数字嫌いでも大丈夫!デキる社会人の数字の使い方とは?

数字嫌いでも大丈夫!デキる社会人の数字の使い方とは?




 こんにちは。塩おにぎりです。

 突然ですが、告白します。私、社会人8年目にも関わらず、数字が苦手です。

 売上目標、平均客数・客単価など、仕事では様々な数字を扱います。もちろん、それぞれを算出することは出来るのですが…

 「なぜ、この数字が必要なのか?」「この数字を日々の業務にどうやって活かすのか?」という疑問は残ったまま。

 「なんとなく」「それっぽく」仕事をしてしまっているのが悩みです。

 もっと数字に強くなって、

  • 販売動向を読み取り、販売戦略を立てたい
  • 販売戦略をチームで共有するため、必要な数字をわかりやすく伝えたい

 そんな思いで『入社1年目からの数字の使い方』を読みました。

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数字は、意見を伝える言葉

 私の数字嫌いは、学生時代の数学から始まりました。難解な数式を前にすると、思考が止まってしまうのです。そのコンプレックスを引きずったまま、社会人になってしまいました。

 ところが著者の深沢さんは「学生時代の数学の成績はまったく関係ありません」と断言します。なぜなら、社会人が扱う数字は「自分の意見を伝える言葉」だからです。

 例えば、上司にやる気をアピールするとき、ただ「頑張ります!」と言うのではなく、「今月は先輩の営業に10件同行します。その内5件は自分がメインでプレゼンを行い、最低3件は契約が取れるよう頑張ります」と言う。

 数字を使って「頑張る」を表現することで、明確な目標が伝わりますよね。自分自身も「何をどう頑張るのか」という行動が具体的に見えてきます。

 これを深沢さんは「数字が変わると行動も変わる。数字を間違えると行動も間違える」として、非常に重要視しています。

 あなたが「頑張りたい仕事」はどんな仕事ですか? まず手始めに、それを数字で表現してみましょう。

数字を使った報・連・相

 本書では、「言葉として」数字を使うときのコツがいくつも紹介されています。

 その中から、ビギナーがおさえておきたい基本のコツを「報・連・相」別にご紹介します。

1. 報告

①1つの報告に、2つの数字を使う。

 → 正しい状況判断ができる。

(例)上司に数字を報告するとき

× 現在の売上は800万円です。

○ 現在の売上は800万円です。月間予算に対し、進捗率80%です。

 「売上は800万円です」という報告では、その売上が良いのか悪いのか評価できません。もう一つ、「進捗率85%」という数字を加えることによって、初めて評価することが可能になり、達成状況を正しく把握できます。

②数字を使ったサンドイッチを作る。

 → 相手の頭へスムーズに情報を届けられる。

(例)「今日までの売上を報告してくれる?」

× 目標通りの推移しています。売上合計は800万円です。

○ 目標通り推移しています。目標値700万円に対し、実績800万円です。新商品への反応が良いようです。

 「目標通り推移している」だけだと、報告された方は「本当かな?」という疑問を持ってしまいます。

 そこで、わざわざ質問させないために「目標値700万円、実績800万円」と具体的な数字を伝え、最後に考察と自分の意見を付け加えます。

 このように「情報→数字→情報」とサンドイッチの形にして伝えることで、相手は疑問に立ち止まることなく、スムーズに内容を理解できます。



2. 連絡

①数字「を」伝えるか、数字「で」伝えるか考える。

 → 質問に対して、ピンポイントで答えられる。

(例)「今回の販促キャンペーンはどうだった?」

● 数字「を」伝える
「キャンペーンサイトへのアクセスは100万人。申込み件数は1,000件でしたので、申込み率は0.1%でした。お客様属性は、男性65%、女性35%。年代別では10代が25%、20代が30%…」

● 数字「で」伝える
「残念ながら、失敗だったと言えます。キャンペーン申込み件数は1,000件。目標の10%程度しか獲得できていません。申込み方法がわかりにくかった可能性があり、現在検証しています」

 どちらも数字を使って伝えていますが、後者の方が情報がまとまっていて、わかりやすいですよね。

 数字「を」伝えるとは、文字通り「数字を伝えるだけ」です。例えば「若いのに、仕事が速いね。入社何年目?」という質問には「2年目です」と伝えるだけでOKです。

 対して、数字「で」伝えるとは「数字を使ってメッセージを伝える」ことです。そのため「自分は何を訊かれているのか?」を理解している必要があります。

 この場合、上司が訊きたいのは「キャンペーンの結果はどうだったのか」ということです。それに対し「失敗だった」という自分のメッセージを伝えるため「申込み件数は100件。目標の10%程度」という数字を使っています。

②余計な数字は伝えない

 数字が苦手な方は「どの数字が必要かわからない…。とりあえず、出来る限りデータを入れておこう!」と考えてしまいがちです。

 私も、たくさん数字が並んでいる方が、数字を使えているつもりになれたので、情報量を減らすことには恐怖心がありました。

 ところが、深沢さんは「数字は多いと煩わしいノイズになる」「相手が知りたいことを埋もれさせる」とし、勇気をもって数字を選ぶことを勧めています。

 ①のキャンペーン報告の例では、「要するにキャンペーンは成功か失敗か」を訊かれているので、その結果に関係ある数字だけを抽出すれば良いのです。

 もし不安な場合は、残りの情報を自分だけのメモに書き残しておき、「男性と女性、どちらが多かったの?」と聞かれた時に伝えるようにしましょう。

3. 相談

インパクトよりモノサシを重視する。

→短い時間で、自分の意見を理解してもらえる。

(例)

「今、申し込んで頂ければ50%オフ致します!」
「へぇ、そうなんですね」
「はい、50%オフです!特別価格ですよ!!」
「あの…」
「はい、なんでしょうか?!」
「それで、おいくらになりますか…?」

 これは実際に深沢さんが犯してしまった失敗だそうです。わかりやすくお得感を伝えよう!と思うがあまり、印象に残りやすい強烈な数字だけを選んでしまい、

 「私はいくらで商品を買えるのか?」というお客様の疑問を置き去りにしてしまいました。

 「1,500円でお買い求め頂けます!通常価格の50%オフです!」と言えば、値段もお得感も伝えられ、効果的ですよね。

 ちなみに、スティーブ・ジョブズのプレゼンにはこの手法がよく見受けられるとか。

 これまでに売れたiPhoneは400万台。1日平均2万台売れたことになる。すごいねぇ。

 400万台販売は「すごい」ということは伝わります。しかし、1日平均2万台と言い直すことで、その偉大さがリアルに感じられませんか? これが一般消費者のモノサシに合わせた数字の使い方です。

 ジョブズ以外にも、決まった時間で効率よく情報を伝えるニュース番組や数秒間で商品アピールをする企業CMでは、この手法が用いられています。

(例)

● 離婚件数は22万6,215件→約3組に1組が離婚
● 販売個数No.1 →10秒に1個売れている人気商品

数字と仲良くなる

 深沢さんが本書を企画したのは「ビジネスパーソンが数字と仲良くなって、楽しく仕事してほしい」という願いからだったそうです。

 今回、紹介したワザは基本中の基本で、ご存知の方も多かったかもしれません。しかし、まずは数字を読むこと、使うことに慣れて頂くために良いなと思うものをピックアップしました。

 ここでは紹介しきれなかった

  • 標準偏差を使った相対評価の方法
  • グラフを用いた相関関係の分析方法

など、より実践的な方法も学ぶことができます。特に巻末資料のエクセル操作方法では、数字を「伝わる資料」に変換する手順が紹介されており、オススメです。

 もう少し詳しく勉強したいという方は、ぜひ手にとってみてください。

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