成功する起業家のビジネスの作り方とは?
2014年、もっとも刺激的で影響を受けた一冊と言えるのが本書『ゼロ・トゥ・ワン』。
ペイパルの共同創業者であり、現在はエンジェル投資家のピーター・ティールが、スタンフォード大学の学生向けに行った「起業論」の講義をまとめた一冊です。
Facebookの最初の外部投資家であり、「ジョブズを超える起業家」と言われるイーロン・マスクの宇宙ロケット開発事業にも出資するなど、数多くの顔を持つティール。彼の起業論は極めて本質的で、新しい気づきと刺激に満ちています。
その中でも特に興味深いのは、独占はすべての成功企業の条件」という視点です。
「独占企業」が世界を進歩させる。
ここでいう「独占」とは、もちろん独占禁止法に抵触するような、他社を不当に妨害するものではありません。
通常、経済学の教科書では「独占市場」とは反対の概念、「完全競争市場」が理想的な状態とされています。
つまり「需要と供給が一致し、均衡状態に達した市場」です。
しかしティールは、「経済理論が完全競争の均衡状態を理想とするのは、モデル化が簡単だからであって、それがビジネスにとって最善だからじゃない」と喝破し、独占の重要性を強調します。
完全競争下では市場が価格を決定するため「長期的に利益を出す企業」は存在しません。一方、独占企業は市場を支配しているため、自由に価格を設定でき、利益の最大化を測ることができます。
また、競争市場では企業は目先の利益を追うのに精一杯で、長期的な未来に備える余裕がありませんが、独占企業はライバルを気にする必要がないため、社員やプロダクトや広い社会への影響を考える余裕があると言います。
こうした「クリエイティブな独占企業」を立ち上げ、社会を進化させることが、これからの起業家に求められることだというのがティールの考えです。
「独占企業」と言う場合、それは他社とは替えがきかないほど、そのビジネスに優れた企業という意味だ。
独占市場はどうやって見つける?
では、どのようにして独占市場を見極めればよいのでしょうか。その際、ティールが重視しているのが次の質問です。
「世界に関する命題のうち、多くの人が真でないとしているが、君が真だと考えているものは何か?」
これは、日本のスタートアップにありがちな「アメリカで流行っているテーマの焼き直しを日本向けにアレンジする」とか、「ソーシャルゲームやバイラルメディアが盛り上がっていると知れば、先行プレーヤーをまねて同じようなサービスが乱立する」といった状況とは本質的に異なる、新しい起業の視点を与えてくれる質問です。
端的に言えば、「多くの人が真としていること」の逆にある「隠れた真実」にこそ、独占市場を築くためのヒントが埋まっているということです。
儲かりそうな市場に群がるように参入する起業ではなく、新しいテクノロジーによってゼロをイチにし、社会を前進させるための起業–その意義を強く感じさせてくれる本書は、起業家や起業を志す全ての人に読んでいただきたい一冊です。
モデルプロフィール
・名前 :RIONA
・生年月日 :1994.12.26
・出身 :東京
・職業 :イベントコンパニオン、モデル
・将来の夢 :モデルか英語を使う仕事
・Twitter :@lololorio
ご協力いただいたお店
・店名 :ヤッファ オーガニックカフェ
・住所 :渋谷区渋谷3-27-5 東急ステイ渋谷新南口別館1F
・TEL :03-6427-9988
・営業時間:11:30~23:00
・定休日 :不定休