こんにちは、手帳ライフクリエイターのKanaです。
「読者の心に響く言葉って、どうやったら書けるのだろう?」ーーWebメディアで記事を執筆するたびに、モヤモヤとした思いを募らせていました。
情報が溢れる現代社会。私の書いた記事を隅々まで読んでくれる人などほとんどいません。たいていの読者はスマホをスクロールして、情報を簡単に読み飛ばしていきます。
読者を惹きつけるためにはどうすればいいのか、そんな私の漠然とした悩みを解決してくれる、1冊の本に出会いました。それは、コピーライター田口まこさんの著書『伝わるのは1行。』です。
本書では、読者に読み飛ばされない「心に響く1行」を書くコツがたくさん紹介されています。これらのテクニックはライターの仕事に限らず、SNS・メール・説明・企画書など、様々な場面で活用することができます。
この記事では、相手の心に刺さる1行をつくるためのテクニックについてご紹介します。
なぜ「1行」なのか?
情報が読み飛ばされてしまうそもそもの原因は、文章が長すぎることです。何行も続く文字の群れを見ると、多くの読者は読む気が失せてしまうでしょう。
ネット上の情報だけでなく、学校のテキストも同じですよね。要点がシンプルに押さえられた簡易的なテキストなら気が楽になりますが、ぎっしりと文字が詰まった参考書には苦手意識を持ってしまうものです。
田口さんは、読み飛ばされないためには、伝えたいことを簡潔に1行(20~30文字)で表現することが重要だと言います。相手に「読む手間をかけさせない」心遣いが必要ということですね。
「1行」をつくる4つのステップ
では、相手の心に刺さる1行をつくるためには、どうすればよいのでしょうか。本書では、次の4つのステップを踏むことを勧めています。
- 「絞る」:誰に伝えたいのかを具体化し、ターゲットを絞る
- 「広げる」:伝えたいことを、思いつくかぎり書き出す
- 「選ぶ」:書き出した言葉のなかから、本当に伝えたいことを1つ選ぶ
- 「磨く」:選んだ言葉をブラッシュアップし、1行を完成させる
「1行」で表すために、まずは相手を知る
1行を書き出す前に、まず考えるべきなのは、「誰」に伝えたいのかを具体的にイメージすることです。簡潔に1行でまとめられていても、漠然とした当たり障りのない言葉では誰の心にも響きません。
片思いの恋愛と同じです。相手に振り向いて欲しければ、まずは相手を知ることから始めなければなりません。伝えたい相手のことを詳しく知り、その人のことを具体的にイメージすることで、きちんと思いが伝わる1行をつくることができます。
相手の性別や年代、職業、立場、家族構成、興味、悩み、楽しみなど、具体的な人物像をイメージしていくのです。
本書では、「30代の働く女性」がターゲットの「料理本」の店頭POPを作るシーンを例に、以下のようにイメージを掘り下げています。
- 2歳と5歳の子どもがいる
- 共働きなので忙しくて時間がない
- 金銭的に最も余裕のない年代である
- 料理はそんなに得意ではない
- 夫も子どもも野菜嫌い
- 最近、少し太ってきた
- 家族みんなのお弁当をつくっている
こうして具体的な人物像を挙げると、「家事・仕事・育児を両立させ、毎日を前向きに生きている女性」、そして「忙しい時間をやりくりしながら、おいしくて健康的な食事をつくりたいと努力している女性」の姿が目の前に現れてきませんか?
すると、
- 時短
- 栄養バランス
- 節約
- 自然派
- つくりおき
など、この女性が料理本を選ぶときに大切にするであろうキーワードが浮かんできます。ここまで具体的に相手をイメージすることで、ようやく1行を考えるベースができるのです。まずはこれらの下準備が大事だということですね。
この先は、
- 伝えたいことを、とにかくたくさん書き出す。
- 書き出した言葉のなかから、一番伝えたいことを決める。
- 選び出した言葉をブラッシュアップし、1行を完成される。
というステップを踏んでいきます。詳細はぜひ本書をチェックしてみてください。
1行力を磨くテクニック
本書の後半では、1行を磨き、輝かせるためのテクニックが7つ紹介されています。特に面白かったのが、「字面(じづら)」技です。
「字面」とは文字の見た目の印象のことで、漢字で表記できる言葉を意図的にひらがなやカタカナにするというものです。
たとえば、「かわいい」という言葉は、以下のように4種類の字面で表すことができます。
- かわいい
- 可愛い
- カワイイ
- KAWAII
すべて同じ言葉で意味も変わらないはずですが、見た目から感じる雰囲気は違ってきますよね。ひらがなは柔らかい印象、漢字はかたい印象、カタカナはカジュアルな印象を与えてくれます。
1行で惹きつけるためには、文章の良し悪しだけでなく、このようにパッと見た瞬間の印象も意識するべきなのです。
即実践できる1行力のテクニックが満載!
本書に紹介された「1行力」を磨くためのテクニックは、誰でも使える簡単なものばかり。
SNSでのひとことや記事のタイトル、見出しなどにさっそく使ってみます。