わかりやすい説明のコツ!優先順位をつけてクリスタライズせよ!

わかりやすい説明のコツ!優先順位をつけてクリスタライズせよ!




 こんにちは、WEBマーケッターのじゅんぺいです。今回は田中耕比古さんの書籍『一番伝わる説明の順番』をご紹介します。

 本書を通して、説明の順番や言葉の並び順の大切さについて、改めて深く考えさせられました。たとえば、次の2つの文を比べてみてください。

  • 彼はいつも親切だけど、仕事の進め方が大雑把だ。
  • 彼は仕事の進め方が大雑把だけど、いつも親切だ。

 内容は同じでも聞き手の印象はガラッと変わり、彼への評価も異なってきそうですね。言葉を使うとき、何をどの順番で伝えるかはとても重要であり、話す順番を変えることで伝わり方は大きく変わるのです。

 本書では、説明が下手な人の特徴や、わかりやすい説明の順番、説明力を高めるための思考の整理法などについて書かれています。お伝えしたいことはたくさんありますが、説明力を伸ばすトレーニングとして、私が取り組みやすいと感じた下記の2点に絞ってご紹介します。

  1. 優先順位をつけて捨てる
  2. クリスタライズする習慣をつける
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①優先順位をつけて捨てる

 説明がうまくできない要因の一つとして、「考えた順番で説明するから」ということが挙げられます。そうならないためには「優先順位をつけて捨てる」ことが重要です。具体的には次の3つのステップを意識すると効果が出ます。

1:優先順位をつけて絞り込む

 優先順位の最上位は「相手が知りたいこと」です。雑談であれば頭に浮かんだことを整理せず手当たり次第にしゃべることもありますが、説明でそれをしても相手にとっては理解しづらいだけ。相手が「聞きたい順番」で話すことが重要なのです。

 そのため、「相手が知りたいこと」に関係しない情報、特に伝える必要がない情報は、容赦なく切り捨ててしまいましょう。

2:本編と補足情報に二分し、本編以外は後ろに回す

 優先順位をつけたら、「大事なことから話す」ということを意識します。丁寧に説明しようとすると、あれもこれも言いたくなりますが、聞き手にとっては情報量が少ないほうが、理解しやすいことを忘れてはいけません。

 まずは大きく「本編」と「補足情報」に分けて、補足は後ろに回すことを徹底します。本編はできる限りシンプルに、余計な情報を削ぎ落として、わき道にそれない一本道のストーリーを作りましょう。

 たとえば「所属部門の業績を報告する」という場であれば、

  • 「前年と比較してどうか」
  • 「計画と比較してどうか」
  • 「増減の理由は何か」
  • 「改善策は何か」

などが本編に相当します。「他部門はどうか」「ここ数年のトレンドはどうなっているか」といった情報は、多くの場合、補足情報や参考情報として、後ろに回されるべき情報です。

 重要なことを「本編」に入れて、その他は「補足情報」として後ろに回すようにすれば、長くてもしっかり伝わる説明となります。

3:不要な情報とわかれば途中で省く

 優先順位の高い情報に絞り、シンプルなストーリーにまとめたとしても、「入れるべきか迷う情報」というのが出てきます。

 たとえば「前提情報」というのは、相手との認識のスタート地点を揃えるために大切な情報ですが、逆に言えば、相手が知っていたら飛ばしてしまって構わない情報となります。

 相手が知っているかどうかわからない場合は、一応しっかり説明できるように準備はするものの、もし相手が知っていたり、覚えていたりした場合には、スキップできるようにしておく、というのが賢いやり方です。

 たとえば前もって一連の前提情報を用意しておき、「以前にメールで共有させて頂きましたが…」というような枕詞を使って、相手が知っているかどうかを推し量りながら進めます。「ああ、読みましたよ」「はい、聞いてます」などの回答を得られれば、そこはスキップしてOKな情報となります。

 相手の理解度や興味に合わせて説明の分量を調整できる人は素晴らしいですね。あなたのまわりにもそのような方がいたら、見習って自分にも取り入れてみましょう。



②クリスタライズする習慣をつける

1:「クリスタライズ」とは?

 「優先順位をつけて捨てる」ことを意識すると、わかりやすい説明とは短いものだと思ってしまいがちです。特に「簡潔に説明しなさい」「結論だけ言いなさい」というアドバイスを受け入れると、尚更そう思ってしまいます。

 しかし安易に短くしようとすると逆に伝わりにくくなり、「何を言いたいのかわからない」と思われてしまう可能性があります。大事なのは話の長短ではなく、「相手に正しく伝わるかどうか」。

 そこで重要になるのが「クリスタライズ(結晶化)」というテクニックです。「クリスタライズ」とは、本当に重要な物事だけフォーカスして話を「結晶化」する技術です。

 たとえば、新聞やネットニュースの見出し、ワイドショーのコメンテーターの発言などが一種の「クリスタライズ」にあたります。

 その言葉(キーワード)だけで、言いたいことがしっかり伝わらなければならないので、本質を表すキーワードを選び取るという非常に高度な技術が必要になります。

2:クリスタライズのトレーニング法

 クリスタライズでは、端的に重要な情報を伝えなければならないため、なるべく抽象的な表現にせず、具体性を残す必要があります。しかし具体性を残そうとすると、どうしても文字数が長くなってしまいますよね。

 そこで登場するのが「概念化」の技術です。たとえば、新入社員に「客先でネクタイを緩めるな」「挨拶は大きい声で」のような具体的な指摘を一つ一つしていてはキリがありませんし、情報は増える一方です。しかし「プロ意識を持った社会人」という概念を用いて、「プロ意識を持って仕事に臨んでください」のように伝えれば、「自らがプロであると自信を持って言えるかどうか」を基準として行動するようになります。

 もちろんプロの定義は人によって異なると思いますが、メールの誤字脱字や打ち合わせに遅刻するなどの「誰の目から見てもプロ意識に欠けるミス」はなくすことができるでしょう。概念化することで、文字数は減っているのに、伝えたいことの情報量を増やすことができるのです。

 本書では、クリスタライズの技術を磨くトレーニングとして、「物事にあだ名をつける」方法が紹介されています。一時期、芸能人にあだ名をつけることを得意としていた芸人さんがいましたが、彼のやっていることはまさにクリスタライズです。

 たとえば「山田さんってどんな人?」という問いに対して、「出身地」や「生年月日」などの具体的な項目を答える人はいないでしょう。しかし「面白い人」「変な人」のように多少抽象化された表現であっても、その人となりはイメージしづらいですよね。

 そこで「引っ込み思案なサイヤ人」とか「打たれ弱いベジータ」のようなあだ名をつけるのです。「サイヤ人」や「ベジータ」という概念によって、より詳しい人となりがイメージできるようになります。

 あだ名づけは、その対象物の本質を探す作業なので、クリスタライズのスキルを磨くよいトレーニングとなります。

まとめ

 本書では、この他にも説明上手になるための考え方やトレーニング法の紹介がたくさん紹介されています。

 説明は相手に伝わってこそ意味があるものなので、本書のテクニックを意識して説明力の向上をめざしましょう。

 興味を持たれた方はぜひ手に取って読んでみてください。

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