「安泰だと思っている瞬間こそが、実は一番大きな危険にさらされている可能性が高い」ーーニューヨークに本社を置く世界有数の経済誌『Forbes』が絶賛した若手起業家、テイラー・ピアソン氏の言葉です。
ピアソン氏はこの状況について、著書『THE END OF JOBS 僕たちの20年戦略』で実在の人物を例に挙げながら説明しています。
大手企業で経理の仕事を続けていたマックス氏の仕事は、表計算ソフトでの集計作業も多く、確定申告前の繁忙期には週に80時間以上働いていました。長く安定的に収入を得ているマックス氏は、「自分は価値のある仕事をしている」と考えていましたが、ある日人事部からとある通知を受け取ります。
マックス様
あなたのポジションは、今後マリッサが担当することになります。マリッサはロンドン大学を卒業したフィリピン人で、フィリピン在住です。あなたとまったく同じ仕事を、時給10ドルで喜んで引き受けてくれました。
人事部担当者
同じことが専門家の仕事でも起きています。1869年に設立された世界有数の金融グループであるゴールドマンサックスでは、2000年にニューヨーク本社にいた600人のトレーダーたちが、2017年にはわずか2人にまで激減しました。代わりは、200人のコンピューターエンジニアが運用している自動株取引プログラムです。
グローバル化の影響だけでなく、人工知能(AI)やロボティクスの発展により、私たちの仕事は一夜にしてこの世からなくなる可能性があるのです…。
こんにちは。フリーランスとして6年目に突入した米田です。私は大手生保の関連子会社という一見安泰そうな企業で働いたのち、中小企業に転職して30歳を超えて独立しました。当時から会社勤めに漠然とした不安を感じていましたが、まさか自分が独立するとは夢にも思っていませんでした。
様々な偶然と事情が重なって、意図せず独立という形をとることなり、それから約6年。どうにかやってきていますが、恥ずかしながらアルバイトをしてしのいだ時期もあります。その原因は、戦略も戦術も準備もすべてが足りなかったからです。
本書には、そんな会社勤めに漠然とした不安を抱えながらもなかなか行動できなかった6年前の自分に、ぜひ伝えたい内容があったのでココで紹介させてください。
それが「段階的起業法」(ステアステップ・メソッド)です。
これはフルタイムで仕事をしている人が、失敗することなく、スムーズに段階を踏んでビジネスを大きくする方法です。このあと詳しくお伝えしますが、その前に、独立を考えている人にぜひ知っておいてほしいことがあります。
それは「自分の人生をテストに使わないでください」ということです。すでに新しいルールの下で成功している人たちがいますから、ぜひそこから学びを得て、実践するようにしてください。
先人たちから学ぼうとせず、闇雲に手を出した結果、ほんとに大変なことになった人をたくさん見てきましたし、自分もそうだったので。。
段階的起業法(ステアステップ・メソッド)とは?
本書で紹介されている起業法は、起業家向けポッドキャストを運営しているロブ・ウォーリングが提唱する「ステアステップ・フレームワーク」です。
シンプルな3つのステップを踏むことで、誰もが無理なく起業家としての働き方を手に入れることができます。
ステップ1:ニッチな市場で1種類の製品を売る。
最初のステップは、売り切りの製品を一つのマーケティング・チャネル(SEO、有料広告、ブログ、アマゾンなど)で売ることです。
競争があまり厳しくない小さな環境であれば、いきなり大きなリスクをとる必要はないので、元の仕事をしながらでも始めることができます。ある程度の経験と自信を得たら、起業家の人脈を広げ、スキルを高めていきましょう。
売上のある製品を一つ手に入れることができれば、リスクを押さえた上で段階的に起業へのステップを上がることができます。
ステップ2:品数を増やして売上を増やす。
次に、ステップ1で手に入れた「売上のある製品」の品数を増やし、売上を増やすことを目指します。
この過程では、外注に依頼するコツを学んでいきます。ビジネスを経営することへの自信が深まっていくと、起業に対する不安も払拭されていくでしょう。
ここがうまくいけば、仕事を辞めてフルタイムのビジネスへ移行するステップが見えてきます。
ステップ3:フルタイムのビジネスに移行する。
「雇われ仕事」の合間に作業していた状態から、いよいよ自分のビジネスに専念するフェーズです。
フルタイムに移行し、時間という大きな資源を手に入れれば、これまでよりもスケールの大きなビジネスに取り組むことができます。(例えばSaaS型ビジネスやeコマース事業、会員制サイトなど)
以上、まとめると、最初は夜や週末の時間を使って、一つのチャネルで一つの製品を売ることから始め、一つずつ売上の立つ製品を増やしていきながら、段階的にフルタイムの起業家へ移行する、というのが「ステアステップ・メソッド」です。
本書には豊富な事例が掲載されているので、ぜひ参考にしてみてください。
世界の成功法則が変わった?
著者は「技術やグローバル化の急速な進化によって、豊かさや自由、有意義な人生を手に入れるための成功法則は変わった」と言います。
2017年11月21日の衝撃的なニュースは覚えていますか? DMM.comが70億で質屋アプリ「CASH(キャッシュ)」の運営会社を買収したのです。驚くべきは、CASHは同年6月28日にサービスをローンチするもあまりの話題性にわずか16時間でサービスを停止し、約2か月後の8月24日にサービスを再開したばかりだったことです。
つまりサービス提供から5か月、実質サービス再開から3か月に満たないベンチャー企業に70億もの値が付いたのです。
世界に目を向けてみましょう。2012年、当時社員13人で売上がほぼ0円だったInstagramが、Facobookに800億円で買収されました。Facebookはさらに、2009年にサービス提供を開始したWhatsApp社を2兆円規模で買収しています。
サービス開始わずか5年の会社に2兆円の値がつく時代なのです。成功のルールは完全に変わってしまったことがよくわかる事例ではないでしょうか。
起業家精神を持つ人だけが突出する時代
こうした話は、どこか他人事のように感じてしまう人が多いかもしれません。だって70億とか2兆円で買収されたと言われても、自分の身の回りの話には感じられませんよね。
ここで伝えたいことは「ルールが変わった」ということです。なかでも西暦2000年頃以降、「起業家経済」の扉が開いたと著者は言います。
これからは「知識」よりも「起業家精神」が求められるようになり、起業家的な働き方ができる人が突出する時代になっていきます。
でも安心してください。これは資格と同じよう、誰もが習得できる資源でもあるのです。
「起業家的な働き方」とはどのようなことなのか知りたい方は、コチラの記事をチェックして下さい。
最後に…
私は「今すぐ起業しろ!」と言いたいわけではありません。企業に勤めているからこそできる仕事や貢献もあるし、それは本当に素晴らしい価値があると思っています。重要なのは、これからも定年まで「会社から仕事を与えてもらえるのが当たり前」だと思わないことです。
本書を読めば企業に勤めていても起業家精神をもって、起業家のように仕事に取り組むことが大切であり、それこそがあなたのキャリアと将来を切り開く唯一最大の武器であることが理解できると思います。
将来後悔しないためには、常に複数の選択肢を手元に置いておき、自分で責任をもって決断できる環境とマインドを準備しておくことが重要なのではないでしょうか。
もしこれまでの内容に少しでも共感する部分がある人は、今スグ『THE END OF JOBS 僕たちの20年戦略』を手に入れてください。
その行動が、あなたが「これからの20年を生き残るための究極の働き方とマインド」を手に入れる最短最速最善の第一歩です。