こんにちは。ゲンゴローです。
突然ですが、お金は好きですか?
僕は大好きです!預金通帳の額が増えているとついつい嬉しくなってしまいます。
でも、「お金とは何か」皆さんは説明できるでしょうか?
近年では、ビットコインの価格高騰やAIに資産運用させるロボアドバイザーなど、お金を取り巻く環境の変化を毎日のように感じます。
これからの時代、お金や経済はどうなるのか、自分たちはお金どのように関わっていくべきなのか、について知りたいと思い、『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』を手に取りました。
著者の佐藤航陽さんは、早稲田大学在学中に株式会社メタップスを設立し、オンライン決済事業や、有名人の時間を取引できる「タイムバンク」等、多分野にわたる事業で活躍されています。フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、AERA「日本を突破する100人」、30歳未満のアジアを代表する30人「Under 30 Asia」などに選出されていることからも、その類まれなる才能が伺えます。
また、前著『未来に先回りする思考法』も刺激的な内容で、常に勉強し続けることの重要性を学びました。これは現在の自分の行動原理の一つになっています。
美女読書でも紹介されているので、気になる方はチェックしてみてください。
今回は、本書で記されている「お金の正体」と「経済は今後どのように変化していくか」、そして変化の中で生き残っていくために必要な「価値を最大化する生き方」についてご紹介します。
お金の正体とは?
人々は物々交換の不便さを解消するため、「価値のやりとりを仲介するもの」としてお金を作りました。お金には価値の保存・尺度・交換の役割があり、世界最古のお金は貝殻とされています。
何かモノやサービスが必要となったとき、私たちはすぐにお金と交換することができます。しかしテクノロジーの進化によって、お金の価値は下がっていくと佐藤さんは予測しています。
既存の経済は、国家による中央集権から構成されていましたが、今日はスマホやブロックチェーンなどのIT技術により、個人や企業レベルでも独自の通貨を発行し、独自の経済圏を作り出すことが可能になっているからです。VALUやタイムバンクがわかりやすい例かと思います。
このような「分散化」が進むと、情報やモノの仲介だけでは価値を発揮できず、独自に価値を発揮する経済システムそのものを作る存在が大きな力を持つようになります。
本書ではこの動きを「経済の民主化」と言っています。今後、経済の民主化が進むと、既存のお金の価値は相対的に下がっていくと予想されるのです。
むしろ、どのように独自の経済圏を構築して運用していくかが、今後の世界を生きていく人々の課題となります。
あらゆる「価値」の最大化を目指そう
「価値」という言葉が出てきましたが、そこには複数の意味が混ざり合っています。
本書では「価値」を以下3つに分類しています。
①有効性としての価値
「役に立つか?」という観点から考えたもの。利用できる、儲かるなどの「リターン」を前提にしており、資本主義で使われている意味はこれを指します。
②内面的な価値
実生活に役に立つわけではないが、個人の内面にポジティブな効果を及ぼすもの。愛情・共感・興奮・好意・信頼など。
③社会的な価値
社会全体の持続性を高めるもの。慈善活動やNPOなど。
経済の民主化が進んだ世界では、今までは「お金にはならないけど、価値がある」と思われていたものが重要になります。つまり「内面的な価値」、「社会的な価値」が相対的に高まるということです。
今後の生存戦略として、私達はあらゆる「価値」を最大化しておく必要があります。なぜならお金は、価値を資本主義経済の中で使える形に交換したものであり、「価値を媒介する一つの選択肢」に過ぎないからです。
あらゆる価値を最大化しておけば、その価値はいつでもお金に返還することができ、お金以外のものにも交換することができるようになります。
「お金」から解放される生き方とは?
しかし、資本主義経済で生きていると、儲けを最優先に考えるようになってしまいます。特に就職が典型で、仕事内容よりも給与で会社を決めてしまう人も多いのではないでしょうか。
お金の相対的な価値が下がっていく中では、他人に伝えられるほどの熱量を持って取り組めることを探すべきだと佐藤さんは言います。
その人でなければならない、この人だからこそできる、といった独自性が、そのまま価値に繋がりやすくなっているからです。
私はとあるアーティストの大ファンなのですが、そのメンバーは他の誰にも代替の利くものではありません。その人でなくてはできない歌や演奏があります。だからこそ、高額のチケットであっても手に入れたいと思うし、そのアーティストの報酬が高額となることにも納得がいきます。
自分が「熱中できるもの」に取り組み、価値を生み出すことができれば、「お金」から解放された生き方を手に入れることができます。
「熱中できるもの」のみつけかた
では、どのようにすれば熱中できるものをみつけられるのでしょうか。
本書では、「一日中やっていても苦痛ではないこと」を探すのがよい」といいます。これはシンプルかつ非常にわかりやすい判断材料になるかと思います。中途半端に好きなことだと、一日中やるのもしんどくなってしまいますよね。
自分の日頃の生活を振り返ってみると、暇さえあれば本やインターネットの記事を読んでいます。自分以外の人間がどんなことを考えているのか、自分の知らない世界では何が起こっているのかに興味があるからです。
仕事でまとまった時間のとりにくい平日も、昼休み時間に数分で昼食を済ませ、残りの時間は読書やGoogleアラートで設定した関心のある分野のネット記事の確認に使っています。
本書を読みすすめていきながら、「自分は何がしたいかなー」と考えていました。そこでふと思いついたのが、「読書代行」です。
時間が無いけど本を読みたい人のために、代わりに自分が読み、要約+要点箇所に付箋をした書籍をお届けするというサービスです。
忙しさを言い訳にせず、一度立ち止まって自分のやりたいことについて見直す心のゆとりが必要だと感じました。
今日からできることは何か
本書を通して、IT技術の発展により資本主義から各人が経済を選択できる「価値主義」の世界へと進んでいくことがわかりました。
相対的にお金の価値は下がるため、ただお金を貰うためだけに、あくせく働いている場合ではありません。いかに「価値あることに時間を使うか」を自分で考え、実行していかなくてはなりません。
そのために、私は以下2点を心がけようと思います。
- 自分の価値を上げるために働く意識をつける。(稼ぐためだけの労働はしない)
- 熱中できること(一日中やっても飽きないこと)に·取り組む。
「稼ぐためだけの労働をしない? そんなの無理だ!」と感じる人もいると思います。もちろん「せざるを得ないこと」をいきなりなくすことはできないので、今ある仕事術で効率化することが必要です。
例えば、データ整理・書類作成など単純作業ばかりの仕事に就いている、という方は、エクセル仕事術を勉強することをオススメします。
私もこの本で学んだことを実施し、劇的に単純作業が効率化されました。ぜひ使ってみてください。
本書は、昨今の混沌とした世界に一筋の光を照らす、道しるべとなる一冊でした。金融を取り巻くIT技術に関心がある人、今の働き方に疑問を持っている人には特におすすめです。
そう遠くない「資本主義の次の世界」に備えて、今から準備しておきましょう。