仕事がデキる人の「努力」の仕方とは?「残業=努力」ではない

仕事がデキる人の「努力」の仕方とは?「残業=努力」ではない






「いい努力」と「悪い努力」の違いとは?

 努力は素晴らしいものだと決めつけ、その「質」について考えない人は、次のような働き方をしてしまいがちです。

  • 「残業=努力」と思い込んで働く
  • とにかく終わるまで働く
  • つねに細部まで100点を目指す
  • 「指示=目的」と表面的に捉えて動く
  • すべての課題に取り組もうとする

 しかし努力には「いい努力」と「悪い努力」があり、かけた時間や労力を顧みることなくする努力は「いい努力」とはいえません。

 とくに「遅くまで残業してギリギリまで粘って取り組まないのは、努力不足だ」とか、「1分、1時間でも長く時間をかければ、よりよい仕事になるはずだ」といった発想は、ブラック労働にもつながる排除すべき考えです。

 では「いい努力」とはどんな努力なのか、どうすれば「悪い努力」を排除することができるのか。この点について語られているのが、『マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力』です。

 本書は、マッキンゼーで25年間コンサルタントとして働き、多くの経営者のアドバイザーを務めてきた著者が、自身の経験から学んだ「いい努力」と「悪い努力」の違いについて解説しています。

 同じ時間と労力をかけるのであれば、すべて「いい努力」に転換できた方がいいのは言うまでもありません。

 無意識のうちに時間を費やしてしまっている「悪い努力」を排除して、時間と能力を最大限に活かすための仕事の仕方を考えましょう。

「いい努力」の7つのポイント

 本書は冒頭で、「いい努力」のポイントとして次の7つを挙げています。

①「成果」につながるもの

 努力をしても、それが成果につながらなければ意味がありません。何の成果にも結びつかない努力は単なる趣味の延長に過ぎず、「いい努力」と呼べないのは当然でしょう。

 また成果に結びついたとしても、労力と時間に見合わないようであれば、それも「悪い努力」です。

 たとえば資料を作ったり、会議をしたりすると仕事をしている気になりますが、それが成果につながるものでなければ時間のムダ。「悪い努力」の典型です。

 個人や社内の自己満足に終わるのではなく、きちんと成果に結びつく努力かどうか常に意識することが重要です。

②「目的」が明確なもの

 成果を出すためには、当然「何が成果なのか」を決めなければなりません。

 つまり「自分は何のために努力をするのか?」と目的を明確にすることが重要です。

 目的が曖昧なままでする努力は「いい努力」にはなりませんし、やがて「悪い努力」にぶれていくことになるので注意が必要です。



③「時間軸」を的確に意識しているもの

 「いい努力」をするためには、「いつまでに」という期限を設ける必要があります。

 一ヶ月以内に達成すべき目的なのか、一年以内に達成すべき目的なのかによって「いい努力」の内容は変わってくるからです。

 目的の達成に期限を設けていない努力は、「いい努力」にはなりません。

④「生産性」が高いもの

 「成果は出たけど、そのために膨大な時間と労力を費やして、割に合わなくなってしまった」というのも「いい努力」とは言えません。

 同じ成果を上げるのであれば、かかる時間やコストは小さい方が望ましいのは当然のこと。より短い時間と小さな労力で、高い成果を出せるように努力することが重要です。

 生産性の高め方についてはこちらの記事を参考にしてください。

⑤「充実感」を伴うもの

 この点は意外と意識できていない人が多いのではないでしょうか。

 「いい努力」をしている最中は、手応えを感じながら進んでいる状態になるので、フラストレーションや挫折感を感じることが少なくなります。

 そのためまだ成果が見えていない段階でも、高揚感や充実感が生まれてきます。

 逆に言うと「悪い努力」の場合は、やってもムダなことをしたり、本当は必要のないことにエネルギーを費やしたりしているように感じてしまい、ネガティブな感情が生じやすくなります。

 つまり努力している時に、充実感を得られないようであれば、それは「いい努力」とは言えない可能性があるということです。

 ①〜⑤がすべて達成できていれば、充実感を伴う「いい努力」ができるはず。努力することにストレスを感じるようであれば、①〜⑤がちゃんと実践できているか、一度立ち止まって確認してみましょう。

⑥「成功パターン」が得られるもの

 努力によって高い成果が出せれば、それを一度きりで終わらせずに、パターン化することが重要です。

 「高い成果を出すには、このパターンの努力がいい」ということが分かるようになると、成功する確率を高めることができます。

 「いい努力」をすればするほど、その蓄積によってたくさんの成功パターンを会得でき、さらに「いい努力」ができるようになっていきます。

 そのためには、自分自身の経験だけではなく、うまくいっている人から学んでマネをするなど、貪欲に成功パターンを増やしていくことも重要です。

⑦「成長」を伴うもの

 「いい努力」をすれば、高い成果が出せるとともに「成長」という副産物がついてきます。

 明確な目的に向かって、期限を意識し、生産性を高める「いい努力」をすれば、自分自身だけでなく、まわりの環境も進化、成長します。

 「いい努力」によって高い成果を出せたときは、謙遜することなく、自分の「成長」を実感するようにしましょう。

 成長した人が進化した環境で働けば、さらに高い成果を上げられるようになり、成長の好循環が生まれるようになります。

まとめ

 7つのポイントは、言われてみれば当たり前と感じるかもしれません。しかしこれらのポイントを全て押さえた努力ができている人は少ないはずです。

 「今、自分はがんばっている」「努力している」と思ったときに、ちゃんとこれらのポイントを満たせているかどうか、たまに立ち止まって確認してみてください。

 もしかしたら、気づかないうちに「悪い努力(=ムダな努力)」に時間を費やしてしまっているかもしれません。

 そうして意識していくことで、「いい努力」を習慣化できるようになっていきます。

 尚、ここで紹介したポイントは、あくまで本書の冒頭で簡易的にまとめられているものに過ぎず、メインはこれを踏まえた上で語られる、さまざまなシーンにおける「いい努力」「悪い努力」についてです。

 さまざまな仕事のシーンにおける、具体的な「いい努力」の仕方について知りたい人は、ぜひ読んでみてください。

モデルプロフィール

・名前     :新藤まなみ
・生年月日   :1992.7.25
・出身     :東京都
・職業     :モデル、女優
・Twitter   :@nozomiota

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