こんにちは。桜稀です。
今回は『マーケティングオートメーション 最強の導入手法』を手に取りました。
正直、読む前は「そもそもマーケティングオートメーション(以下「MA」)って何?」という状態でした。
しかし読み進めていくと、MAとは何かという基礎的な情報から、具体的な活用方法や導入事例まで体系的にまとめられており、MAの必要性や取り入れることの意義が理解できました。
これから実務で使う人はもちろん、マーケティングに少しでも関わる機会のある人なら押さえておくべき、効果的で実践的なマーケティング手法が語られています。
著者は、リクルートやセールスフォース・ドットコムなどを経て、マーケティングオートメーション領域に特化したtoBeマーケティング株式会社を設立した小池智和さん。日本のマーケティングオートメーション第一人者です。
今回は、MAについて全く知らない人のために、MAの基本についてまとめてみました。
そもそもMAとは何か?
「マーケティングオートメーション(MA)」とは、文字通り「マーケティング」を「オートメーション(自動化)」するためのプラットフォームのことです。
MAを導入すれば、自社のWebサイトでお問い合わせや会員登録をしたことがあるユーザーが再度訪れた際、個人名を特定した状態で、Webサイト上での動向を把握できるようになり、そのユーザーがどのページをどれくらい閲覧しているか、メールをクリックしたかどうかといった「顧客側の行動」がつかめるようになります。
その上で、顧客の行動に合わせて的確なタイミングでメールを送付したり、営業へのアラートを鳴らしたりと、さまざまなアクションを自動で行うことができます。
高額な商品やサービスを購入する場合は特に、Web検索によって情報収集するのは当たり前の時代になっています。だからこそWeb上で顧客の行動を追跡でき、潜在的なニーズをつかむことができるMAは、その重要度がどんどん増しているのです。
MAによって見込客の行動を把握し、興味関心や購買プロセスのどの位置にいるのかを分析できれば、営業部門は商談・受注に結びつけやすくなります。
MA導入による3つのメリットとは?
①「新たな見込客」を漏れなく継続的に管理できる。
不動産や自動車のような高額商品を売るとしたら、多くの見込顧客を集め続けるのは大変ですよね。コンビニで売ってるような大量消費品とは違い、一人が何度も購入する商品ではないので、売れるチャンスは限られています。
そのため一人一人の見込客と長期的な接点を持ち、コミュニケーションを取り続けることが大切になります。このような「顧客管理型」のマーケティングを行う商品・サービスこそ、MAは大きな効果を発揮します。
高額商品は購買までの検討期間が長いため、すべてを人の手で管理しようとすると漏れが出てしまいますし、途中で自社社員の入れ替わりがあると引き継ぎも大変です。
MAは見込客のデータをまとめて管理し、顧客ごとにアクションを自動化できるため、長期に渡った継続的なアプローチが可能です。
このように、継続的に「会社として」顧客管理をしていく上で、MAは重要な役割を担ってくれるのです。
②見込客の「検討プロセス」を掴み、的確なアプローチができる。
今や誰もがインターネットで知りたい情報を検索し、SNSの口コミなどを読み、Webサイトに提示してある価格を複数比較しています。
これは「顧客自身の独自検討」の領域が広がり、営業には見えない購買プロセスが増えたということでもあります。
商品購入の検討プロセスは人それぞれですから、お客様が「購買プロセス」のどの位置にいるかを知ることは、的確なアプローチをする上で欠かせません。
MAがあれば、自社のWebサイトを閲覧しているユーザーの行動履歴から、購入に際してネックとなっている部分(「価格」や「サービス面」など)がどこにあるのかを分析できるので、購入に向けた的確なアプローチを仕掛けることができます。
③顧客の関心状況をつかみ、「的確な情報」を営業に渡すことができる。
MAによって集めた見込客の情報を営業に渡し、商談に入った後も、見込客はWebサイトを閲覧し、比較して検討を行うことがあります。高額商品やBtoB向けの商品というのは、一度の商談で決まることはありませんから、尚更その傾向が強いでしょう。
たとえば価格のWebページばかりを閲覧していたら、購入までの障害に価格があると推測できます。二度や三度の商談が必要になるビジネスでは特に、MAによって顧客の関心状況をつかみ、営業に的確な情報を渡す重要性が高くなります。
営業へのパスの精度が高くなるほど、次回の商談でより相手のニーズに合わせた提案ができるようになり、受注に結びつきやすくなるでしょう。
「MA×CRM」で売上は爆発的に拡大する
実は、本書は「MA」の導入についてのみを語ったものではなく、「CRM」との連携に重きをおいて解説しています。
「CRM」とはCustomer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネジメント)の略で、主に営業部門が利用する「顧客管理」ツールのこと。
これまではマーケティング部門と営業部門がそれぞれ別のツールを使い、別々に管理するケースが多かったため、顧客情報が重複したり、漏れがあったりして成果に結びつきづらい状態になっていました。
これを連携させ、「顧客のウェブ行動把握」→「CRM情報の確認」→「顧客へのアクション」という一連の流れを、1つのプラットフォームで行えるようにすれば、売上を爆発的に拡大させることができる、というのが本書の主張の肝です。
その実践ノウハウを知りたい方は、ぜひ本書を手にとってみて下さい。