私は、今年30歳になったばかりの女性です。結婚はしておらず、毎日必死に働いています。
それは、とある夢を叶えるため! のはずなのですが…。ある時、気がつきました。
「胸をはって、夢を語れない」ということに。
美容部員という仕事柄、会話力には自信があります。なのに、いざ夢のこととなると、意味不明な文章になってしまうのです。
人は、1日6万回思考していると言われています。アウトプットせずとも、自分の中では、それだけ膨大な文章が行き交っているのです。
文章力がないと、これらの思考が意味不明な言葉のまま頭を通り過ぎていることになるのでは…そう思ったとき、初めて危機感を覚えました。
「言語化できないようなあやふやな夢は、一生叶わない! しっかりとした文章力を身につけたい!」
それが、本書へと手を伸ばした理由です。
著者は朝日新聞のベテラン校閲者。本書以外にも文章力の著作を発表しておられる、言葉のプロです。もし、あなたが「私の人生、こんなはずじゃないのに」と悩んでいるとしたら。ぜひ、共に学びましょう。
「言葉」が未来をつくる
さぁ、どんなテクニックが披露されているのか! ワクワクして開くと、真っ先に出てくるのは「自分と向き合う」こと。
文章を書く前に、自分の長所と短所を書き出すのです。効率よくHow toを身に付けたい人には、少しまどろっこしく感じられるかもしれません。
しかし著者は、「文章を書けることは、自分の考えを伝えられること=自己実現の道」と定義しています。文章は、あなたの感性であると。
つまり、自分の長所と短所を言葉にすることは、文章力の土台と言える部分なのです。恥ずかしがらず、気軽に取り組んでみてください。
夢を言語化するための2つのポイント
本書は、初級からプロ級の4段階に分けて、数々の技を伝授しています。その中でも、夢を言語化するために、実際に私が取り組んだ2つのポイントをご紹介します。
①あれこれ言わず、まずは箇条書きで
「これがこうなって、あぁなって、それからそれから…」のように最初から文章にしようとすると、言いたいことを全部詰め込もう! と長文になってしまいます。
まるでコース料理が同時に出されたようで、お腹いっぱい。主語述語が曖昧になってしまうこともあります。
まずは箇条書きにし、1つの文に1つの要素を心がけます。こんなに単純で良いの? と思うくらい簡潔な文章でOKです。
【例】
- 毎日をご機嫌に生きたい。
- 前向きに仕事に取り組みたい。
- 1日を笑顔で終わりたい。
- アロマテラピーを学びたい。
- 良い人間関係を築きたい。
②why? なぜ? と自問しながら書く
箇条書きにした夢のピース。あなたの夢を叶える大切な言葉たちです。これに従い、夢を実現させる行動を起こすこともできるでしょう。私の場合、「笑えるお笑い番組を観る」「アロマテラピーの資格を取得する」というように。
ですが、ピースはパズルとして完成させて、初めて絵柄がわかります。ゴールがイメージできるからこそ、各々のピースの位置、役割も明確になるのです。
箇条書きにした夢たちに、「なぜ、私はそれをしたいの?」と自問してみてください。夢の絵が現れていきます。
【例】
- 毎日をご機嫌に生きたい
なぜ?→自分自身のふがいなさや誰かの言動にイライラ、ムカムカする。感情的に不安定な毎日では疲れ果ててしまう。どうにかしたい。
- 1日を笑顔で終わりたい
なぜ?→「笑顔が多い=幸せな人生」というイメージがある。笑顔で眠れると、翌日も気分良く目覚め、前向きな気持ちで仕事に取り組める。
- アロマテラピーを学びたい
なぜ?→アロマスプレーがきっかけで、自分も周囲も笑顔になったことがある。香りを嗅ぐと心が落ち着く。優しい気持ちになれる。
自分の夢を言語化してみた
以上2つのポイントを踏まえ、はじめて夢を言語化してみました!
そんな夢を持ち始めたのは、私が不機嫌な毎日を過ごしていたからです。
上司の一言にムカムカ、家族の態度にイライラ…。感情的で不安定な自分に疲れ果てていました。
ある日、「今日は幸せな1日だったな~」と眠れた日がありました。職場でアロマスプレーを使用したところ、「癒される~」と好評で、皆が笑顔になってくれたのです。職場全体が良い雰囲気に包まれ、私は前向きな気持ちで仕事に取り組めました。
きっと、人をご機嫌にする方法はたくさんあることでしょう。その中で、私はアロマテラピーを使いたい。そう思っています。
気軽にシュッとひと吹きするだけで、その場にいる人が幸せを共有できるからです。
まだまだ拙い文章ですが、文章にしてみることで、夢を描き始める一歩になりました。本書の技を1つずつプラスして、必ず完成させます。
あるがままの自分で書いてみよう
「毎日疲れていて、本を読む時間すらない…。でも、このまま終わりたくない」ーーそんな方にこそ、ぜひ読んで頂きたい一冊です。
今回ご紹介した以外にも、「好きなら好きと最初に言おう」「はがゆい思いがミチてます」など、ユニークな技法が満載です。
本書を読むと、文章とは思考の組み立てであり、文章力を育てることは人生を生き抜く力に繋がるのだ、と感じていただけることでしょう。
フワフワと浮かんでいるあなたの素敵な夢。言葉で形にしてあげませんか。