元電通・岸勇希『己を、奮い立たせる言葉。』で心に響いた3つの言葉

元電通・岸勇希『己を、奮い立たせる言葉。』で心に響いた3つの言葉




 元・広告代理店出身の私が、学生時代に「広告業界に入りたい!」と思ったのは、岸勇希さんの『コミュニケーションをデザインするための本』を読んだことがきっかけでした。

 この本には、広告コミュニケーションのアイデアを考えることの面白さ、仕事を通して生活者とコミュニケーションをとることのワクワク感、そして人を何らかの行動に至らせることのことの難しさなど、広告業界の仕事の魅力が存分に詰まっていました。

 そんな岸さんが新刊を出されたということで、これは読まねばなるまいということでさっそく拝読。

 本書は、岸さんがTwitter(@yukixcom)でつぶやいてきた言葉を再編集し、解説を加えたものなので、完全なる書き下ろしではありません。そのため『コミュニケーションデザイン』以降の岸さんの具体的な仕事内容や、それらのアイデアがどのように生み出されたのかについて書かれているわけではありません。

 それでも、「第3章 貪欲に考える」と「第4章 企画する。伝える」以降は、岸さんの主戦場となる企画やアイデアに関して、文字通り「己を、奮い立たせる」言葉がたくさん収録されており、大いに心揺さぶられました。

 その中から、個人的に「これは深い…」と心に響いた3つのトピックを厳選して紹介します。

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1.影響は都合よく利用せよ

 基本的に、自分が信じた道を、正解にしていくしかない。その道の成否を考えるのではなく、正解だったと言えるように仕上げていくしかない。

 だから影響なんて、都合よく受ければいい。自分の推進力になる影響なら、積極的に利用すればいい。

 同時に上手に「影響を受けない力」も身につけるべきだ。そうしないと結局、不安で身動きが取れなくなる。

 ブログやSNSで情報発信をしていると、さまざなユーザーの声を目にします。ポジティブなものもあれば、当然ネガティブなものもある。

 そうした言葉ひとつひとつに、人は影響を受けます。私なんか特に肝っ玉が小さいので、ネガティブな評価を見つけてしまうと1時間くらい動悸が収まらないほどのダメージを受けます。

 情報が溢れ、いくらでも影響を受けられる今の時代、むしろ影響を受けないように生きることのほうが難しい。だから「影響なんて、都合よく受ければいい」「同時に、『影響を受けない力』も身につけるべきだ」と岸さんは言うのです。

 もしポジティブなコメントを目にして自分のモチベーションが上がり、前進できるのであれば、そのコメントが誰のものであれ、自分の都合のよいように解釈して、都合よく影響を受けてしまえばいい。

 逆に、ネガティブなコメントを受けると自信を失ってしまったり、やる気が出なくなってしまったりするのであれば、影響を受けないように情報をシャットアウトすればいい。

 たとえば私のようにエゴサーチをしてわざわざネガティブなコメントを見にいって、凹んでは仕事の気力を失うようなことをしているのは完全なるムダ。悪い影響を受けてしまうくらいなら、影響を受けない工夫をした方がよっぽど生産的です。

 重要なのは、「影響を受けたら、行動までつなげなければ価値はない」ということ。自分の人生が変わるかどうかは、常に何を実行するかにかかっているからです。良い影響を受けたのであれば、必ず自分の行動に活かす。そのまま風化させてしまってはもったいない。

 本書を読んで受けた多くの影響を、しっかりと行動につなげて、自分を変えていきたいと思います。



2.アイデアは実行するまでがアイデア

 発想したり、思いつくことが、アイデアだと思っている人は少なくない。でも、我々はそれでは足りない。
 
 発想を構想に変え、最終的に実現化するまで持っていく、そのプロセスまで含めて、アイデアである。

 美女読書を運営する上で、さまざまなアイデアを書き出すことがあります。しかし紙に書かれている段階では、それは本当の意味の「アイデア」とは呼べず、形にして初めて「アイデア」と呼べるものになります。

 その意味で言うと、美女読書で「発想⇒構想⇒実現化」までできたアイデアというと、大きなものでは次の3つでしょうか…。

  • 「美女読書フェア」
  • 「美女読書TV」
  • 「美女読書編集室」

 うまく成果が出ずに終わってしまったものも多く、そもそもの数としても圧倒的に少ないですね。これからも「発想⇒構想⇒実現化」まで持っていく、本当の意味での「アイデア」をたくさん生み出していこうと思います。

 アイデアの「実行」にこだわること、これが本書からもらった言葉です。

3.言葉にする。書く。絶対に、書く。

 言語化は、課題を整理するうえでも、それを人に伝えるうえでも、多くの人を巻き込むうえでも、核になる技術だ。

 しかし、これをしない人が意外と多い。
 頭のなかで考えただけで終わる。
 せいぜい、口頭で伝えて終わる。

 絶対に文字にするべき、書くべきだ。

 考えることと、話すこと、書くことは、別次元の行為であり、書けて初めて、その思考は自分のものになると岸さんは言います。

 この点はとても共感できるところで、普段から自分の課題と、それを解決するためのアイデアを言語化する習慣をつけておくことはとても大切だと感じます。

 なぜなら言語化できないということは、課題や解決策について、十分に理解できていないということだからです。

 まずは書いてみる。書けないことを通じて、自分の理解度がわかる。

 最近スタートした「美女読書」編集室では、読書によって得た知識やアイデアを、自分の課題解決に生かすために、書評記事としてアウトプットすることを目的としています。

 メンバーの方たちの文章に触れれば触れるほど、自分の考えを言語化することの難しさを感じます。また添削する上でも、私の考えを過不足なく、正確に伝えるために相当神経をすり減らして言語化するようにしています。

 本を読むだけで終わらせず、書いて、伝えることにこだわる。その文章をブラッシュアップすることを通して、さらに適切な言語化を試みる。自分の抱えている課題やアイデアを言語化するために、とてもよいトレーニングなると思います。

 今月からがっつり空き枠が出たので、本を読んだだけで終わらせたくない、言語化してアウトプットしていきたいという方、ぜひご参加ください。

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