佐渡島庸平「好き」を軸にしたコミュ二ティが「現代の孤独」を癒す

佐渡島庸平「好き」を軸にしたコミュ二ティが「現代の孤独」を癒す


 突然ですが、あなたは会社や学校以外のコミュ二ティに所属していますか? 働き始めてからは会社と家の往復ばかりで、社外に全く友人がいないという方も少なくないと思います。

 私は、限られたコミュニティの、固定化された人間関係の中で生きることに強い問題意識を持っています。会社は、あくまでも社会の一部分であって、社会全体を表すものではありません。会社という会社内では当たり前のことでも、世の中の常識とは限らないのです。

 そのため私は意識して複数のコミュ二ティに所属し、つながりをつくることを心がけてきました。

 学生時代の部活やサークル、習い事、就職先など、私たちは年齢問わず、様々なシーンでコミュ二ティの取捨選択を行っています。

 これまで私は、直感でコミュニティを選んできましたが、「良いコミュニティとは何か」という基準や、「良いコミュニティはどうすればつくれるのか」を学べば、よりよいコミュニティに出会えるのではないかと思い、『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~』を読んでみました。

 著者の佐渡島庸平さんは、講談社で『バガボンド』『ドラゴン桜』『働きマン』『宇宙兄弟』など、数々のヒット作を編集されてきた方です。講談社退社後は、クリエイター・エージェンシーのコルク社を創業し、編集者という仕事をアップデートし続けています。



「好き」を軸にしたコミュニティの重要性

 そんな佐渡島さんは、最近「コミュニティ」の重要性を強く感じているようで、とくに「好き」を中心にしてできたコミュニティに可能性がある、と考えているそうです。

 これまで「コミュニティ」といえば、会社や学校、地域社会を中心とした話ばかりでした。しかし現在は、結婚をする人や子供を産む人が減ったため、核家族コミュニティが弱まっていますし、会社コミュニティは、終身雇用の崩壊と働き方改革によって機能しなくなり始めています。

 今、私たちは、所属しているコミュニティを失いつつあるのです。

 そんな時代に、「自ら参加する、趣味を軸にしたコミュニティ」を持ったら、人はどのようになるのか?ーーこの疑問こそ、佐渡島さんがコミュニティに注目し、「今、コミュニティについて、深く考え、語る時期だ」とおっしゃる理由です。

 佐渡島さんは、本書で以下のように語っています。

 会社勤めをしていたとき、定年まで働いて、その後、同僚たちとはめったに会わない生活を送る人たちを見た。きっと多くのサラリーマンが、そうだろう。40年近い時間を捧げても、そのコミュニティの外を出てしまうと、絆が切れてしまう。80歳で死ぬときに、周りに何人がいるだろう?

 昔の村社会を想像すると、死ぬとき、周りに村人たちが集まって、見送られて死ぬところを想像できる。家族以外にそんな仲間がどれだけいるか。それが、人生の喜び、幸せを決めるのではないか。

 この一節を読んで、自分の「好きなこと」で人とのつながりを増やすことが、幸せへの近道かもしれない、と気づきました。

 私はダンスが趣味で、社会人のダンスサークルに所属しています。プロのダンサがサークルの代表を務め、普段の練習では講師として教えてもらっています。

 しかし年に1回、サークルが主催する発表会では、メンバーみんなが主体的に動いて、発表会当日までの練習スケジュールを立てたり、振り付けを教え合ったりしています。もちろんお金のためではありません。ダンスが「好き」な人たちが集まったコミュニティだからこそ、何の見返りがなくてもメンバーのために行動することができるのです。

 社会人になると、仕事に多くの時間を奪われるため、自分の本当に好きなことに打ち込んだり、誰かとゆっくり話したりする時間が限られてしまいます。

 もちろん仕事が「好き」な人や、「好き」を仕事にできている人であれば問題ありませんが、そうでない人は、自分が本当に「好き」なことにどれだけの時間を使えているか、見直してみるのもいいかもしれません。

 もしその時間が足りないと感じるのであれば、「好き」を軸にしたコミュニティに参加してみてはいかがでしょうか。

コミュニティ探しの羅針盤としての一冊

 人間誰しも、独りで生きていくことはできません。安全・安心を感じながら生きていくためにはコミュ二ティが必要であり、これまではすごく当たり前の存在として、身近にあふれていました。

 インターネットやSNSの広がりによって人とつながり、情報交換する時間は増えているはずなのに、心には孤独を感じている、そんな「現代の孤独」を解消するためには、インターネット時代に合わせてアップデートされた、「好き」を軸にした新しいコミュニティが必要です。

 本書は、自分の入るべきコミュ二ティを見極める、あるいは自分でコミュ二ティをつくるための羅針盤となる一冊です。

 あなたも本書を片手に、未来の仲間が待つコミュニティを探してみませんか?



本を読みやすくするための仕掛け

 ちなみに、本書を読み進めていくと、他のビジネス書にはあまり見られない「本を読みやすくするための仕掛け」があることに気がつきました。

①続きが気になるマンガページ!

 本の中には、佐渡島さんのメッセージを視覚的に伝えられるように、ご自身が携われた作品や、佐渡島さんの日常を描いた漫画ページが設けられています。

 文章と漫画の相乗効果でメッセージがすんなりと頭に入ってくるだけでなく、漫画のコマのチョイスが絶妙なので、その作品を読んでみたいと思わされます。

②片手で読んでも、文章が隠れない!

 自分は書評を書くとき、スマートフォンの音声認識を使用しています。右手に本を持って、左手にスマホを持って書評を書いて(しゃべって?)いて、ふと気がつきました。片手で読んでも、文章が隠れないのです!

 感動のあまりツイッターで呟くと、佐渡島さんだけでなく、本書を編集された箕輪さんからもリアクションを貰うことができました。

 実際、片手でも読みやすいように、という目的でこのようなブックデザインにされたのかはわかりませんが、忙しいビジネスパーソンの方にとって、通勤電車の中でも読みやすい一冊になっています。

 このように、本を読んで得られた「気づき」を発信すると、筆者や編集者の方からの反応をいただけることがあります。書評を書いて良かった! と思える瞬間でした。

執筆者プロフィール

ゲンゴロー
「美女読書 編集室」第1期メンバー
石川県生まれの26歳。研究機関に勤務。
趣味は空手とダンス。

ブログ:「ぎりぎり攻めたらいーやん」


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