はじめまして、きゃんです。今回初めて書評というものを書かせていただきます。
記念すべき第一回目にご紹介する本は『面白い生き方をしたかったので仕方なくマンガを1000冊読んで考えた →そしたら人生観変わった』(堀江貴文・著)です。
本書は、堀江貴文さんがマンガを通じて得てきた学びや価値観について、自らの実体験と照らし合わせながら、おすすめの作品を紹介する一冊となっています。
マンガは「時短メディア」
皆さんはマンガに対してどういうイメージをお持ちでしょうか? マンガを読むのは子どもっぽく、まるで悪いことをしているようなイメージを持っていませんか?
確かにマンガという情報媒体を単なる「娯楽」ととらえると、せっかく学んだ知識や価値観も自分の人生に活かすことができず、時間とお金を消費するだけになってしまいます。
けれども、マンガの中には横山光輝さんの『三国志』のように歴史を学べるものや、ゆでたまごさんの『キン肉マン』のように友情に涙するものもあります。これらはマンガだからこそ多くの人の心に響き、強く記憶の残る作品になっているといえます。
堀江さんはマンガを「時短メディア」と名づけ、そのメリットを紹介しています。
マンガは文字と絵で情報を伝えることができるので、通常の本とは異なり、感情表現や作者の意図について理解しやすくなっています。また文字だけの本の場合、読み進めるのに時間がかかってしまうので、忙しい社会人は敬遠しがちになりますが、マンガだと気軽に読むことができます。
マンガの持つ魅力、知識や情報を獲得するための「時短メディア」という一面は、本書を読めばきっと皆さんにも理解し、共感していただけると思います。
本書は9つのCHAPTERに分かれており、各テーマに関するマンガが小見出しごとに紹介されています。
- 「仕事はセンス」と教えてくれるマンガ
- “読書家”に負けない知識がつく、実用マンガ
- 忘れられないトラウマ・マンガ
など、ビジネスパーソンにも役立つユニークなテーマが設定されているので、目次を見て、自分が興味のあるテーマや作品のページから読んでみてください。
この記事では、本書で取り上げられているマンガの中で、私も読んだことがあり、「是非ともこれは皆さんにも読んでもらいたい!」という作品を、堀江さんのコメントを添えて3つ紹介させていただきます。
『闇金ウシジマくん』(真鍋昌平)
今みなさんが生活している世界が表だとすると、この作品で取り扱われているのは裏の世界。闇金、ドラッグ、暴力といったふだん接することのない世界をリアルに感じることができます。
著者の徹底した取材に基づき、人間の一番弱い部分が描かれているため、今の日本の闇を知る上で一番リアルで人間ドラマに溢れた作品になっていると思います。
ホリエモンおすすめの理由(本書より要約)
『アゲイン』(久保ミツロウ)
私が中学、高校と男子校だったこともあり、「こういう青春が送れたらな〜」という思いから、このマンガにのめりこみました。高校時代に非モテ童貞中二病だった主人公がタイムスリップをしてしまい、高校1年生に戻るという「if」が描かれています。
好きだった人ともう一度同じ学園生活を送れるとしたら、自分はどういう行動を起こすだろう、そういった妄想が膨らむ作品だと思います。
ホリエモンおすすめの理由(本書より要約)
『最強伝説 黒沢』(福本伸行)
「普通の人がそのままおじさんになると、こうなるんではないか」というリアルな人間像が、主人公である黒沢を通して描かれています。いわば登場人物は普通のおじさん。けれどそのおじさんは人間臭さが凄くて、欲望に忠実で、子供っぽさもあるんです。
そんな黒沢が社会でもがく姿を見ていると、強く感情移入して、作品の世界に引きずりこまれてしまいます。特に物語の終盤、おじさん達が一致団結して起こす「出来事」には注目です。
ホリエモンおすすめの理由(本書より要約)
堀江貴文「マンガ」リストを活用する
本書の最後には、堀江さんがマンガレビューサイト「マンガHONZ」で紹介したマンガの中で、特におすすめだという約300作品のリストが付いています。リストは50音順に並んでおり、ジャンルは様々。
かつてはマンガの世界でしかありえなかったような出来事も、実現されたり、実用間近なものとなってきています。たとえば自動運転システムを搭載した車は、20年ほど前では漫画の世界だけでしたが、実用化は目前に迫っています。
マンガは皆さんにとって、新しい知識や価値観を学んだり、自分のモチベーションを上げたりするツールの一つとして活用できるはずです。よくマンガを読む人も、普段マンガを読まない人も、本書のリストを参考にして、自分に合った今一番必要だと思うマンガを見つけてみてください。