こんにちは。瀬田かおるです。
「思考は現実化する」という言葉を聞いたことはありませんか? 本のタイトルにもなっているので、ご存知の方は多いと思います。けれど「実践したことはない」「実践してみたけど現実化した試しがない」という人がほとんどではないでしょうか。
それは思考を現実化させるだけの「力」がないからです。たとえば東大に合格したいと考えているだけで何も勉強せずにいたら、当然その願いが現実化することはありません。東大に合格するためには、合格するだけの「力」が必要です。
その「力」を手にするために、「思考を文字化する」という手法を紹介しているのが、『思考は文字化すると現実化する』という本です。
なぜ、思考を文字にすると現実化するのでしょうか。またどのように思考を文字化すれば、現実化を加速させることができるのでしょうか。
思考を現実化できる人・できない人の違い
「思考が現実化されるというのなら、いつも頭の中で色々考えてる自分はどうして現実化しないの?」─こう考える人もいるかもしれません。それは先述の通り、現実化するだけの「力」が足りていないからです。まずは思考を現実化させられるだけの「力」を身につけなければなりません。
そこで実践すべきなのが、「思考を文字にして書き出す」ことです。思考を文字化すると、願望が鮮明となって現在とのギャップがわかります。同時に、ギャップを埋めるために必要な「行動」も明確になります。その「行動」を継続することで、思考が現実化してくわけです。
「そんな簡単に現実化したら苦労しないよ」と思うでしょうか? そう考えてしまう人は、思考を現実化させることはできません。
「考えていることが現実化するなどあり得ない」「人生を思うようにコントロールするなんて不可能だ」のように、人は無意識の領域で自分にネガティブな暗示をかけてしまっています。
この「無意識の思考」を変えない限り、思考が現実化することはあり得ないのです。
まずはこのネガティブな思い込みを取り除く必要があります。
そこで有効なのが「成功習慣サイクル」を回すことです。
「成功習慣サイクル」を回す
成功習慣サイクルとは、次のような流れをグルグル回すことをいいます。
- 自分の思考と対面し、現実化させたいことを文字化する。
- 文字化したことと現実とのギャップを明らかにし、それを埋めるための行動をする。
- 結果が出る。
- 結果から、自分でコントロールできることとできないことを見極められるようになる。
目標に向けて行動すると、「自分でコントロールできることがある」と気づくことができます。すると自分への信頼が生まれ、次の行動に移す意欲が高まります。
同時に、自分でコントロールできないことに無駄な時間や労力を割くことがなくなり、目標達成に必要な行動のみを実行できるようになります。
つまりこのサイクルを回すことで、自信をつけながら効率的に目標達成に必要な行動ができるようになるため、実際に現実化できるケースが増えていくのです。
こうして目標を達成していくと、さらに自分への信頼が高まり、新たに現実化させたいことが生まれます。それをまた文字化して、実現に必要な行動をとっていくという「成功習慣サイクル」を回すことで、思考を現実化するスピードが加速されていきます。
とはいえ、「じゃあ今から、自分の頭の中にあることを文字にして書き出しましょう」と言われても、どうやって自分の頭の中のことを文字にすればよいか悩んでしまうでしょう。
そこで有効なのが、「ブレインダンプ」という手法です。
「ブレインダンプ」で頭の中を書き出す
「ブレインダンプ」とは、「Brain(=脳)」と「Dump(=放り出す)」という単語が組み合わさってできた言葉で、テーマを決めて思いついたことをとにかく書き出す、というものです。
たとえば「今年かなえたいこと」というテーマを設定した場合。
- 書き出す時間を決めます。(ここでは15分としましょう)
- 次に紙とペンを用意します。
- タイマーを15分に設定し、「今年かなえたいこと」は何? と自分に問いかけ、頭に浮かんだことをとにかく紙に書き出します。
大切なのは、「こんなこと実現不可能」とか「お金がないからムリ」のように思考にブレーキをかけないことです。
実現できるかどうかはひとまず考えず、瞬間瞬間に頭に思い浮かんだことを紙に吐き出していきます。すると、普段意識して考えていないようなことも、手を伝って紙に書き出されことがあります。
それが「ブレインダンプ」のメリットです。
「期限付き」の目標を設定する
ブレインダンプで頭の中にあることを書き出したら、その中で最も叶えたいことを1つ選びましょう。
そしてそれをいつまでに叶えたいのか、日付や日時を入れて「目標」にします。
人は普段から、特に意識していなくても「始業時間の10分前には席に着くように出社する」「2月の試験日に合格するように勉強する」といった目標を立てて生活しています。日時を設定することで、それが現実になるように行動し、実現しているのです。
ならば、現実化させたいことを文字化した後も、期限を設定して目標にすることで、達成に向かって行動するようになるということです。
行動に必要な「学び方」のコツ
最後は、思考を現実化する上で一番大切な「行動」についてです。
当然ながら、何も考えずただがむしゃらに行動するだけでは、思考を現実化させることはできません。
不可欠なのは「学び」です。学びで知識を得ることで、思考を現実化するためにどんな行動をすべきか判断できるようになります。
しかしこの「学び」にも、それを現実化するための「力」に変えられる人と、変えられない人がいます。
その違いは、学ぶ前にあります。学びを「力」に変えられる人は、学ぶ前に「そこから何を得たいのか」を明確にしてから学び始めるといいます。
「目標に対する課題を解決するアイデアを得る」と決めて学び、アウトプット(=行動)する環境を強制的につくるのです。
こうすることで、現実化に必要なアイデアを効率的に実践していくことができます。
おわりに
本書にはいくつものワークが用意されており、それに取り組むことで、自分の思考を文字化して、現実化させる能力を身につけることができる作りになっています。
これまで頭の中で同じようなことをグルグルと考えてきた日常を改め、思考を吐き出し、現実化させる道を踏み出してみませんか?