サイバーエージェント副社長の仕事のルール!ズバ抜けた結果を出す組織の作り方

サイバーエージェント副社長の仕事のルール!ズバ抜けた結果を出す組織の作り方




 4人で始めた事業が、8年で3,000人以上に拡大。そんなとんでもない成長の仕方をしている組織があります。それは広告・ゲーム・メディアなどの多事業で知られる株式会社サイバーエージェント(以下、CA社)のゲーム事業。

 こんにちは。ソーシャルゲームで廃人になりかけた、マーケターのTKです。

 今回は『組織の毒薬 サイバーエージェント副社長の社員にあてたコラム』を紹介します。なんともぶっそうなタイトルですが、著者はCA社の創業期メンバーで、現在ゲーム事業を統括する、日高裕介氏(現サイバーエージェント取締役副社長)。

 組織での働き方を知り尽くした著者による、社員たちに向けた数々のメッセージは、「毒薬」のように見えて、実は「良薬」ばかりでした。

5年で93本書かれたコラムから生まれた

 日高氏はサイバーエージェントの社内向けに、5年間で93本ものコラムを執筆してきました。年間18本強、毎月1本以上発信されたことになります。

 本書ではそのうちの66本が取り上げられています。想定される読者は、新入社員やそのトレーナー、マネージャー、部門の責任者、経営者など、組織で働くさまざまな人たち。コラムのテーマも多岐にわたり、人間関係、人事評価、組織改編、企業文化、大企業病、人材や組織の成長、事業展開など広くカバーされています。

 この記事では、企業組織で20年以上働いてきた私が、「これは」と思ったおすすめのコラムを5本紹介します。

①マネージャーとは「なんとかする人」

 サイバーエージェントではいわゆる管理職をマネージャーと言いますが、私のマネージャーの定義は「任されたことをなんとかする人」です。部下の世話をしたり、チームを盛り上げたり、戦略を練ったりするのはその業務の一部です。組織で許容される価値観の中で(サイバーエージェントならミッションステートメント)、どんな方法を使ってでも結果を出す人、結果を出そうとする人がマネージャーです。(P.138)

 断言します。このコラムを読めただけでも、この本を読んだ価値がありました。

 一般的に「マネージャー=管理職」というイメージがありますが、これだけでは具体的な役割が見えてきません。著者は、マネージャーとは「任されたことをなんとかする人」と定義しています。

 部下のマネジメントやモチベーション管理のような個々の仕事がこなせてるかどうかではなく、結果を出すために「なんとかする」ことが重要である、ということです。痛快ですね。

②イケイケじゃない目標こそ正確に伝える

 組織のリーダーは「見栄えがよくて説明が簡単な目標」だけでなく、「一見後ろ向きで説明が少々複雑な、けれども組織の成果にとっては大事な目標」を、正確に伝えて理解してもらう必要があり、それができるのが成果に向かって力を集中させられる強い組織だと思います。(p.134)

 組織が成長していく過程では、攻める役割の仕事もあれば、一見地味な守り抜く役割の仕事もあります。守る側にはスポットライトが当たりづらいかもしれません。そんなとき、リーダーはメンバーに対して何を語るべきなのでしょうか。

 私が一緒に働いた上司は、正直に話してくれました。「しばらくはAという部署が大事になるから、わたしも注力しなければならない。その間、こちらの部署にはあまり関われない。ただし、会社の数字上、とても重要なのでしっかり達成してほしい」と。

 実際、上司が注力したAという部署に社内の注目は集まりました。立て直しが必要な部署でもあったので、人材や資金などのリソースも優先して配置されました。なかには批判的な意見もありましたが、自分たちの部署はしっかりと結果を出すことができました。上司から事前に説明を聞いていたので、動揺したり不信感を抱いたりすることなく、安心して仕事に取り組むことができたからです。

 以来、自分がプロジェクトやチームを率いる立場にいるときに、「イケイケじゃない目標」に向かうことになっても、できるだけ誠実かつ正直に状況を説明するようにしています。

③苦手な人との仕事の仕方

 仕事のパートナーと「合う、合わない」と言っているうちは、向かっている目標にコミットできていないか、目標があまり大事なものではないかのどちらかです。厳しい言い方をするなら、仕事の優先順位を無視した視点の低い話だということです。(p.130)

 「結果に対して意識をフォーカスできているか」という問いかけです。絶対に目標を達成するという覚悟のもと仕事にのめり込んでいると、あの人が好きとか、嫌いとか、言っている余地はなくなります。

 これは最初に紹介した「マネージャーは『なんでもやる人』」という話とも共通しています。細かな好き嫌いを気にする前に、目標にコミットして結果を出す、その目線の高さがあれば、目の前の好き嫌いなど気にならなくなるはずです。

④成果と評価は自分のタイミングでやってこない

 「成果や評価は自分のタイミングではやってこない」ということを頭の片隅に置いておけば、自分の頑張りを徒労だと思わずにすみ、長い期間にわたって安定的に仕事に取り組め、結果として成果や評価が得られる可能性が高くなるものです。(p.170)

 すぐに評価されないからといって焦ったり、やる気を失ったりせず、「いつかやってくるチャンスに備える気持ちを持つように」というアドバイスです。あなたの部下や後輩は、チャンスを与えられないと文句を言ったり、くすぶったりしていませんか? もしそうなら、このコラムをもとにアドバイスしてはどうでしょう。

 一見、派手に成果を出しているような人でも、チャンスが与えられるまではじっと備えている時期があるということを。

⑤役職を自分で作る

 (新設のポジションについて)「人がポジションをつくる」という考え方が会社がつくられていく過程では大事だと思います。(中略)今のP職の人が存在を定義するので、そのバリューを上げられれば、結果的に組織と会社のバリューも上がっていくということです。(p.146)

 あなたは、1000億円の会社の常務と、300億円の会社の社長、どちらの仕事の方が楽しいと思いますか? 大きな組織で誰かの下で働くよりも、小さな組織でトップとして働く方が面白いという人もいるかもしれません。

 しかし著者は、「それじゃ会社は大きくならないじゃん」と言います。確かに、みんながみんな「小さな会社のトップの方がいい」と思ってしまっては、大きな会社をつくることはできません。サイバーエージェントのビジョンは「21世紀を代表する会社を創る」ですから、トップ以外のマネージャーや社員たちも含めて、一緒に大きな会社をつくることを目指せる組織である必要があります。

 そのためには、「人がポジションをつくる」という考え方が大事だといいます。たとえば著者の肩書きは「副社長」ですが、CA社における副社長というポジションの水準は、著者が出す結果や、ビジネスに取り組む姿勢によって決まるものです。

 それぞれが自分のポジションの価値が大きくなるような働き方をしながら、会社の成長の過程に能動的に関わっていれば、300億円の社長とは違ったおもしろさ、景色が見えるはずだといいます。

 実は、個人的な話ですが、いまの私が置かれているポジションには実験的な意味合いがあります。どうなるんだろうとモヤモヤしてもいましたが、このコラムを読んで、自分でポジションの価値を高め、定義を創り出すつもりで取り組もう! と決意することができました。

組織で働くことを楽しむために

 冒頭で書いた通り、本書のコラムは組織で働くさまざまな立場の人向けに書かれています。

 自分にぴったり当てはまるコラムもあれば、他の立場の人が感じている悩みや課題も知ることができるコラムもあるでしょう。

 組織で働く人であれば、誰もが仕事のヒントを得られる良書です。ぜひ読んでみてください。

 今、サイバーエージェントグループで力を入れているAbemaTVも、社長がスマホでたくさん麻雀の番組を見て、「麻雀牌が見えにくい」「もっとスマホに適したものをつくれる」と思ってスタートしたものです。

 こうした裏話的な一言を見つけるのも、本書の別の楽しみです。

執筆者プロフィール

TK
渋谷で働くマーケター。ときどき、企画屋、広告主、ブロガー。好物は寿司、グラタン、雑誌。興味があるのは、マーケティング、メディア、WEB、歴史小説、LEGO。マーケティング上の関心ワードは、顧客、対話、インサイト。

ブログ:「マーケターTKの放課後ノート」



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