宇宙ロケット開発やアプリの開発、有料メルマガの発行や会員制のコミュニケーションサロンの企画など、多くのプロジェクトを抱えている堀江貴文さん。あまりに数が多すぎて、ご本人もいくつのプロジェクトに関わっているのか把握していないといいます。
そんな堀江さんが日々、多くのことをこなすために発揮しているのが「多動力」です。それは仕事に限ったことではなく、人生を楽しみきるための生き方であり、自分でありつづけるための「原動力」であると述べています。
堀江さんは、ありとあらゆる「モノ」がインターネットにつながっていく「IoT(Internet of Things)」時代には、すべての産業が「水平分業型モデル」となり、「タテの壁」が溶けていくと表現しています。たとえばテレビとインターネットがつながると、テレビはスマホアプリの一つとなり、電話やフェイスブックのような他のアプリと同じ土台で競争することになります。
こうした時代には、各業界の隔たりを超えていく「越境者」が求められ、そのときに必要な能力が、次から次に自分が好きなことをハシゴしていく「多動力」であると主張しています。
自分が楽しめることならば、いくらでも手を出して、飽きたら次のことを始めていく…こうして好奇心と集中力を発揮していきながら培った知識や経験は、自身の価値を高めてくれるといいます。それが24時間を楽しいことで埋め尽くすことができる「多動力」となるのです。
「教養」を身につけて「原液」を作れ
「よし、自分の好きなことを24時間やりきるぞ!」という前のめりになる前に、まずは堀江さんが幅広く活躍し続けることができている理由に目を向けてみましょう。
それは、「教養」があるということです。第5章「自分の分身に働かせる裏技」では、大量のアウトプットをする方法として、「原液」を作るという視点が紹介されています。
この考え方については、こちらの記事がわかりやすいので参考にしてください。
簡単に言うと、自分の発言やアイデアによって、周囲の人が勝手に動いてくれる状況を作るということです。そうすれば、自分一人の24時間を何倍にも何十倍にも拡張して使うことができるため、多動力を発揮しやすくなるのです。
しかしそのためには、表面的な知識やノウハウではなく、時代が変化しても変わらない「本質」を押さえられるようにならなければいけません。本質を理解することなく、ジャンルを横断するような「原液」を生み出すことはできないからです。
堀江さんは、気になった物事があれば、その歴史を深掘りしたり、海外事例を調べたりすることで本質を理解しているといいます。これが「教養」を身につけるということです。
ここで一つ引っかかることがあります。「楽しめることだけをする」と決めたのに、教養を身につけるための勉強が嫌だとしたら、それはやらなくても良いのでしょうか。
私はそれは違うと思うのです。もちろん「教養を得ること」自体を楽しめたらそれが一番よいですが、そうでない場合でも、自分の未来のために「損か得か」を考えて、意義を見い出し、取り組んでいくことが必要なのではないでしょうか。
堀江さんは、「教養」という骨格があれば、知らないことを検索する力や、質問する力も磨かれるため、新しい知識を効率よく補完していくことができるといいます。そして教養は身につけるだけでなく、目の前の仕事に具体的に落としこんでいくことが重要であるとも述べられています。
教養に裏付けされた一つ一つの行動が、堀江さんの活躍の場を広げ、多くの実績を残すことに繋がっているのでしょう。
「教養」「多動力」「越境者」、これらのキーワードをより深く理解したい方は、ぜひ本書を一読してみてください。