鼻呼吸のメリットとは?最新科学による最高の呼吸法!

鼻呼吸のメリットとは?最新科学による最高の呼吸法!




 こんにちは。今年から研究者を名乗れるようになったUme(@ume_study)です。だいぶ遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。

 さっそくですが、「呼吸」にどのような役割があるか、考えたことはありますか?

 「そりゃあまあ、酸素取り込んで全身に送って…」と、基本的な知識は誰もが持っていると思います。食事はしなくても数週間死なないけど、呼吸は止めると数分で死んでしまう。食事にあたって健康的な食品を選ぼうとするように、呼吸もきれいな空気を吸うべき。これらもまた、誰もがわかっていることでしょう。

 では、「呼吸の量」についてはどうでしょう? というのが今回紹介する『トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法』のテーマとなります。

 食事に健康的な適正量があるように、呼吸にも科学的な「適正量」があるようです。(理想的な食事量については、前回の記事を参考に算出してみてください)

 本書の著者は「たいていの人は自分でも気付かないうちに、適正量の2倍か3倍は呼吸している」と述べています。別に呼吸を多めにしたからって何が問題なんだ? と思われるかもしれませんが、呼吸過多は

  • 集中力の低下
  • 肥満
  • 睡眠の質の低下
  • 心臓病

などの原因になっているそうなのです。

 ではなぜ、多くの人が呼吸過多になっていまうのか。それは「口呼吸」が増えたからです。

 近年では食生活の変化などの影響で、現代人は口呼吸が常習化しているといいます。みなさんも知らず知らずのうちに、口呼吸をしていませんか?

 今回は、「自分は呼吸過多なのか診断」「呼吸を変えるべき理由」「呼吸を変える方法」の順に見ていきたいと思います。もちろん僕の大好きな科学的根拠付きで。

 本書はすべて科学的根拠が明確に書かれていたので、とても信頼性の高い内容になっていると思います。もしかしたら皆さんが疲れやすいのも、集中力が続かないのも、運動が苦手なのも「呼吸過多」のせいかもしれませんよ?

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自分は呼吸過多か調べてみよう!

 それでは最初に「体内酸素レベルテスト(BOLT)」のスコアを測ってみましょう。これが正常であれば、この記事は読まなくても大丈夫です。

 携帯のストップウォッチを準備してください。

  1. 鼻から普通に息を吸い、鼻から息を吐く
  2. 鼻をつまむ
  3. そのままの状態で「息をしたい」という欲求を最初に感じるまでの時間を計る
  4. 欲求を感じた時点でストップウォッチをストップ

 一緒にやってみましょう・・・どうぞ。

 ・・・

 どうだったでしょうか。

 アスリートも含めて、大半の人は20秒前後になるといいます。また、20秒以下もかなりいるとか。

 では、理想的なスコアはいくつだと思いますか?

 運動生理学において「健康的な人であればだいたい40秒」とされています。

 40秒もできた人なんているんでしょうか・・・?(笑)

 僕は25秒で息したくなりましたorz

 このBOLTスコアが5秒伸びるごとに、パフォーマンスも向上するようです。パフォーマンスというのは運動に限ったものではありません。学生や社会人に必要なものも数多く紹介されているので、順に見ていきましょう。



呼吸法を変えれば人生が変わる!

 冒頭で書いたように、呼吸過多の諸悪の根源は口呼吸です。ということは鼻呼吸を習慣にし直せばよいわけです。

 呼吸過多は、体内の酸素と二酸化炭素のバランスを崩し、血管にも影響を及ぼすようです。たとえば口呼吸を2分するだけで、血管の内径が半分程度になってしまうことが分かっています。血管の断面積が1/4になるため、流れる血液も1/4に減少してしまいます。そのため眠っているときに口呼吸をしている人は、起きてから2~3時間は元気がでない傾向があるんだとか。

 また、常に口呼吸の人は疲労感、集中力の低下、不機嫌などの症状があることが、研究によって分かっています。呼吸量が増えることで、常に酸化ストレスに晒されているために起こるようです。

 著者は計39ページもある出典リストを使い、鼻呼吸にすることのメリットを挙げています。

  • 疲れにくくなる
  • 集中力が長く保てる
  • 心臓が強化される
  • ぜんそくが治る
  • 体重が減る(運動効率が上がるため)
  • 脳卒中を防ぐ
  • 睡眠の質が上がる
  • 高地トレーニングと似た効果が得られる(鼻呼吸で運動した場合)
  • 顔が正常に発育する(口呼吸の子供は歯並びが悪くなるなど)

 細かい出典元は、下記リンクからpdfで見ることができるので、気になる方はチェックしてみて下さい。
https://kanki-pub.co.jp/pages/oxygen_notes/

最高の呼吸法を身につけるために

 さて、BOLTスコアが40秒以下だった人はどうすればいいのでしょうか。もちろんこのスコアを40秒に近づけていくべきですよね。

 本書では章ごとに、いくつものエクササイズ方法が載っています。その中から、取り組みやすいものを2つご紹介したいと思います。

①口にテープ

 これは著者が数千人ものクライアントに勧めている方法で、睡眠の質を上げるために、口にテープを貼って寝るというシンプルなものです。もちろん肌荒れなどの防止のために、低アレルギー性のものを使用しましょう。

 ちなみに著者がオススメしているのはこちらの商品。これを口に交差するように貼って寝るだけで、睡眠が劇的に改善し、起きたとき頭がすっきりするそうですよ。

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②瞑想

 なんと呼吸法の本で、以前の記事で書いた「瞑想」が勧められていました。瞑想は理想的な呼吸を作り、集中状態に導く効果があるそうです。

 ↑こちらの記事に本書の内容を補足すると、アメリカ海兵隊で行われた実験では、瞑想によって睡眠の質が向上し、ストレスが減り、訓練後の心拍数と呼吸の回復が早まったそうです。また、別の研究でも脳の灰白質が増加し、情報処理能力が上がることが分かっています。

 「一分間瞑想法」で取り上げた「呼吸瞑想」とやり方は同じ。鼻で呼吸しつつ腹式呼吸を意識します。

 著者は「大切なのは普段の生活の中で、呼吸に意識が向く回数を増やすこと」と述べています。普段から呼吸を意識するためにも瞑想するべきというわけですね。

 巻末にはBOLTスコア別エクササイズも載っているので、気になる方はぜひ手にとってみて下さい。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 次回こそ更新早めを目指して頑張ります! ではまた。

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