社会不安症の予備軍かも?「人見知り」の原因となる「認知の歪み」10パターン

社会不安症の予備軍かも?「人見知り」の原因となる「認知の歪み」10パターン


 こんにちは、サトエリです。私は10代~25才までの10年以上、「社会不安症」と言われてもおかしくないほど、高度な「人見知り」でした。

 多くの人は「人見知りってあがり症でしょ?」「慣れれば解消されるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、違うんです。

 人見知りは、物事の考え方、捉え方がネガティブな方へ偏ってしまう「認知の歪み」が原因となっていて、これがひどくなると、人間関係(社交)に極度な不安を感じ、生きる上で必要なことすらできなくなってしまう可能性があるのです。

 今回ご紹介する『大人の人見知り』では、そうした「認知の歪み」を矯正し、人見知りを克服するための方法が紹介されています。

 日常生活で劣等感を抱きやすかったり、過去のイヤな出来事を忘れづらかったりと、自意識のコントロールが上手くできない人や、ネガティブになりがちな人は、ぜひ読んでみてください。

「大人の人見知り」が増えている?

 そもそも「人見知り」とは、元来子どものために用いられる言葉でした。しかし最近は、ネットやスマホが浸透し、相手と対面しなくても情報のやりとりが容易にできるようになったことも関係して、人前でのコミュニケーションに苦手意識を持つ人が増えているといいます。

 本書ではこれを「大人の人見知り」と呼び、「社会不安症」の予備軍であるとしています。

 社会不安性とは、社交の場で不安を覚え、動悸や赤面、発汗などの症状が現れる心の病気の一つです。

 以下の4つ全てが「Yes」の場合、社会不安症である可能性が高いそうです。

  1. 人前で質問に答えたり、発表したりという注目される状況が怖い。
  2. 宴会や会議室など他者がすでに座っている場所へ行く状況が怖い。
  3. 人前で恥をさらししてしまい、他者から否定的に評価されることが怖い。
  4. 上の①~③の怖さは度を超えていて、ひどいつらさが6ヶ月以上続く。

 特定のシチュエーションに対して「恐怖」を抱いている状態ですから、単に「あがり症」や「緊張しやすい」という言葉だけで片付けることはできません。

 私はこの本を読んで、過去の自分の状態が「社会不安症」につながる「大人の人見知り」状態であったことを自覚しました。

 では、どのようにすれば、「大人の人見知り」を克服することができるのでしょうか?

「人見知り」は治せるのか?

 アメリカの精神科医で遺伝学者でもあるクロニンジャー教授は「TCI(Temperament and Character Inventory)」という、質問紙を用いた人格理論を提唱しています。

 簡単に言うと、パーソナリティには「気質(Temperament)」と「性格(Character)」のふたつが相互に作用し合っている、という理論です。

 彼がいう「気質」とは、先天的に遺伝として生まれ持った性質のこと。一方で「性格」とは、後天的に獲得した遺伝ではない性質を指します。

 人見知りは、遺伝的な部分がある一方、ライフイベントの中で後天的に生じてくる部分もあります。完全に遺伝によるものではないため、「認知行動療法」で克服することができます。

人見知りは認知のゆがみのせい?

 「認知行動療法」とは、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法の一種。ここでいう「認知」とは、「物事の考え方、捉え方」という意味です。

 私たちの感情は、認知の結果として生まれることがあるので、認知に歪みがあると、ネガティブな感情が作られやすく、人見知りになりやすくなってしまうのです。

 人見知りの克服のためには、認知の歪み(考え方のクセ)を修正しなければなりませんが、やっかいなことに、当の本人はその状態に気づけていないことが多いといいます。私も経験上、数年経ってようやく気づくレベルでした…。

 そのため、まずは本人が認知の歪みの存在を正しく認識することが重要です。

 本書では、認知行動療法の開発のパイオニアであるデビット・D・バーンズが提唱している、「認知の歪み」の10パターンが紹介されています。

 あらかじめどんなパターンがあるのかを把握しておくと、「もしかしてこの考え方は認知の歪みでは…!」と自分の思考のクセに気づき、それが人見知りに影響していることを突き止められるかもしれません。

 誰にでも当てはまりがちなクセばかりですので、一緒にチェックしていきましょう。



「認知の歪み」10パターンを一挙公開

①全か無か思考

 極端な完全主義。物事を0か100、白か黒のように極端に分類して判断する考え方のクセです。この傾向が強まると、白か黒以外に価値を感じられなくなり、2種類の判断しかできなくなってしまいます。

②一般化しすぎ

 たまたま起きた特殊な場合なのに、それがすべての事に当てはまるように考えてしまうことです。物事にはさまざまな側面があるのに、わずかな経験則から勝手な判断してしまい、多様な見方ができなくなってしまいます。

③心のフィルター

 物事の悪い面ばかりが目に付いてしまう状態で、「心のサングラス」「心の色眼鏡」ともいいます。どんな物事にもプラス面とマイナス面がありますが、心のフィルターを通すと、マイナスばかりが見えてしまいます。そのため、ひとつの良くないことにこだわって、他の良いことはすべて無視してしまいます。

④マイナス化思考

 何でもないささいなことや、本来はプラスのことでもマイナスに捉えてしまう思考パターンです。「心のフィルター」は、ある出来事の肯定的な側面を無視することを指しますが、「マイナス化思考」は肯定的な側面でもマイナスにとらえてしまうので、いっそう悪い認知の思考パターンといえます。

⑤結論の飛躍

 「結論の飛躍」は、さらにふたつのパターンに分かれています。ひとつは「心の読み過ぎ(読心術)」です。人の発言や行動の一部分で、相手がどう思っているかをネガティブに決めつけ、それが本当かどうかを確かめようとしなくなります。

 もう一つは「先読みの誤り」。これは、根拠もないのにネガティブな結論に一足飛びにジャンプして飛びついてしまう思考パターンです。誰にも未来のことはわからないのに、勝手にネガティブな先読みをして、絶望感に打ちひしがれてしまいます。

⑥誇大視と過小評価

 自分の欠点や失敗など、ネガティブな要素は必要以上に大きく、自分の長所や成功など、ポジティブな要素を曲単位小さく考えてしまいます。長所を勝手に潰し、なかったことにしてしまうので、自分に価値を感じられなくなります。

⑦感情的決めつけ

 感情を根拠に物事を決めつけてしまう思考パターンです。喜怒哀楽に振り回され、物事を冷静に見れなくなってしまいます。

⑧すべき思考

 何かというと「~すべき」「~すべきではない」と考えてしまう思考パターンです。自分の中にある常識や固定観念にとらわれ、その基準に合わせようとして自分や他人を追い込んでしまいます。

⑨レッテル貼り

 自分や他人に硬直的なイメージを貼り付けてしまうことです。対象に対するイメージを固定化しているため、物事の別の側面に気付けなくなります。また、自分で貼ったレッテルによって生まれる不安感情にとらわれ、冷静な判断ができなくなります。

⑩自己関連付け

 何か起きたとき、自分とは関係のないものであっても、その結果の責任は自分にあると考えてしまいます。常に自分が責められている気になってしまい、人生を楽しめません。

 以上、10パターンです。あなたにも当てはまる項目があったでしょうか? ちなみに私は、全部のゆがみにバランスよくはまっています。特に10年くらい突出していたのが、「①全か無か思考」「⑤結論の飛躍」「⑩自己関連付け」です。

 たとえば新学期になると、「最初の一週間が勝負だ。ここでキャラづくりを失敗したら学生生活が終わる」と考えてしまったり、電車におしゃれな大学生が乗ってきたら「おしゃれな人怖い。絶対ダサイって思われてる…私には価値がない」と、胸がズキズキして途中で降りたりしたことがあります。

 どれも「認知の歪み」によって、必要以上に不安を感じ、人見知りを増幅させて、自分で自分を苦しめていたのです。

 それぞれの「認知の歪み」の特徴とその克服法について詳しく知りたい方は、ぜひ本書をチェックしてみてください。

 最後に、本書で取り上げられている「”脱”人見知りへの10の技術」の中から、私がふだん実践しているものを3つご紹介します。



人見知りを克服する3つの方法

①「不安バロメーター」を意識する

 これは自分の感じた不安を数値化することで、大まかに不安の強弱を把握するという方法です。

 「あ、今、不安が来たな」と思ったら、どれくらい不安なのか、0点から100点までの間で点数をつけます。点数の基準は自分の尺度で構いません。

 不安が高まると、ネガティブな「認知の歪み」にはまりやすくなるので、たとえば不安の点数が80点を超えたら、危険水域に入っていると判断し、結論を飛躍させたり、感情的に決めつけたりしていないか? と意識的に注意するようにします。

 逆に、不安の点数が少ない状況では、人を探して声をかけていたり、しゃべったりしていくことで、認知の歪みを修正していくことができます。

 私の場合、「不安」を「ストレス」に置き換えてバロメーターを作り、その対策を考えるようにしています。

 たとえばイライラ具合を5段階に分け、5をストレス100%として、以降20%ずつ下げていきます。私の中で、5はスマホを持ちたくないくらい調子が悪いときなので、対策として「金曜は目覚ましをかけないで寝てよし」としてます。

 普段から、自分がどんなタイミングでイライラするか、調子が悪くなるかを把握しおき、ストレス発散の代替案を多くもつようにするのがポイントです。

②15分のくよくよタイムを”満喫”する

 重要なプレゼンの前日など、不安メーターがなかなか下がらないときってありますよね。そんなとき、15分ほど、意識して一気に不安に浸る「くよくよタイム」を作るという方法です。

 その仕事がうまくいくかどうかを15分間、頭の中でリハーサルし、最悪と最良の2パターンを考えるようにします。

 私は、仕事から帰宅したあと、15〜30分を日記タイムにして、1日たまりにたまった愚痴やその日の健康状態を記録し、時間内に思いついたことをできるだけ書くようにしています。仕事から帰って、まだスイッチがオフになっていない状態で出力するのがポイントです。

 1ヶ月ほど続けると、紙に書き出せば忘れられるストレスと、ずっと解決されないままのストレスが明確になります。余暇を楽しんでもなくならなければ、それは本当に向き合うべきストレスだと自覚し、別の対策を考えます。

③自分を褒める技術

 ポジティブ思考に変わるために、自分を意識して褒めるという方法です。人見知りの人は、褒める基準を高く設定しているので、なかなか自分を褒めることができません。しかし、現状の自分を評価することができなければ、不安を低下させることはできません。

 できて当たり前のことだから褒めるべきではないという思い込みは捨て、どんな小さなことでも、できたら自分を褒めてあげることが大切です。

 ただ、個人的にこの方法には注意が必要だと感じます。というのも、自分を褒めることは、「(根拠がなくても)生きてていいんだ」という自尊心のベースがあってこそ効果を発揮するものだからです。

 それがないのに、「○○ができてえらい」と褒めてしまうと、「(○○ができたから)生きてても良いんだ」という生存自体の根拠になってしまい、もし次に同じことができなかった場合、生きても良いという根拠を失うような感覚に陥ってしまう可能性があります。

 これは「全か無か思考」や「心のフィルター」という認知のゆがみの影響なので、人見知りの人ほど、せっかく積み上げてきた自信も、何かのきっかけで一気に崩れてしまう恐れがあります。

 しかし、「根拠はないけど生きててよい」という考え方ができれば、自尊心は簡単には崩れません。だからこの方法を実行したい人は、「○○ができてえらい」ではなく、「今日も生きていてえらい」という褒め方から始めることを強くオススメします。

 ちなみに、認知行動療法のタイミングは早いほどいいそうです。もし何もやる気が起きないくらい辛いときは、無理はせず、気力が多少上向きになったときに実践してみましょう。

人見知りの克服法が詰まった一冊

 数年間、このように自分を振り返る活動をしてきたら、昔よりも認知の歪みが減ったと実感しています。

 人見知りによるストレスは、できるだけ溜めることのないように、1つ感じたら1つ解消するように向き合って行くと良いと思います。

 本書には他にも、人見知りを克服するためのセルフトレーニング方法がたくさん紹介されています。「暴露療法」や「返品トレーニング」は、私自身、似たようなことを実践し、効果があったものなので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

 今、人見知りに悩んでいる方にとって、すぐに実践できる克服法がたくさん詰まった一冊です。

執筆者プロフィール

佐藤絵梨(サトエリ)
「自分と他者の感覚の違いを見えるようにする」
が活動テーマ。
発達障害のブログを書いています。
・ブログ:「私がメディアになる」

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