みなさん、こんにちは。桜稀です。
突然ですが、仕事で新商品を企画したけど売れなかったり、そもそも企画が通らなかったりした経験はありませんか? 『一生仕事で困らない企画のメモ技(テク)』の著者・高橋晋平さんは、その原因を次のように指摘しています。
企画を考える時に、多くの人が一番間違えてしまうこと。それは、「面白そう」「今までになく、新しい」という理由だけで企画をつくってしまうことです。
企画とは、人が「欲しい」「買いたい」と思う商品やサービスをつくる作戦です。自己満足に終始していると、誰にも売れないモノが完成してしまいます。
しかしながら、アイデアの見つけ方や企画の作り方まで丁寧に教えてくれる会社は稀でしょうから、ほとんどの人は自己流で企画を立てているのではないでしょうか。持ち前のセンスや経験で「通る企画」を作れることもあるかもしれませんが、それでは次も売れる企画が作れるか分からず、運任せに等しくなってしまいます。
今回は、『一生仕事で困らない企画のメモ技(テク)』から、売れる企画をつくる手順を3ステップに分けてご紹介します。
- 企画ネタを収集する習慣を身に付ける
- アイデアを量産する「3大原則」
- ヒット企画へと仕上げる3要素
1、企画ネタを収集する習慣を身に付ける
みなさんは、仕事で企画を立てるとき、まず初めにどうしますか? 一人頭の中だけで考えたり、インターネットで情報収集したりする人が多いと思いのではないでしょうか。
どちらも悪くはありませんが、企画を立てる必要に駆られてからアイデアを探すようでは、行き当たりばったりとなってしまい、成果に繋がらない可能性が高いです。
そうではなく、日頃から見聞きしたことや頭に浮かんだ思いつきをメモしておくことが大切です。メモ帳を見返せば、企画の材料が溢れている状態をつくりましょう。
高橋さんは、ネットや人との会話の中から日々企画のヒントを探しているそうです。
RSSリーダーとTwtiterを活用
たとえばネットの情報収集では「Inoleader」というRSSリーダーのアプリを使い、次のようなサイトを登録しているそうです。
- ギズモードジャパン
- ガジェット通信
- ロケットニュース24
- Getnavi web
- ライフハッカー[日本版]
- 日経トレンディネット
- デイリーポータルZ
- オモコロ
- 100SHIKI
- 東洋経済オンライン
- ダイヤモンド・オンライン
またTwitterでは、常時300~400程度フォローし、随時、読みたいアカウントを入れ替えながら最適な状態を保っていると言います。高橋さんのTwitterアカウントは@simpeiideaなので、どんな人をフォローしているか気になる方はチェックしてみてください。
ちなみに「Inoleader」は、実際に私も利用してみました。今までは複数のニュースサイトを検索して探していましたが、Inoleaderでは最新記事の見出しが一覧になるので、手軽に流し読みができ、時間短縮になります。
「美女読書」を登録するとこんな感じで最新記事が流れてきます。(表示パターンを自分好みに変えられるのがいいですね)
会話の中でメモを取る習慣を
人との会話の中から貴重なアイデアが見つかることも多いですよね。何気ない雑談の中で「こんなものがあったら便利になるのに」「こんなものが欲しいな」と会話がふくらんだ経験はありませんか? そこには売れる企画のヒントが詰まっています。
「会話中だと話を遮ってしまから」と気を使って、あとからメモしようとする人も多いかもしれません。それでは簡単に忘れてしまうので、相手に一言断りを入れて、その場でメモを取る習慣を身につけましょう。
高橋さんはメモアプリとして、スマホとPCどちらも利用できる「Evernote」を勧めています。
2、アイデアを量産する「3大原則」
企画には、「商品企画」だけではなく、「売るためのプロモーション施策」や「業務改善案」など様々なテーマがあります。
どんなテーマであっても、企画の原案となるアイデアの発想法には「3つの原則」があると言います。
- アイデアは、質より量である。
- アイデアは、ダメなものから率先して出し始める。
- アイデアは、「企画のテーマ」×「ネタ」で発想する。
アイデアは「質」よりも「量」を求めることで、発想の幅が広がります。優れたアイデアは、いきなり探しても見つからないので、むしろダメなアイデアから書き出すようにと勧められています。
そこから「ちょっとだけ変えてみたら?」「逆に考えてみたら?」「ちょっとだけ現実に寄せてみたら?」と、少しずつ視点を変えていくと、2つ目、3つ目とアイデアが出やすくなるのだそうです。
また「企画のテーマ」×「ネタ」のかけ合せによって、アイデアを量産する方法が紹介されています。「ネタ」には、日常的にメモしてきたアイデアをすべて当てはめていきます。
「どのネタをかけ合せようかな」と頭で考えてしまうと、いつもと同じ発想に陥ってしまうため、機械的にかけ合わせて、パッと思いついたアイデアを書き出すようにしましょう。
ここで、高橋さんの突拍子のないかけ合せの一例を紹介します。
「社員のモチベーションを上げる制度のアイデア(企画のテーマ)」×「うんこ漢字ドリル(ネタ)」=「社訓を全部 “うんこ” で表す」
このように、誰にも思いつかないような自由な発想こそ大切です。かけ合せて生まれたアイデアが微妙だと思っても、頭の中だけで却下してしまわずに書き残しておくようにしましょう。
3、ヒット企画へと仕上げる3つの要素
企画づくりの基本は、「何を」「誰に」「いくらで」を設定することです。この3つの要素のバランスがとれた企画であれば、顧客がお金を出してでも購入したいモノになり得ます。
3つの要素を簡単に説明すると以下の通り。
- 「何を」…その企画がユーザーに提供する価値。
- 「誰に」…その企画のターゲット顧客になる人の特徴。
- 「いくらで」…ユーザーがその企画を利用するコスト。
どの要素もそれぞれ密接に関係しているため、2つずつセットにして、バランスがとれているかどうかを確認してみましょう。
①「何を」と「誰に」のバランス
ユーザーに提供する価値が明確でも、それを欲しがる人がいなければ意味がありません。つまり企画内容がターゲット顧客の欲求をつかむものになっているか考える必要があります。
その際、「今の市場環境の中で、自社は本当に顧客が欲しい内容を実現させられるのか」という視点を持つことも重要です。仮に、競合がもっといい商品をすでにつくっていて、自分たちはそれを超えるものをつくれないのであれば、その企画を「欲しい」と思われるものにすることはできないからです。
②「何を」と「いくらで」のバランス
大ヒットする商品のアイデアがあっても、材料や人件費などのコストが売上を上回ってしまい、健全な利益が出ないようでは企画として成立しません。
自社のリソース状況や開発コストの相場状況、流通の取引条件など、今の環境できちんと利益の出る価格が実現できるのかについて考える必要があります。
③「誰に」と「いくらで」のバランス
ターゲット顧客の属性によって、「どれくらいの金額なら喜んで利用したいか」は変わります。たとえば若年層と高齢層では、金銭感覚や価値観は異なりますし、流行や地域、性別の違いによっても変わってくるでしょう。
価格の受け入れ方は、状況や戦略によって変わるものです。それを考えながら、ターゲットになる顧客が喜んで利用する価格を想定しなければなりません。
まとめ
私は本書を読んで、普段から思いついたアイデアをメモするようになりました。その結果、新しい情報に対して敏感となり、おもしろい発見が多くなったと感じています。
アイデアを生み出すのが苦手な人は、まずは自分が興味を持ったものをメモする習慣から身につけてみてはいかがでしょうか。