではなぜいけないか
  • 価格、ランニングコストはどれくらいか
  • 商品スペックは買い換えに値するか、置き場所はあるか

 枠組みを【既存品】【コスト】【商品スペック】に設定しました。ここから初期仮説を立てて、「買い換えるべき」という結論づけをします。

 ロジカルシンキングを用いて、主人に冷蔵庫を買い換えるべき、というプレゼンをしてみたいと思います(笑)

 みなさんもコナンからロジカルシンキングを学び、ビジネスや日常生活に活かしてみてください。

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