初めまして、コーチです! 土日はサッカーコーチをしているのでコーチです! 子どもが大好きなコーチです!
ひゃーバレたら恥ずかしいな。。。
本を読もうと思った時、みなさんはどのような基準で選んでいますか? 僕はもっぱらタイトルを見て「楽しい気分になった」かどうかで選んでいます。
今回『5秒で伝えるための頭の整理術』という本を手に取った理由も単純で、「5秒で伝えられるなら仕事が捗るな!」ーーこれだけです。
でも、これが最高に大切だと思います。サイバーエージェント代表の藤田晋さんも、「最高か最速しかない」と仰っています。僕も同感です。ビジネスにおいて「最速であること」は「最高の価値」をもたらします。
実はこの記事も、朝に本が届いてから午前中で書き上げて提出しました。「美女読書」編集室に入って初めての記事だったので、何よりもまず提出して、いち早くフィードバックをもらうことが大切だと考えたからです。
これからも最速で仕事をこなしていくために、本書に書かれている「5秒で伝える」方法を学びたいと思います。
「ソラ・アメ・カサ」とは?
本書のテーマである「ソラ・アメ・カサ」とは、マッキンゼーの日本支社が作り上げた問題解決フレームワークで、コンサル業界にいると必ず耳にする言葉です。
- ソラ:「空を見ると曇ってきた」という「事実」
- アメ:「雨が降りそうだ」という「解釈」
- カサ:「傘を持っていこう」という「判断」
という3つの要素で物事を整理し、問題解決の意思決定に役立てます。
本書では、これを話し方・伝え方に活用することで、「5秒」で言いたいことをスッキリまとめる方法を紹介しています。
なぜ「5秒」が可能になるかというと、「ソラ・アメ・カサ」というフレームワークに、該当する情報を放り込むだけで済むからです。
まずは、「ソラ・アメ・カサ」について詳しくご説明しましょう。
ソラとは「事実(ファクト)」で、「今年の8月の平均気温は34度」のように、意見や解釈が入っていない客観的な事実のことを指します。「暑かった」というのは解釈が入った意見や感想なので、ソラには入りません。また現在実施している打ち手や、その結果などの事実(ファクト)もソラに該当します。
アメは「解釈」で、
- 洞察(どうなりそうか?)
- 分析(乗り越える壁〔課題〕と検討の方向〔論点〕)
という2つの側面を持っています。著者曰く、アメを考える時、「どうなりそうか」と洞察する前に、つい課題や原因を探ってしまう人が多いと注意喚起しています。
なぜなら、課題や原因の解釈が正しくても、「その結果どうなりそうか?」という未来予測が異なると、打ち手(カサ)が変わってくるからです。
たとえば「お店にお客様が来ない」というソラ(事実)に対し、「お客様にこのお店が知られていないから」とか「コスパが悪いから」といった原因探しから始めた場合。「お客様にこのお店が知られていない」と解釈して「チラシを配った」結果、誰も来なかったら、「チラシを配った」という打ち手がダメだったのか、お客様に知られていないことがダメだったのか検証できません。また原因の数だけ打ち手も考えられるため、きりもありません。
一方、「どうなりそうか?」という洞察から入り、「来月潰れそう」という未来が予測できれば、それを踏まえた打ち手が可能になります。たとえば手持ちのキャッシュが足りないという壁(課題)に対して、信用金庫から追加融資を受けるなどの打ち手が考えられ、成功すれば店が潰れることは回避できます。
このように、「どうなりそうか」という洞察結果を踏まえて、乗り越えなくてはいけない壁(課題)を導き出し、乗り越える打ち手を考える、という順番が重要なのです。
カサは「判断」です。ソラ(事実)とアメ(解釈)をもとにした「○○をすべきだ!」という主張や、「A案がベストです」のように優先順や実施の判断を促すもの、打ち手などが該当します。
ソラ・アメ・カサの3つをセットにして考えると、頭の中をすっきり整理できて、5秒で伝えられるようになるというのが本書の教えです。
話が長いとか、わかりづらいとか言われる人でも、ソラ・アメ・カサの3つを揃えることを意識して話すと、相手に正しく伝わり、判断してもらえるようになります。
実際、ソフトバンクの孫正義氏やユニクロの柳井正氏を含め、経営者が重要な意思決定を行う際は、ソラ・アメ・カサの3つがセットでないと行えないといいます。
本書では、わかりやすく「ソラ・アメ・カサ」をマトリクスに整理する使い方が紹介されているので、実践してみたい方はぜひチェックしてください。
「ソラ・アメ・カサ」で問題を整理しよう
ちなみに、ソラ・アメ・カサの本質は、思考の順番ではなく、組み合わせによって、意思決定に必要な視点から物事を眺めて整理できる点にあります。
そのため、どの順番に並び替えても機能します。その場の状況や相手の出方によって、ソラ・アメ・カサの順番を入れ替えて伝えればOK。3つの要素のモレがなければよく、ソラ・アメ・カサの順番通りに考え、話さなくてはいけないということではないのです。
たとえば、以下の状況について。
- ソラ:お客様がこない
- アメ:来月にはお店が潰れそうだ
- カサ:銀行から追加融資してもらおう
相手が結論から知りたい場合は、
- カサ:銀行から追加融資をしてもらおう
- アメ:(なぜなら)来月にはお店が潰れそうだから
- ソラ:(なぜなら)お客様が来ないから
論点から話す場合は、
- アメ:来月にはお店が潰れそうだ
- ソラ:(なぜなら)お客様が来ないから
- カサ:(ゆえに)銀行から追加融資をしてもらおう
のように並び替えれば、相手が求めている情報を正しく伝えることができます。
チェックポイントは「ソラ」、「アメ」、「カサ」それぞれの中身の妥当性と、「ソラ→アメ」「アメ→カサ」のつながりの妥当性と納得感があるかどうか。
上の例でいえば、「お客様が来ないから(ソラ)→来月にはお店が潰れそうだ(アメ)」や、「来月にはお店が潰れそうだから(アメ)、銀行から追加融資をしてもらおう(カサ)」のつながりには妥当性がありますよね。
伝え方の悩みを解決する一冊
日々の仕事やコミュニケーションは、全部「ソラ・アメ・カサ」で考えればうまくいく!ーーこれが、僕がこの本から受け取ったメッセージです。
これまで様々な「伝え方」の本を読んできたものの、どれもうまく使いこなせなかったという方にとって、「ソラ・アメ・カサ」で整理する、という本書のシンプルな教えは参考になるはず。
ここでお伝えしたことはほんの一部に過ぎませんので、少しでも内容に興味が湧くようでしたら、ぜひお手に取ってみてくださいね。
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