こんにちは。読書家のわっくんです。
本日は高校時代に最高偏差値95を出し、京大に現役でトップ合格された著者、粂原圭太郎(くめはら けいたろう)さんの書籍をご紹介致します。
粂原さんは1991年生まれで、中学時代から「勉強法」「記憶術」などに興味を持ち、1,000冊以上の関連書籍を読まれてきたそうです。大学在学中に「勉強革命.com」を運営し、現在はオンライン学習指導塾「粂原学園」で、小学生から高校生まで全国各地の受験生を指導されています。
私は1992年生まれで1つしか歳が違わないことや、読書好きなところに親近感が沸き、本書を取り上げさせていただきました。
突然ですが、みなさんは普段どのようにして本を読んでいますか?
はじめは読む気満々で本を購入するものの、時間がなかったり、意外と内容が難しかったりして、途中で挫折してしまうことが多いのではないでしょか。私もそのような経験をしたのは一度や二度ではないです。
今回は「学習法のプロが実践している読書術」を学ぶことができます。私が試して効果的だったものを3つピックアップしました。早速その内容を見ていきましょう。
1.無理に全部頭から読まない
時間に追われるように働くビジネスパーソンにとって、読書の時間を確保することは容易ではないでしょう。
私の場合は通勤電車の中とランチを取るお店を書斎代わりにして本を読んでいますが、実は3分や5分、もっと言うと10秒程度でも、本から知識を得ることは可能だと粂原さんは言います。
本当にちょっとした時間で本を読むことができる。その方法が本書では紹介されているのです。
それは「メンタルブロックを外す」という方法です。メンタルブロックとは、人が何かアクションを起こす時に「これはできない」「もうだめ、無理だ」と自分で思い込みの壁をつくってしまうことをいいます。誰でも持っていますが、特に固定観念の強い人はこのブロックの壁が高く、なかなかチャレンジできなかったりします。
本書を読んでいてドキッとした質問がありました。
「あなたは、10秒で本が読めますか?」
かなりハードルが高い質問ですが、みなさんはどうでしょうか。多くの人が「10秒じゃ無理だよ!」と答えるのではないでしょうか。私もさすがに10秒しかなかったら、まともに本なんて読めやしないと弱気になりました。
しかし、著者の粂原圭太郎さんは10秒でも、30秒でも時間があれば、本から情報を入手することができると言います。これはなにも「10秒で本を全部読んで、全部を理解しましょう」と言っているわけではありません。
10秒あれば、要点を抜き出したハイライトや太文字1本くらいは頭に入れることができるということです。これを「読書」と呼べるかどうかは別として、短時間で情報を入手することはできるのです。
多くの人は「今から10秒、出かける前に30秒の時間、本を読もう」と思わないでしょう。私は今でこそ、出かける前に2、3分でも時間があれば、ちょっとした本を開くようになりましたが、以前はそのような習慣はありませんでした。
ここでのポイントは2つあります。
- 10秒30秒という極端に短い時間でも、それなりに情報をゲットできる
- たとえ短い時間でも、読書だけではなく、色々なことができることを知る
読書をすることを目的とし、メンタルブロックを外すことができれば、読書以外にも役立つことはたくさんあります。どんなに短い時間でも無駄にせず、自分のために役立てること。本書の読書法を通じてそれを学ぶことができます。
2.読書で「狭く、深く」を極める
京大生には、広く浅くというよりも「狭く、深く」学ぶという特徴があるようです。粂原さんは京大と東大の入試の違いを次のように説明しています。
京大入試の英語と東大の英語を比較してみると、その違いをはっきりみてとれます。東大の受験問題は、問題の分量が非常に多く、素早く処理をしていきなさいというものです。一方、京大の受験問題は、暗記問題より頭を使って考えさせるものが多く、時間はたっぷりあるので、しっかり考えてくださいというものです。
だから、ただ単に知識を暗記していてもダメで、その知識をどのように応用し、自分なりの答えを導くかということが求められます。基礎知識から発想力を使い、読み解いていく問題が多いのです。
読書においては、たとえ狭く、深く読んでいくのが大事だといっても、最初は入門書から読んでいくことがセオリーだそうです。
身近な例をあげると、スティーブン・R・コヴィー氏の『7つの習慣』や、トマ・ピケティ氏の『21世紀の資本』のような骨太のビジネス書は、わかりやすく解説された入門書やマンガ版が書店に並んでいますね。
京大読書術では、入門書を広く浅く読んでいく中で、自分の中に引っかかるもの、気になるものがあれば、そこで終わりにせず突き詰めていくことが大切だと述べています。このような性質が、京大生の多くに共通している性質だそうです。
一旦気になるジャンルを見つけたら、徹底的に調べていきます。1冊にとどまらず類書を読んでいくと、今まで平面的にしか見えていなかったものが、段々と立体化されてくるのです。浅い知識から、深い知識へと変化していきます。(中略)
京大式の「狭く深い」知識は、さらに多くの深い知識を呼んできます。一度1つの分野を極めると、その掘り下げ方がわかります。1つの分野から学んだ掘り下げ方を、他の分野にも適応すればいいのです。そうすることで、どんな分野でも知識を深めることができます。
たしかに私も、自社の製品知識を1つでも深く掘り下げて身につけることができると、他の製品の学習も捗るようになりました。
何か新しいことを学ぶ際は、まずテーマを絞って「狭く、深く」極めることが早く成長するコツのようです。
3.今ある問題点を考えながら読み込む
読書をする上で重要なことの1つに、常に疑問を持ち、立ち止まる習慣をつけるというものがあります。
いくら多くの本を読んだとしても、単に情報を吸収するという意識だけでは、内容を暗記するだけの作業になってしまい、読書本来の効果が期待できません。読書本来の効果とは、読書を通じて、新たな情報や発見を見出すことです。
たとえば、問題解決の本を読むとしましょう。ある本では、次のようなことが説明されています。
基本的に、問題を解決する際には、❶問題が何かを洗い出し、❷現状を把握することからはじめます。次に、❸どのような改善をしたいのかを考え、❹その目標を設定します。そして❺真因を考え、❻対策計画を立てます。さらに❼対策を実施し、❽効果を確認します。
このサイクルを定着させることが「問題解決の8ステップ」と言われています。情報収集だけを考えれば、このまま受け止めればよいかもしれません。しかし、実際に使えるメソッドとして自分の血肉にするには、これだけでは不十分だと著者は言います。
詰め込むだけの読書法では、その知識をいつ使うことができるのか、今ある問題点を解消できるものなのかということはわからないからです。だからこそ、今ある実際の問題を読書内容に当てはめながら読んでいくことが大切です。
よく、「私は本を読むスピードが早い」「1日に10冊以上読むことができる」などと自慢する人がいます。それはたしかにすごいことで、使い方を間違えなければ有用な能力です。しかし、どんな本でも同じような読み方をしてしまったら、それぞれの本から得られる効果を最大化することはできません。今すぐ必要な実務的なメソッドを手に入れるためには、活用できる情報として入手することが重要なのです。
おわりに
京大読書術の根底に流れているのは「精読の技術」であることに気づきました。1冊の本を熟読した方が確実に自分のスキルになります。そのような読み方をしていると多くの本は読めませんが、粂原さんは無理に多読する必要はないとおっしゃっています。
同じ本を何度も繰り返し読んだり、これまで読んできた内容を振り返ったりすることで本当の実力をつけることができます。最後に私がとても共感した文章を引用します。
たとえばあなたが、有名人と会って話したいと思っても、なかなか現実にするのは難しいと思います。しかし、本があればそれは可能です。会って話すよりもはるかに、その人が考えていることがわかるかもしれません。本があれば、亡くなった偉人と話すことだって可能です。当時彼らがどんなことを考え、何を思って時代を生きていたのか。本は、たくさんのすごい人たちと会話するようなものなのです。
みなさんも、京大読書術を参考にして、普段なかなか会うことができない「著名人」との会話を楽しんでみてはいかがでしょうか。