あなたはどんな時に緊張しますか?
こんにちは。前回、呼吸法の記事を書いて以降、口にテープを貼って寝ているUmeです。
今回のテーマは健康ではなく、みんな大好き「心理学」。僕もtwitterでよく取り上げている話題です。
その心理学分野から「緊張」に関する本を1冊ご紹介したいと思います。
皆さんは、日常生活の中でどのくらい「緊張する」場面に出くわしていますか?
- 定期テストや大学入試、資格試験など勉強の成果を発揮するとき。
- 面接やスピーチ、プレゼンなど人前で意見を発表するとき。
- 好きな人と初めてデートするとき。
プレッシャーに負けてしくじった…という経験もあれば、思い出すたび、胃が痛くなる人もいるかもしれません。僕はこのタイプです(笑)
大切な場面で、緊張することなくいつも通りの自分が出せたら、もっと堂々とできたら…そう考える人は多いと思います。
そんな悩みを心理学で解決するのが、今回紹介する『人前で緊張しない人はウラで「ズルいこと」やっていた』です。
本書では、心理学に基づいて緊張に打ち勝つための方法が49個も紹介されています。
今回はその中から、「なぜ緊張するのか」「緊張を攻略する方法」「緊張を力に変える方法」に分けてご紹介しようと思います。
もちろんいつものように、僕の大好きな科学的根拠付きで(笑)
なぜ私たちは緊張してしまうのか?
まず緊張してしまう理由を考えてみましょう。冒頭で述べた例(入試、スピーチ、デートetc…)に共通していることは何でしょう?
この試験の結果で同級生や先生から褒められるor残念がられる、結婚式のスピーチで噛んだり震え声になるわけにはいかない、この子の前では良いところを見せなきゃ、などなど、そこには「他の人が自分に注目している」という思い込みと「失敗したら恥ずかしい」という心理があります。
しかし、これは「スポットライト効果」と呼ばれる錯覚なんだとか。
それを裏付けする、コーネル大学の研究があります。
大学生に恥ずかしい柄のTシャツを着せて、キャンパス内を歩いてもらいます。その間大学生は、通り過ぎた約50%の人が、Tシャツに注目していたと感じていました。しかしこっそり尾行して、通り過ぎた人に確認してみたところ、実際は24%の人しかTシャツには気づいていなかったのです。
つまり他人からの興味は、自分が想像してるよりも少ないということです。髪型や手の震え、ネクタイの色…気にしているのは自分だけかもしれません。
では、この思い込みに打ち勝つにはどうすればいいのでしょうか?
緊張をとるマインドの作り方
よくある自己啓発本では「どうでもいいことを心配したってしょうがない」と書かれています。しかし「心配するな」と言われても「はい、そうですか」と簡単に実行することはできませんよね。むしろ「心配するな」と言われると、かえって「心配になってくる」という人も多いと思います。
実際、米国ヴァージニア大学の研究では、大学生を使った実験で「リラックスしてください」と命じられると、かえってリラックスできなくなることが分かっています。自分に言い聞かせる自己暗示は、意味ないどころか逆効果のようです。
それではどうやって自分の心を整えれば良いのでしょう。その方法として、使いやすいなと思った2つをご紹介します。
①医者のようになりきれ
お医者さんが患者を診察する時は、感情を一切持ち込みません。患者さんに会うたびにいちいち「この人苦手だな」「こんな美人さんと結婚したいな」などと思いを巡らせていては仕事にならないからです。(たまには考えるかもしれませんが)
お医者さんはあくまでも病気の原因について焦点を絞って接しているので、「感情的な疲労」は少なく済ますことができるのです。
たとえばペンシルベニア大学が行ったウェイトレスや秘書を国際比較した調査によると、アメリカ人は特に「笑顔で接しなければいけない」という意識が強く、仕事でストレスを感じやすいことがわかっています。一方、フランスではどのようなルールがないためストレスを感じることが少ないそうです。
あくまでビジネス、事務作業だと考えるようにすれば、感情的な疲労を減らすことができます。緊張を感じたときは、お医者さんになりきってみてはいかがでしょう?
②統計の勉強をする
ブリティッシュ・コロンビア大学マーク・シャラーは、誤った思い込みや偏見、信念を打ち砕くとっておきの方法として「統計の勉強」をすることを挙げています。統計やデータを調べることで、客観的な判断ができるようになるからです。
例えば、みんなスピーチが堂々とできてすごいと思っていても、調べてみると実際は、大半の人がスピーチに自信がなかったり、1/3の人は性格が内向的だったりします。
心理学も、その多くは統計をもとにしたものなので相性が良いはずです。さきほどの「スポットライト効果」もそのひとつですね!
「自分だけが~」という思い込みを消すために、勉強してみてはいかがでしょうか。統計的な思考をもてば、あなたの悩みの種も消えるかもしれません。
緊張を力に変えるテクニック
最後に、緊張を消すのではなく、逆に利用するテクニックを見てみましょう。
先ほど「心配するな」の自己暗示は逆効果という実験を紹介しました。ハーバード・ビジネス・スクールのアリソン・ブルックスは、緊張したら「ワクワクしてきたぞ」と言い聞かせるべきだと、実験で明らかにしています。
実験参加者(大学生たち)に採点機能付きのカラオケで歌ってもらったところ、次のような結果が出ました。
- 「落ち着け」と自分に言い聞かせたグループ:平均59.98点
- 「ワクワクしてきたぞ」と自分に言い聞かせたグループ:平均80.52点
- 自分との会話なしグループ:平均69.27点
点数を見ると、先ほどの実験結果と同様に、「落ち着け」という自己暗示は裏目に出ています。一方「ワクワクしてきたぞ」と言い聞かせたグループは、本番に強くなっています。
確かに僕も、大学受験の際に「緊張を楽しめ」と教わった記憶があります。科学的にも正しいアドバイスだったようです(笑)
要するに心臓のドキドキをどう解釈するかは自分次第で決められるというわけですね。ドキドキを恋と勘違いするという「つり橋効果」の原理とも似ています。
この記事内でご紹介した内容は、49個の心理術の内のほんの一部です。緊張に弱いと思う方は、勝負本番前にぜひ読んでみてください。
僕も研究メンバーとの顔合わせの前に、もう一度読みなおそうと思います(笑)
それでは次の記事でお会いしましょう。