こんにちは。ゲンゴローです。
今回は『「ラクして速い」が一番すごい』を読みました。筆者の松本利明さんは、PwCやアクセンチュアといった世界的な外資系コンサルティング会社で人事制度改革・人材開発に24年以上関わってきた方です。
600社以上のコンサルティングを通して、50,000人を超えるリストラをし、6,000人以上の優秀なリーダー、幹部の選抜を行われたそうです。その経験から、「ラクに速く仕事をするほうが結果が出て、さらに人生の選択肢も増える」と述べています。
また、次の言葉にはグサリと心にきました。
今の時代、真面目にコツコツ一生懸命やる人は「いい人」とは褒められても評価されません。課長にもなれません。途中で体調を崩すか、万年平社員です。
ただ真面目に目の前の仕事をやっているだけではだめなのですね。
恥ずかしながら、私も真面目にコツコツやることが絶対的な正義だと考えていた人間の一人です。その結果、残業にまみれ、仕事に忙殺される日々を送っています。
効率的な仕事のテクニックを身につけ、人生の選択肢を増やしたい! 結果の出る働き方をしたい! と思い、本書を手に取りました。
「ラクして速い」は悪いことじゃない
「ラクをする」と聞くと、あまりよい印象を持たない人もいるかもしれません。しかし本書で紹介する「ラクして速い」とは、テキトーにやったり、手を抜いたりするということではありません。
- 「ラク」…力の「入れ所」と「抜き所」を押さえ、ムダな仕事を減らすこと。
- 「速く」…1秒でも速く仕事終わらせること。
と定義しています。
ここでは、本書で紹介されている56のテクニックから、自分がオススメしたい3つを紹介します。
①スマホはフリック入力より音声入力!
フリック入力よりもラクに文字を入力する方法が「音声入力」です。iPhoneなら文字を入力するキーボード左下のマイクのマークをタップすると、音声認識ソフトのSiriが立ち上がります。Androidにも、端末ごとに音声認識ソフトがインストールされています。
音声入力であれば、指を使わず、スムーズに入力することが可能です。
たとえば、「いつも大変お世話になっております。」と打ち込みたいとき、
「いつもたいへんおせわになっております まる 改行」
と声に出すことで、改行や句読点も合わせて入力することができます。
私は6年ほどiPhoneユーザーですが、音声入力は試したことがありませんでした。実際使ってみると、驚くほど文章を素速く書くことができます。
実はこの書評も、8割くらいは音声入力で書いています。本を読みながら左手でスマホに話しかけることで、簡単に文章を書くことができます。思ったことをすぐに文字できるため、読んで新鮮な気持ちをそのまま文章に落とし込むことができるのです。
メールや会議資料など、文章を書くのに時間がかかると悩んでいる人でもかなりスピードが上がると思います。
だまされたと思ってぜひ試してみてください!
②Excelを信じるな! 電卓で確認しろ!
皆さんはExcel上で計算した数値をそのまま信じていませんか? 例えば、Excelで表を作ったとき、数式自体はあっていても、入力値に間違いがあったり、まれにファイルが破損して、エラーが出ていないのに正しい値を示さかったりすることがあります。
そのため「Excelの集計結果は間違うことがある」という前提で、電卓を使って検証癖をつけることが重要です。
「なんでExcelで計算したものをもう一回電卓で計算するの? 全然ラクしてないじゃないか!」と思うかもしれません。
しかし重要な数字のミスがあると仕事の信頼も落としかねませんし、後からミスが発覚して修正するよりも、事前に確認していた方がトータル的に時間を節約することができます。
自分も業務上Excelで大量の計算をすることがあるのですが、Excelの数式で計算した後、必ず印刷し、電卓で再度計算をするようにしています。
PCやタブレット等の電子画面よりも、紙媒体で確認したほうが、記載内容のミスに気づきやすいという研究データもあります。
急がば回れ。単純な業務こそ、あせらず確実に仕事をこなすクセをつけましょう。
③整理整頓の前に、9割捨てろ!
あなたは職場のデスクをきれいに保てていますか? プロジェクト管理のコンサルタントであるリズ・ダベンポートによると、人は年間150時間を探し物に費やすそうです。8時間勤務なら年間約18日、つまり約1ヵ月分間、探し物をしていることになります。
探し物のためにこれほどまで時間を費やしているとは、愕然としました。常日頃から整理整頓をしておく必要がありますね。
私は事務職なので、会議資料や上司への説明用の書類など、意識しないと身の回りがついつい書類で溢れかえってしまいます。そして物が多いとどうしても探す時間が多くなってしまいます。
目の前にある9割の物は捨てるくらいでちょうどいい、と松本さんはいいます。
そして、
- 「整理」…必要なものと不必要なものとを振り分け、不必要なものを捨てること。
- 「整頓」…必要なものを機能的に配置すること。
と分けて考えています。「整頓」の前にまずは「整理」が必要ということですね。
なぜなら、仮にきれいに整頓されていても、物が多いとどうしても「探す」時間が発生してしまい、非効率だからです。
最低限残しておくべき資料は以下3点。それ以外は、「まずは捨てる」と考えるようにしましょう。
- 法律、契約関連、クライアントへの納品した資料や備品。
- 「言った言わない」にならないように言質を含んだ重要なメールや議事録。
- 納期、量、価格といった仕事の受発注に関する書類。
物を減らすことの重要性については、以下の書評でも紹介しているので、よろしければ読んでみてください。
「ラクして速く」仕事するメリット
本書には「ラクして速く」仕事を終わらせるためのテクニックが余すことなく詰まっています。
また「ラクして速く」仕事を終わらせることで、優秀なリーダーが持つ「折れない心と自信」をつけられる、と松本さんはいいます。
単なるライフハックではなく、自分のキャリアアップのためにも役立つ一冊になっています。
あなたも本書を読んで、自分の仕事の仕方を見直してみませんか?