「自分はずっとこのままでいいのかな…」と不安に思うことはありませんか? 不要な危険を避け、うまくいったことを繰り返すのは人間の自然な傾向なので、同じような日々を過ごしてしまうのは仕方のないことです。
それでも、そんな変化のない毎日を抜け出さないといけないと感じたときに、読んでいただきたいのが『いつもの仕事と日常が5分で輝く すごいイノベーター70人のアイデア』です。
様々な時代の、起業家、発明家、アーティスト、スポーツ選手など、幅広い分野の偉人70人のアイデアを通して、冒険に一歩踏み出せるようなきっかけを贈ることが本書の目的です。
今回は、変化の多い今の時代を生き残るために、まさにぴったりともいえるイノベーターたちのエピソードと、そこから学ぶ自分を変えるためのアドバイスをご紹介します。
「編集者の寄稿企画」とは?
今、必要な「イノベーション」とは?
「イノベーション」というと仰々しく聞こえますが、実際は物事の新たな捉え方や活用法、つまり「新しい価値」を生み出すことを指し、どんな人にも必要とされるものです。
日進月歩で新しい技術が生まれては消え、「人生100年時代」と呼ばれるようなこれからの時代ではなおさらのこと。
そのような中で特に重要とされるものとして、以下の2つの行動が挙げられるでしょう。
- 自分のもつ技術や能力を、異なる環境でうまく使うこと
- 自ら変化し続けること
①自分のもつ技術や能力を、異なる環境でうまく使う
ろうそく製造技術を他分野に生かした方法
まず、①のように自分が手にしている技術を他分野で活用させたのが、ネスレの創業者であるアンリ・ネスレと共にミルクチョコレートを開発したダニエル・ペーターです。
ダニエルはスイスで19世紀半ばに、兄弟でろうそく製造業を営んでいましたが、1859年、アメリカで石油が掘り当てられて灯油や石油ランプが普及すると、ろうそくの需要が大幅に減少します。
ダニエルは、蝋を型に流し込む技術を他の事業に使うことができないか考え、蝋の代わりにチョコレートを流し込むことを思いつき、チョコレートの製法を学んで新たな事業を始めました。
彼は、当時は味が濃くて苦かったチョコレートに牛乳を加えて食べやすくしようとしましたが、牛乳から水分を取り除くのが難しく、かびが生えるなどの失敗が続きました。そうした時に同じ町の住民アンリ・ネスレがコンデンスミルクを開発したと聞き、二人は手を組み、多くの失敗を重ねた末に、世界初のミルクチョコレートをつくる独自の製法を編み出したのです。
ダニエル・ペーターからは、自分の技術を新しい環境で試してチャンスを切り開くアイデアの他に、自分にはない技術を持つ人と力を合わせることを学ぶことができます。
②自ら変化し続ける
マドンナが人々を魅了し続ける理由
ポップス界の女王として知られるマドンナは、②の変化し続けることを実践しています。
世界中で3億枚を超えるレコードを売り上げ、2007年に「史上最も売れた女性アーティスト」としてギネスブックに認定されたマドンナは、新しい音楽スタイルや様々な媒体に挑戦し続け、アルバムを出すたびにファッションスタイルも変えてきました。
透けたトップスに網タイツ、アクセサリーの重ねづけから、マリリン・モンロー風ハリウッドスタイル、スパニッシュスタイル、カウボーイスタイル、ディスコスタイル他多彩なファッションに挑戦し続けたマドンナは、個性的な着こなしからしだいに影響力を強め、ファッションリーダーとなっていったのです。
経済学者ロバート・グラントは、マドンナの成功要因として、他者の才能をうまく組み合わせて度重なるイメージチェンジの手助けをしてもらった点を挙げています。
彼女の手法は「必勝の法則を見つけたら手放すな」という音楽業界の常識とはかけ離れていて、常に音楽的に新しいアイデアやイメージを試し続け、新たな高みを絶えず求めてきました。
そんなマドンナからは、変わり続けて新しい自分をつくりだすことだけでなく、流行を真似るのではなく自分が流行をつくりだすことや、人にショックを与えることを恐れないことの大切さを学ぶことができるでしょう。
本書では、ダニエル・ペーターやマドンナのようなイノベーターが70人も登場し、彼ら・彼女らの生き方からたくさんのアイデアを学ぶことができます。
もしもあなたが問題に直面していたり、悩みを抱えていたりしたら、本書に登場するイノベーターの中から誰か一人を選んで、そのストーリーに目を通してみてください。あなたに必要なインスピレーションを与えてくれるアイデアが、きっと見つかるはずです。
(Written by Publisher’s editor)