今回ご紹介する本は、『何があっても必ず結果を出す! 防衛大式最強の仕事』です。著者は、防衛大学校を卒業し、現在はチームマネジメント・人材育成コンサルタントとして活動されている濱潟好古さん。
海上自衛官幹部候補生学校を経て、IT系ベンチャー企業で営業職に就いた濱潟さんは、自衛隊でも一般企業でも、「結果を出すこと」が求められるのは変わらないことに気づき、防衛大での厳しい訓練を通して学んだことを仕事に応用してみたそうです。その結果、成績が急上昇し、社内の営業MVPを独占したり、スピード昇進も果たしたりと状況が一変したといいます。
そうした経験から練り出した「最強の仕事」術をまとめたのが本書です。
防衛大で求められる4つのスキルとは?
防衛大の訓練では次の4つのスキルを身につけることを要求されるそうです。
- セルフコントロール法
- 時間術
- 段取り術
- 先読み術
防衛大での厳しい訓練と、社会に出てからの経験をからめながら紹介される仕事術はとてもわかりやすく、一般の社会人にとっても取り組むやすいものばかりです。
上記4つのスキルを身につける目的として、共通しているのは「最高のアウトプットを出す」ということ。
- 「セルフコントロール術」では、動機づけの重要さやプレッシャーに対処する方法を
- 「時間術」では、ショートカット法や無駄な時間を排除していく手段を
- 「段取り術」では、曖昧さを排して余裕を生みだし、最高の結果をめざす道すじを
- 「先読み術」では、最高の仕事環境をつくるためにできることを
紹介しています。
防衛大は一般の大学における教育とは異なるだろうとは思っていましたが、1年時の過酷さには特に驚愕しました。すべてが徹底した規律で管理され、常に全力を要求されるのです。一年時で100名以上の学生が辞めていくというのも頷けます。しかしこの厳しさも理由があってのこと。
震災の際に出動した自衛隊の活躍に、どれだけ頼もしい思いを抱いたことでしょう。明日をも知れない心細いなかでも「彼らが来てくれたら安心だ」と思わせてくれるのが、自衛隊員の存在です。
そこには、どんな過酷な状況下でも絶対にミスは許されず、完璧な形で任務を終わらせなければならないという使命があります。常に完璧なパフォーマンスを求められるのが自衛隊の任務であり、そのために訓練が厳しくなるのは自明の理といえます。
実践したい防衛大の3つの仕事術
本書で紹介されている様々な仕事術のなかでも、私がとりわけ実践したいと思ったのは次の3つです。
- 「先延ばしをしない」(p.160)
- 「重要ではないが緊急な仕事はスピート重視」(p.166)
- 「目配り、気配り、心配り」(p.190)
「今ある仕事は今やる」と決めておけば、段取りを考える必要がなく、その上で、仕事内容によって緩急をつけて取り組むことで効率よく進めることができます。
防衛大ではやることが多く、そのやり方も徹底管理されているそうです。できていないと上級生に指導を受け、更に時間は減っていくばかり…その様な環境下で身につけられたことは、今の生活にも生きていると濱潟は言います。
また、仕事には必ず対象となる「人」が存在します。その人を観察し、求められている行動をすれば、良い関係を築くことができ、無用なトラブルも回避できると述べています。この視点は、私も今後の仕事に生かしていこうと思っています。
今の生活に喝を入れてくれる一冊
この本の随所に書かれている、濱潟さんが上級生の指導を受けるエピソードに、震え上がる思いがします。移動は常に駆け足、上級生の目に緊張の日々であったことを読むうちに、いつしか私も部屋の移動に速く歩くようになり、ピシッとした気持ちで生活していました。
仕事術も役立ちますが、自分の生活に喝を入れるためにも良い内容かもしれません。仕事で成長したい方、もっと成果を出したい方はもちろん、自身の目標に向けて果敢に挑戦したい方にもおすすめしたい本です。
より具体的な仕事術について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。