『新世界』キンコン西野亮廣から「信頼」を「お金」に変える生き方を学ぶ!

『新世界』キンコン西野亮廣から「信頼」を「お金」に変える生き方を学ぶ!



 こんにちは、大学院生の吉野善太です。今回は、西野亮廣さんの新刊『新世界』を読みました。

 西野さんといえば、大人気のお笑い芸人でありながら、TVの活動を減らして絵本作家として個人製作の活動に力を入れることを宣言し、大きな話題となりました。相方の梶原雄太さんも、最近YouTuberカジサックとして注目を集めています。

 2017年に発表した『革命のファンファーレ』は、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2018」で総合グランプリを受賞。ひと月前にリリースされた『バカとつき合うな』は20万部を突破し、作家としてもヒットを飛ばしています。

 また、これまでにクラウドファンディングで1億円以上を調達したり、会員数1万5,000人突破した国内最大のオンラインサロン『西野エンタメ研究所』を主催するしたりと、多方面で大きな成果を上げています。

 私自身、西野さんのオンラインサロンのメンバーで、彼の活動や物事の捉え方の面白さに惹きつけられています。この記事では、本書で西野さんが語っている「信頼」と「お金」の関係についてご紹介します。

1日を50円で売り、信頼を貯めた話

 みなさんは「ホームレス小谷」という芸人をご存知でしょうか? あなたが想像するホームレスとは少し異なる人物かもしれません。

 ホームレスと聞くとご飯をお腹いっぱい食べられず、痩せている人を思い浮かべると思いますが、小谷さんはホームレスになった5年間でなんと25kgも太り、好きなものを食べて好きな場所に行っているのです。また、ある1ヶ月の予定では、ハワイ → 台湾 → ネパール → スリランカの国を渡り歩いたそうです。そんなホームレスがいるなんて驚きですよね。

 ホームレスなのに、なぜそんなことができるのでしょうか。それは彼が「信頼」を貯金することで、「お金を持っていなくてもお金に困らない」生き方をしているからです。

 「ホームレス小谷」として活動し始めるまでは、普通の芸人として生活していた小谷さんですが、売れあぐねた末に西野さんに相談したところ、「ホームレスになって生放送したら面白いんじゃない?」と言われ、すぐにホームレス生活をスタート。ここに「ホームレス小谷」が誕生しました。

 1ヶ月ほどすると、西野さんから「ホームレスの生放送に飽きたから新しいことやろうか」と言われ、「日給50円で1日を売る」という活動を始めます。草むしりやヌードモデル、iPhoneの新作発売の列に1週間並ぶなど、1日50円で依頼を受け続けました。

 こうした依頼をする方は、50円で働いてもらって悪いなとの気持ちから、お昼ご飯やおやつ、仕事終わりの食事やお酒などをご馳走してくれて、日給50円のはずなのに、そこそこの金額を小谷さんに支払ってくれました。しかも購入者の口から出るのは、いつも「小谷さん本当にありがとう」という言葉です。

 日給1万円にしていたら、こうはならないと思います。「1万円も払っているんだから働いて当たり前だろう」と思われ、ご飯や飲み代を出してやろうという話にはならないでしょう。

 1日を50円で売る生活を半年続けていた時、小谷さんが結婚しました。籍を入れた後、「結婚式を妻の為に挙げたい」と西野さんに相談したところ、「クラウドファンディングで結婚式をしよう」と提案されます。

 支援のお返しとして「結婚式に参加できる権利」を用意すれば、ご祝儀という形で結婚資金を集めることができると西野さんは考えたのです。実際にやってみたところ、わずか3週間で250万円もの支援が集まりました。

 この時に誰が小谷さんに支援してくれたかというと「ホームレス小谷を50円で買ったことのある人たち」です。これまでの半年間で、小谷さんは「お金」を貯めるのではなく「信頼」を貯め続けていたのです。

「リベンジ成人式」で信頼を貯めた話

 もう一人、「信頼」を貯め続けて「お金」に変えた人物をご紹介します。

 2018年1月に起きた「はれのひ事件」を覚えているでしょうか。振袖の販売・レンタル業者「はれのひ」が成人の式を前に夜逃げして、多くの新成人が被害にあった事件です。涙を流すしかできない新成人と、無責任な企業の対応に怒る大人たちがTVに流れるなかで、即行動に起こしたのが田村有樹子さん、通称田村Pです。

 「被害にあった子たちに何かしてやれないかな?」と西野さんに相談したところ、「こちらが全額負担して被害者を対象に、成人式をやろう」と提案され、わずか3週間後に「リベンジ成人式」を実施することが決定します。

 やるからには「被害に遭ってよかった」と思えるクオリティーの成人式をプレゼントしよう、という目標を立て、振袖や会場のデザイン、2次会の船上パーティーをも用意することに。3週間しかない中で、1日に数百件の連絡を捌き、総勢400人のスタッフの割り振りを行い、日本中が注目する中で大イベントを作っていかなくてはいけません。

 ひっきりなしに携帯が鳴り、問題が発生する中、安心して睡眠もとれていない状態でも、田村さんは常に「新成人の皆は喜んでくれるかな?」と考えており、そんな田村さんのがんばりを、3週間の間、多くの人が見ていました。

 結果として「リベンジ成人式」は大成功に終わり、参加者全員が笑顔に包まれました。肩の荷が下りた田村さんに、西野さんが冗談でこう話しかけます。

 「今、田村さんが『打ち上げで高級シャンパンが飲みたい』っていうクラウドファンディングを立ち上げたら支援してくれるんじゃない?」

 すると一気に話が盛り上がり、実際に立ち上げることに。結果は、数時間で上限の30万円が集まりました。田村さんが積み上げた「信頼」が、「お金」に換金された瞬間です。

 この2人の事例で重要なポイントは、2人ともお金を得るために行動したわけではないということです。

 小谷さんの場合は、とりあえず面白そうだからと始めた「1日50円で自分を売る」という活動が信頼を生み、田村さんは「新成人の一生に一度の思い出が台無しなってしまったことをなんとかしてあげたい」という想いで行動したからこそ、「信頼」を得ることができ、最終的に「お金」に変えることができたのです。

 「今の時代には『まず信頼を稼いで、その後で換金する』という選択肢がある」と西野さんは言います。

 これからは、誰かのためになることを「面白いから」という理由で、利益を目的とせずに積極的にやっていくような人が「信頼」を得て、何らかの活動を始めるときに必要なお金や物資を、周囲の人たちがサポートしてくれるような社会になっていくのでしょう。

これからは「ダイレクト課金」が重要

 信頼を貯金し続けると、「ダイレクト課金」が可能になります。ダイレクト課金とは、タレントでいうスポンサーの支援からではなく、お客さんから直接支援を受けることです。

 西野さん曰く、タレントには2つのタイプがいるそうです。1つは「人気タレント」。熱心なファンがいて、芸能活動ができる人です。もう1つは「認知タレント」。ファンはいないけど、メディアへの露出によってたくさんの人に認知されている人です。

 テレビタレントの主な収入源はテレビ局からのギャラですが、そのお金を支払っている元手はスポンサーです。つまり、タレントはスポンサーの好感度を上げるために、スポンサーの都合に合わせて立ち振る舞わなくてはならない立場にいるわけです。

 たとえばグルメロケの時は、本心では美味しくないと思ってもすべて「美味しい」と言う必要があり、「まずい」なんて言えばカットされて仕事になりません。今の時代は食べログなどの評価サイトで調べればすぐに嘘だとわかってしまうため、グルメロケで嘘をついているタレントは「信頼」を稼ぐことができません。

 タレントの言葉が「信頼」されないと、ファンがつかず、「認知」はされてるけど「人気」はない、ということが起こります。実際、「はねるのとびら」がゴールデン番組に上がり、視聴率が20%を超えていた時代でも、ライブのチケットが売れず、西野さんは自分は「人気タレント」ではなく「認知タレント」だということに気づいたそうです。

 ファンがおらず、自分の言葉が信頼されていない状況では、自分がやりたい活動ができなくなってしまいます。そのことに気づいた西野さんは、嘘をつくような環境から距離を置き、絵本作家としての活動をスタートすることにしたのです。

 現在、オンラインサロンのオーナーとして1万5,000人ものサロンメンバーを抱える西野さん。メンバーは月1,000円を支払い、西野さんの活動に参加することができます。こうしたダイレクト課金によって活動できるようになると、スポンサーの目を気にする必要がなくなるため、常に本音を話せるようになります。

 そうして西野さんの言葉はさらに「信頼」を獲得し、ファンが増えていくというプラスの循環が回っていくのです。

 最近ではオリエンタルラジオの中田敦彦さんもオンラインサロンをスタートしました。今後、知名度が高く、ファンからの信頼を得ているタレントさんたちは、どんどんオンラインサロンを軸とした活動を行っていくと思います。

 西野さんが考える「お金」と「信頼」の関係、そして未来の生き方を知りたい方はぜひ『新世界』を読んでみてください。

執筆者プロフィール

吉野善太
23歳 大学院生
趣味:読書・芸術・アート・歴史・食事・美術館・アニメ・漫画・お笑い・芸人・ラジオ・TVなど
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