「才能」がある人と「普通」の人の違いとは?結果より過程を楽しむ人が成功する

「才能」がある人と「普通」の人の違いとは?結果より過程を楽しむ人が成功する




 こんにちは、大学院生の吉野善太です。

 今回は『才能の正体』を読みました。

 著者の坪田信貴さんは、デビュー作の『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』がいきなり120万部突破のミリオンセラーとなった方。

 2018年6月の下旬に、吉本興業株式会社社外取締役に就任し、10月には、ホリエモンこと堀江貴文さんによって開校されたゼロ高等学院の顧問に就任。塾長を務める坪田塾では、東京、大阪、名古屋に校舎を持ち高校受験、大学受験の指導を行っており、教育家、作家などの様々な形で活躍しています。

 数々の受験生を成功に導いてきた坪田さんが語る「才能」の正体とは何なのでしょうか。

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才能とは一体なんなのか?

 「才能」という言葉を使うとき、多くの人は「先天的な素質や能力」という意味をイメージするのではないでしょうか。

 たとえば、「自分には生まれつき才能がないから受験に失敗した」、あるいは「あの人は生まれたときから頭がいいから難関大学に合格した」のように。

 しかし坪田塾では、新入生の15%が学年ビリレベルの学力から勉強を始めて、その多くが難関大学に合格するという出来事が起きているそうです。

 この結果だけを見ると、もともと勉強をしなかっただけで才能があったのでは? 地アタマがよかったのでは? と思われるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。

 ほとんどの人は「受験に合格した」という結果だけを見て「才能」の有無を判断しており、途中にある「努力」やそれに伴う「成長」が抜け落ちてしまっています。

 受験までに驚くほど偏差値が上がっていたとしても、結果が出なければ「才能がない」と言われ、結果が出たら「元がいい」「地アタマがいい」と言われてしまうのです。

 この現実に対して坪田さんは、「結果」が才能の有無の判断基準となること、そして「結果によって、過去の解釈もすべて変わってしまう」ことを指摘します。

 この結果主義的な認識を改めることが、誰もが生まれつき持っている「才能」を正しく伸ばしていくための第一歩となります。

 以下、才能を伸ばしていくために大切な考え方について3つご紹介します。

  • 普通の人は「Why型」、天才は「How型」
  • 「やればできる」は、まやかしの言葉
  • できない理由を誰かのせいにした瞬間に、あなたは自分の才能の芽をからしている

普通の人は「Why型」、天才は「How型」

 坪田さんは、フルマラソンを例に、普通の人と、才能があると言われる人の考え方の違いを示しています。

 あなたがフルマラソン初心者で、42.195kmを完走したいと思いレースに参加したとしましょう。1度目のマラソンでは30kmまで走り、リタイアをしてしまいました。次こそは完走したいと思い練習を重ね、参加した2度目のマラソンでは、35kmまで走ることができました。このペースで記録が伸びれば完走できるはずと思い参加した3度目のマラソンは、20kmでリタイアしてしまいました。

 あなたは、この記録をどのように捉えるでしょうか? 坪田さんは、この結果に対する捉え方から、「Why型」「How型」の2タイプに分けられるといいます。そしてほとんどの人は、これを「失敗」や「退化」と捉える「Why型」であると述べています。

 「なぜ前回よりも走れなかったのだろう? 私には才能がないのだろうか?」のように、「なぜ?」を考えてしまうのが「Why型」です。完走するという「結果」から見て、それができなかった理由を細かく分析してしまうのです。「Why型」でいるうちは、結果がついてこなかった時点で、自分には才能がないと考えてしまうため、能力が伸びていきません。

 一方、天才や才能があると言われる人たちは「How型」で物事を考えるといいます。「How型」は、「自分が走って楽しいから」マラソンをやっているので、「何キロ走れるか」「完走できたかどうか」といった結果には意識が向かず、「次はどうしたらもっと楽しくなるか」を考えるといいます。

 もしかしたら、20kmまでしか走れなかった時の平均タイムは、35km走れた時よりも速かったかもしません。このようにその瞬間の変化や過程に喜びややりがいを見つけ出すことができるため、能力が伸びやすく、最終的に結果を出して、「才能」を手にすることができるのです。

 「Why型」の場合、結果だけに左右されてしまうため、その成長の経過に価値を見出せません。「結果」を決めてから「今」を判断してしまうので、自分に限界を作ってしまい、能力が伸びていかないのです。

 坪田さんは、能力を伸ばして才能を手に入れたいのなら、「How型」で物事を考えることが重要であると述べています。

 「Why型」で考える人は、結果主義者。自分に限界を作り、能力が伸びない。結果ではなく経過を楽しめる「How型」は、能力を伸ばして才能を手に入れる。



「やればできる」は、まやかしの言葉

 「才能というものは誰にでもあって、それは “正しい努力” 次第で手に入るものだ」と坪田さんは言います。

 ここでポイントとなるのは、「正しい努力」によって能力を高めていくことで「才能」が手に入る、ということであり、「才能は誰にでもあるんだから、あなたもやればいつか必ずできるよ」という意味ではないということです。

 「やればできる」という思考は、上記の「Why型」と同じ「結果至上主義」です。その結果が手に入らないとわかった瞬間に「動機」がなくなってしまうため、やることそのものをやめてしまいます。つまり「やればできる」という言葉は、「できそうにないなら、やらない」と言っていることと表裏一体なのです。

 では、どんな言葉を使うべきなのでしょうか。坪田さんは「やれば伸びる」を使うことを勧めています。何かを始めて、それを継続すれば、必ず人は成長していきます。能力が伸びれば、その「部分」が際立ってきて、「才能」になる可能性があります。

 つまり「できるかできないか」の結果中心ではなく、「やれば必ず伸びる」と考え、継続することが、才能を手に入れる人の考え方なのです。

 「やればできる」という思考の人は「できそうにないなら、やらない」人。才能のある人が使う言葉は「やれば伸びる」。

才能は本質的に「自分の中にしかない」

 あなたが英語の勉強をしたいと思い、仕事場近くの英会話スクールに入会したとします。初めの1ヶ月はモチベーションも高く勉強していたものの、その後仕事が忙しくなっていき、英語力の成長もあまり実感できず、数ヶ月で退会してしまいました。

 やめた理由は、「仕事がいそがしくて…」とか「時間がなくて…」とか色々あるでしょう。その多くは、「環境」や「人のせい」にしているはずです。

 坪田さんは、「できない理由を誰かのせいにした瞬間に、あなたは自分の才能の芽をからしている」といいます。

 たとえスクール側、指導する側に問題があったとしても、才能は、本質的に自分の中にしかないものなので、「人のせいにする=他責」の思考から抜け出さない限り、磨きようがありません。

 努力を継続できず、途中で辞めたくなってしまうのは、成長を実感できないからです。逆に言えば、成長が実感できていれば、必ず続けることができるはずです。そのためには、「環境」や「人のせい」にすることなく、自分と向き合い、自分を変えていくことが必要です。

 坪田さんは、「自分はどんなことをしていると楽しいのか」「何が好きなのか」「どんなことを叶えたいのか」を考え、しっかりと自分を見つめることを勧めています。

 できない理由を誰かのせいにした瞬間に、あなたは自分の才能の芽を枯らしている。

まとめ

 本書を読むと、自分がこれまで「才能とは、天から選ばれた特別な人に与えられるもの」と考えてきたことによって、いかに可能性を潰してきたかということに気づきます。

 誰にでも才能はある。目標を決め、そこに向かって正しく努力することで、自分の才能を伸ばすことができる。この事実を知れば、これからの自分の可能性にワクワクすることでしょう。

 自分には才能がない、凡人の自分には大した結果は出せない、と諦めてしまっている人にとって、発想を一変させてくれる力をもった一冊です。ぜひ読んでみてください。

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