何日続ければ「習慣」になるの?
今年も残りわずか。新年に向けて抱負や目標を立て、新しい「習慣」を身につけようと考えている人も多いのではないでしょうか。
来年こそは、早起きして朝活しよう、英語を身に付けよう、ジムに通ってダイエットしようのように。
でも、ほとんどの人はなかなか「習慣化」ができずに三日坊主で終わってしまうもの。果たして習慣とは、どれくらい時間をかければ身につくものなのでしょうか。
よく聞くのは「21日(つまり三週間)」という数字。21日間連続して続ければ、どんな行いも習慣にできるという主張です。しかし、例えば「毎朝起床後に水を飲む」と、「毎朝5kmランニングをする」のように、明らかに難易度の異なる習慣も同様に考えていいものなのでしょうか。
本書『良い習慣、悪い習慣』は、巷で言われているこの「21日間」という数字が、科学的な根拠に欠ける「楽観的」な考え方であると指摘し、習慣の内容によって所要時間に大きな差が出ることを説いています。
また、数々の実験を通して、実際に習慣を身につけるために理解すべき脳のメカニズムを解明しています。
習慣の3つの特徴
では、どうすれば新しい習慣を身に付け、悪い習慣を脱することができるのでしょうか。それを知るには、まず習慣のもつ3つの特徴を理解する必要があります。
1、習慣は脳ではほとんど意識されない。
1つ目は、「習慣的な行動は意識しないで自然にできる」ということ。これは「習慣の大きな利点の一つである」と著者は言います。
習慣のおかげで、意味のない繰り返し作業を無意識のうちに片づけながら、意識の部分を自由に働かせることができるのだ。習慣は私たちを「決断疲れ」から守ってくれる。
つまり、習慣化によって、脳で「決断」する労力が減り、意思決定に必要な精神力の消耗を抑えることができるのです。そしてこの余力が、他の思考の処理能力を広げることにつながります。
2、習慣は無感情のうちに行われる。
2つ目は、習慣的な行いは「感情反応をほとんど引き起こさない」ということ。これは何度も繰り返すうちに慣れていってしまい、感情的な色合いが失われていくからです。
例えば早起きのように苦痛と感じられる行動でも、繰り返すに連れて苦痛の度合いは減少していきます。
習慣を実行しているときのほうが、習慣的でない行動に比べて感情の変化が少なかったのである。さらに、習慣を実行しているときのほうが、行動内容とは関係のない感情を経験しやすかった。
一度習慣化してしまえば、かつて苦痛と思われたことを苦痛と感じなくなり、その分、他の行動について感情を経験しやすくなります。
3、習慣は当たり前すぎて気づかない。
3つ目は、それが習慣なのかどうか「当たり前すぎて気づかないことが多い」という点です。
私たちはコンテクストが同じなら同じ行動をとる傾向がある。そもそも習慣が築かれるのは、一つにはこの状況と行動の結びつきのせいである。
「通勤電車ではいつも同じ車両に乗ってしまう」「会社の近くにあるコンビニで毎朝同じコーヒーを買ってしまう」のように、同様のコンテクストにおいて人は、無意識のうちに過去の行動パターンを思い出し、自動的に同じ行動をとってしまうのです。
こうした習慣の特徴を理解することで、どのように習慣とつきあい、操縦すればもっと創造的、生産的な生活を実現できるのかが見えてきます。
「良い習慣」のつくり方、「悪い習慣」のなくし方について具体的に語られた本書は、年末年始に読みたいオススメの一冊です。
モデルプロフィール
・名前 :雨宮 麻優子
・生年月日 :1991.07.10
・出身 :神奈川県
・職業 :看護師
・将来の夢 :2025年問題に向けて自分にできることをやり尽くすこと。二郎ラーメンを食べ尽くすこと。
ご協力いただいたお店
・店名 :ura庭
・住所 :渋谷区宇田川町30-2 3F
・TEL :03-6455-1454
・営業時間:日~木 12:00~23:00
金土祝前 12:00~28:00
・定休日 :無