音楽プロデューサー中脇雅裕の成功法則〜「妄想力」が年収アップの鍵

音楽プロデューサー中脇雅裕の成功法則〜「妄想力」が年収アップの鍵




 こんにちは、ひとはです。少し古いデータですが、内閣府が行った調査で、仕事にやりがいを感じている人の割合は16%に過ぎないとの結果が出ています。バブル期には30%台であったものが年々低下傾向を示していますので、働く人のモチベーションが少しずつ落ちて来ていると考えてよさそうです。

 特に会社勤めの方であれば、仕事のこと以外にも人間関係などでストレスを抱えている人も多くいると思います。『あなたの仕事はなぜつまらないのか』という本書のタイトルを目にしたとき、そのような方々に一筋の光明を投げかけてくれるのではないかと思いました。

 著者は音楽プロデューサーのの中脇雅裕氏。Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅなど、数多くのアーティストの音楽制作を手がけるほか、講演や執筆活動、ラジオのDJなど幅広く活躍されている方です。とはいえ気になるのは、その方面での実績があるからといって、果たしてサラリーマン諸氏の悩みに答えることができるのだろうかという点ではないでしょうか。

 少々疑いの目を向けながらもページをめくっていくと、イントロの部分に「本書のテーマは成功する方法である」と記されていました。

 どんな仕事においても、成功体験ほど自分に自信が持て、仕事が楽しくなる妙薬はありません。成功体験を積み重ねることで人は成長し、仕事にもやりがいを感じることができるからです。そしてそれは、音楽の仕事であろうと、会社勤めの営業や経理、技術開発の仕事であろうと変わらないはずです。

 つまり本書の骨格を成しているのは、中脇氏が音楽業界で成功を収めてこられた秘訣の数々ではあるものの、それらのエッセンスは、仕事の内容や立場に関わらず、誰にとっても当てはまめられるということなのです。

 それでは、本書のエッセンスの一部をご紹介します。



大舞台で緊張しない方法とは?

 職場の人たち、たった10人の前でプレゼンテーションをするだけでも、緊張して体が動かなくなったり、頭が真っ白になって言葉がうまく出てこなくなったりした経験のある人は多いと思います。1万人の観客を前にして歌うスーパースターたちは、なぜ緊張しないのでしょうか。

 人前で緊張してしまう原因は、「人間の脳が変化を拒むように働くから」だと言われています。多くの人の前で歌うことや、プレゼンテーションをすることに対し、脳が「今までの状況とは異なる環境に直面した」と判断し、その環境を受け入れないように働くから、緊張してしまうのです。

 極端な表現をすれば、脳はプレゼンテーションを失敗させようとしているのです。これは驚きですね。

 では、緊張しないためにはどうすればよいのか。それは「脳をだますこと」だと著者は言います。変化を拒み、現状を維持しようとする脳に対して、大きなステージに立つことや、プレゼンテーションをすることが、特別な環境ではなく、当たり前の日常の一部であると思わせればよいのです。

 そのために重要なのが、本書で紹介する「妄想力」です。



妄想で脳に「当たり前」と思い込ませる

 「妄想」とは、「イメージトレーニング」とは何が違うのでしょうか。

 イメージトレーニングは、そのときの状況を思い浮かべ、自分が成功するところをイメージするものです。一方、妄想は、その成功によってどういう結果が訪れ、それがどのように自分の人生の一部になっているか、というところまで思い描くことだと言います。

 例えば大きなステージで歌う場面で、「イメージトレーニング」では緊張せずに歌い上げることをイメージしますが、「妄想」では、更にその先にあるであろう武道館でのコンサートを日常的に行っている姿を想像するわけです。

 この「妄想力」があるほど、大きなステージに立って歌うことを脳に「当たり前」のことだと思い込ませることができます。

妄想力で年収をアップする方法

 本書には、妄想することで成功を収めるためのヒントがいくつか示されています。例えば

  • 潜在意識をだますこと
  • 自分の欲望に逆らわないこと
  • 夢に日付けをつけるのではなく、「すでに夢を叶えた人」として行動すること
  • 世の中の常識に捉われないこと

 などです。

 本書があえて「妄想力」という言葉を使うのは、例えば「いつの日か武道館で歌いたい」と思うのではなく、「いま武道館でコンサートを開いている」と思い込む(妄想する)こととの違いを鮮明にするためでしょう。

 「いつの日か」と遠い未来を思い描こうとすると、そこに至る長い道を越えていかなければいけないという、辛いイメージが浮かんできてしまいます。そうではなく、「すでに実現できている自分の姿」を妄想することが重要なのです。もちろんそこには、現実との間に大きなギャップが生まれます。しかしそのギャップこそが、今日からすぐに行動を起こすための原動力になると著者は言います。

 各章の最後には「妄想力実践テクニック」として、音楽プロデューサーである著者らしい例がいくつも示されています。そのひとつに、モデルや歌手として活躍されている三戸なつめさんが、妄想力で収入アップした例が紹介されています。

 彼女は貯金通帳の残高にゼロをひとつ書き足し、その残高でどのようなことをするかを妄想したのだそうです。そうすることで「収入が増えた」というイメージがより現実味を帯びて、潜在意識に働きかけてくれます。その結果、実際に成功を収めて年収が増える結果となったのです。

仕事がつまらない人は人生もつまらない

 本書の最後で、著者のこれまでの生い立ちについて触れられています。

 この部分を読むと、著者がどのような「妄想」をすることで成功を手に入れることができたのか、そして「妄想」するということの意味が良く分かります。
 
 さあ、皆さんもワクワクする人生を「妄想」してみてはいかがでしょうか。






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ひとは
会社勤めの中で開発から管理から国際ビジネスまで、随分と長い道のりを歩いてきました。 その間、本から得た知識や教えが支えてくれたのは間違いありません。

だけど本当は純文学が大好き!ビジネス書も奥深い名著を紹介したいと思っています。




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