すべての子どもは天才になれる?子育てに必要な「3つの柱」

すべての子どもは天才になれる?子育てに必要な「3つの柱」




 こんにちは、西宮エヌです。

 子どもを持つ多くの親が我が子に「自分らしい生き方」をしてもらいたいと望んでいるのではないでしょうか。現在子育て中の私もその1人です。

 子どもに「自分らしい生き方」をしてもらうために、親は何をすればよいのでしょうか?

 そのヒントを教えてくれたのが『すべての子どもは天才になれる、親(あなた)の行動で。』でした。

 本書の著者は、教育のゴールを「子どもが自分の才能(特性)を見つけて、自分の人生を選択できるようにすること」と定義しています。

 習慣・態度・関わり方など、親の適切な在り方(行動)が子どもの能力を後天的に開花させ、子どもが自身の望む道へと突き進めるというのです。

 能力をうまく引き出し、優秀な子どもが育つ家庭では、何を大切にしているのでしょうか。

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教育の「3つの柱」とは?

 「優秀な子どもには3つの柱が備わっている」と著者は述べています。その柱とは、次の3つです。

  1. 「よい習慣」
  2. 人間性を作るベースになる行動習慣のこと。

  3. 「思考力」
  4. 子どもがよりよい道を選んでいくために欠かせない能力。物事の本質を見抜く思考(クリティカルシンキング)が重要。

  5. 「アイデンティティの確立」
  6. 自分はどう生きるかの指針をハッキリと決めること。

 この3項目は「よい習慣」を土台として、「思考力」「アイデンティティの確立」という順でピラミッドのように重なっています。

 つまり「よい習慣」が人間としてのベースを作り、「思考力」が選択する力を高め、それらがしっかりと出来上がっているからこそ、「アイデンティティ」を確立することができるということです。

 著者は「アイデンティティの確立こそが教育の最終目標といっても過言ではない」と述べています。

 それでは、具体的にどういった行動によってアイデンティティの確立を目指せばよいのか、詳しくみていきましょう。

1. よい習慣

 習慣は、人格、メンタル、思考パターンなどを決定づけるものであり、同時にあらゆる技能(学力や子どもの強み)の伸び方にも関係しています。

①習い事

 優秀な子が育つ環境で、必ずと言っていいほど行われているのが、習い事です。著者がこれまでに見てきた例では、真剣に習い事に打ち込んでいるほぼ100%の子どもが、学力も同時に身につけていくそうです。

 習い事をする上でもっとも大切なのが「やり続けること」であると著者は述べます。小学校、中学校、できれば高校時代も通して10年以上続けていくことで、「物事をやり抜く習慣」が力強く育つのです。

 また習い事で忙しくなることで、子どもは自己管理力、時間管理力を自然と身につけられるといいます。

②食事中の雑談

 コミュニケーション力の基盤は、家族との交流の中で育っていきます。特に重要なのが「家族で食事をする時間」。

 このとき行うのは「楽しい雑談」です。悲しいこと、イライラする出来事も、見方を少し変えると「ユーモア」になるということを教えてあげると、子どもは悲観的にならず、「楽観性」を身につけていきます。



2. 思考力

 なぜ思考力を重視するのかというと、多くの情報があふれる世の中で、バイアス(先入観)に縛られず、自分で考えて人生を選択するために必要だからです。

 「あたりまえ」「常識」「普通」「〜べきだ」「絶対」という言葉を見聞きした時は、

  • 「本当か?」
  • 「根拠は?」
  • 「思い込みではないか?」

と疑うクセをつけていくことが大切です。

 まずは親が物事の本質を見抜く思考(クリティカルシンキング)を意識して、子どもに「考えさせる」質問をしましょう。

①答えのない質問

 「YES/NO」で答えられない、正しい答えがない質問を「オープンエンディド・クエスチョン」と呼びます。クリティカルシンキングを鍛えるのに効果的なのが、オープンエンディドの質問です。

 たとえば「今日学校楽しかった?」という質問は「YES/NO」で答えられるので「うん」「べつに」だけで終わってしまいます。

 一方、オープンエンディドでは、

  • 「今日先生の話の中で一番おもしろかったことを教えてもらえる?」
  • 「今日よく笑った話を教えてくれる?」

といった質問をします。

 これらの質問に答えるには、記憶を呼び起こし、それを言葉にして説明しなければなりません。つまり「深い思考」が要求されるのです。

 他にも、

  • 「犬がどんな生き物なのかを説明できる?」
  • 「どんなスーパーパワーが最強だと思う?」
  • 「自分が親になったら子どもに何を教える?」
  • 「理想の学校とはどんな学校だろう?」

といった質問は、子どもの思考力を鍛えると同時に、子ども自身が自分の好き嫌いや価値観を知るきっかけにもなります。

②日常の「何で?」を引き出す質問

 子どもは知りたいこと、わからないことに出合うと「何で〇〇なの?」と質問をします。

 この時、子どもの質問に親がきちんと答えることで、子どもは気になることをどんどん口にするようになります。

 反対にしっかり答えないと、わからないことをわからないままにする習慣が身についてしまいます。

  • 「タマネギを切ると涙が出るのはなぜ?」
  • 「トイレに流した水はどこに行くんだろう?」
  • 「何で勉強するのだろう?」
  • 「1年は何で12ヶ月なの?」

 こうした疑問は、親でも答えられないことが多いでしょう。わからない時は見栄を張らずに、子どもと一緒に調べる(考える)ようにすることが大切です。インターネットや百科事典などを活用し、日常生活で抱く疑問を調べることを習慣にするのです。

 情報を鵜呑みにせず、クリティカルに「本当か?」と導くのがポイントなのだそうです。



3. アイデンティティの確立

 最後は、アイデンティティの確立についてです。「アイデンティ」とは、「自分は何者で、何を大切にし、どう生きたいのか」を見つけることだと著者は定義しています。

 「ゆるぎない自分らしさ」を持つことで、人生に迷いがなく、選択、決断、努力を続けていくことができるといいます。

 しかし多くの親は、子どもに「自分らしい生き方」をしてもらいたいと願いつつも、「中学受験で私立に入らせたい」「将来は○○大学に合格させたい」のように、学歴主義に陥ってしまいがちです。

 子ども時代を教科書知識の詰め込みや受験勉強だけですごしてしまうと、「習慣力」が満足に育たなかったり、自分の頭で考えるための「思考力」が身につかなかったりして、結果として「アイデンティティの」が確立できなくなるケースが多いと著者は指摘しています。

 たとえば受験勉強一筋で生きてきた子は、勉強以外の道を選ぶ機会が少なくなり、困難にぶつかった時のふんばりや、人間としての幅、あるいは強みが育ちづらくなってしまいます。

 また子どもが自分自身と向き合うことなく大人になると、「自分のやりたいこと」や「自分の生き方」の答えがわからない、という問題に直面しやすくなります。

 そのため賢い親たちは、学歴偏重にならないように、スポーツやボランティア活動、芸術分野に触れる時間を学校の勉強の時間と同じくらい重視しているといいます。それは、学校や塾といったコミュニティーを離れたところで作られる成功体験や人間関係が子どもの特性を高め、自身を大きくしてくれることを知っているからです。

 本来、子どもがやりたいことを見つけるには、教科書から離れる必要があるのだそうです。

 スポーツや音楽に真剣に取り組んだり、アートにふれたり、友だちとぶつかり合ったり、文化や年齢の異なる人と関わり合ったり。また、その中で失敗と成功を体験し、泣いたり笑ったり、悩んだり解決したりといった試行錯誤を繰り返すこと、そしてそこから生まれた「強み(特性)」が必要なのです。

 アイデンティティが確立すれば、たとえどんな進路を選ぼうと、子どもは自分の進むべき道を(自分で)見つけ、自分の目標を実現するためのスキルを身につけていきます。

 だからこそ親は、子どもが自分の強みを見つけるように環境を整え、「子どもが自分で選んでいる」と思える仕組みを作り、上手に導くことが大切なのです。そうした親の習慣が、子どものアイデンティティを作るきっかけとなります。

さいごに

 本書を読んで、我が家で実践できることとして、まずは習慣を見直すことにしました。これまでテレビを見ながら食事をすることもあったのですが、テレビを消して、会話をしながら食事を楽しむことを心がけています。

 また、子どもと不思議に思ったことを一緒に調べる習慣がつけばいいなと思い、「ふしぎノート」というものを作りました。

 今回ご紹介した以外にも、本書では

  • 英語教育
  • コンピューター教育
  • 子どもに用意すべき環境

についても説明されています。

 子どもの成長だけでなく、私自身も親として成長を目指せる一冊でした。

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