創造性のある仕事に就きたいなら必読!誰もがクリエイティブになる方法

創造性のある仕事に就きたいなら必読!誰もがクリエイティブになる方法






10秒で要点チェック!

  1. 「クリエイティブかどうか」は生まれつき才能で決まっていると思われがちだが、人間は誰しも潜在的な創造力を秘めていて、それは本書のアイデアで引き出すことができる。
  2. カギとなるのは「創造性に対する自信(クリエイティブ・コンフィデンス)」を手に入れること。小さな成功を積み重ねれば、創造力を発揮することへの恐怖は克服できる。
  3. 日頃から「クリエイティブな力を伸ばすための方法」を意識して、何よりも行動に移すことを重視しよう。

日本人に足りないのは「創造力に対する自信」

 クリエイティブな仕事や会社に憧れる人は多いでしょう。一般的なイメージだと、クリエイティブとは「芸術的」な才能をもった特別な人たちだけが任される領域だと考えてしまいがちです。

 「自分は”クリエイティブ系”じゃないから、就職先はおカタイ銀行や公務員を選ぶ」というように。

 こうした考えは、2つの面で間違っています。1つは、創造性は「芸術的」な分野に限らず、個人、社会、ビジネスのあらゆる問題において、新しい解決策を生み出すために発揮されるものだということ。

 もう1つは、人間は生まれたときからみんなクリエイティブだということです。

 大多数の人が「自分はクリエイティブではない」と思い込んでいる理由を暴き、「創造力に対する自信(クリエイティブ・コンフィデンス)」を取り戻すことで、誰もがクリエイティブになれる方法を教えてくれるのが本書、『クリエイティブ・マインドセット』です。

 アップルの初代マウスをデザインしたことで知られる世界最高のデザイン会社IDEOと、その思考法を学生たちに教えるためにスタンフォード大学内に設立した機関「dスクール」の創業者による共著には、冒頭で次のような興味深い調査結果が記されています。

 それは、「日本人は世界の国々からクリエイティブだと思われている一方で、自分自身をそれほどクリエイティブだとは思っていない」というものです。

 これは日本人の「謙虚さ」の表れともとれますが、「自信がない」一面の表れとも言えるでしょう。そう、日本人には「自信」が足りなのです。

 多くの国から「世界でもっともクリエイティブ」と認められている日本人が、本書から「創造力に対する自信」を身に付ける方法を学べば、イノベーションによってさらなる成功を遂げることができるはずです。

人間中心の「デザイン思考」とは?

 なぜ誰もがクリエイティブになれるかといえば、本書で紹介されている「デザイン思考」が、「人間中心」のアプローチによって創造性やイノベーションを生み出す方法論だからです。

 人間を観察し、人間の話を聞き、人間に共感して、ニーズや問題解決を突き止めるという発想です。

 成功するイノベーションには「技術的実現性」「ビジネス的実現性」「人的有用性」という3つの要因がバランスよく内包されていますが、高度な技術知識やビジネス知識ではなく、人的要因を出発点にするからこそ、誰もが創造性やイノベーションを生み出すことができるのです。人間は誰しも、人に共感する力をもっているのですから。

 なぜ人間中心で考えるかについて、本書では次のように説明されています。

 人的要因は必ずしも残りのふたつより重要というわけではない。しかし、技術的要因は世界じゅうの科学や工学のカリキュラムで詳しく教えられているし、ビジネス的要因は世界じゅうの企業が全力を注いでいる。とすれば、人的要因にこそ、イノベーションの最大のチャンスが潜んでいるかもしれない。だからこそ、私たちは常に人的要因を出発点にするのだ。

 「デザイン思考」は、クリエイターやデザイナーに限った思考法ではなく、あらゆる人が日々直面するさまざまな問題について、クリエイティブな方法で解決するためのアプローチなのです。

恐怖を克服して「自信」を手に入れよう

「創造活動を成功させるうえで、唯一最大のハードル」と言われるのが、失敗に対する恐怖です。「創造力に対する自信」を手に入れるには、この恐怖を克服しなければなりません。

 たいていの人は、子どもの頃は「自分はクリエイティブかどうか」なんて気にすることなく、思うままに何かを作り、表現していたはずです。成功することも失敗することもあったけど、好きで楽しいから自由に何度でも試していたはずです。

 しかし小学校に入って、「成績」という目に見える評価で他者と比較されるようになると、大半の人は自分の創造性への自信を失っていきます。世界を「クリエイティブな人間とそうでない人間」に切り分けてしまい、そのふたつの分類は決まりきったものだと思い込んでしまうのです。

 創造性は他者との比較で生まれるものではなく、誰もが生まれつき持っているものなのに、自分のアイデアを発表して嘲笑されることや、実践して失敗することを恐れてしまうのです。

 この恐怖を克服するには、「自分が対処できる程度の小さなステップ」をひとつずつ定めることで、誤った信念を振り払う「直接的な体験」を繰り返すことです。

①ペンをつかんで立ち上がろう!

 「創造力に対する自信」を奪う代表的な要因として「絵がうまく描けない」というのがあります。「絵が下手な自分がクリエイティブになれるはずがない」という思い込みは極めて根深く、絵の上手下手を「創造性のリトマス試験紙」のように捉える人は多いでしょう。

 実際は、練習と簡単な助言さえあれば、絵を描く能力は誰もが身につけることができるのに。

 本書で紹介されている『描いて売り込め! 超ビジュアルシンキング』の著者ダン・ローム氏は、アイデアを人に伝える際に「描く必要があるものは、突き詰めれば5つの基本的な図形(直線、正方形、円、三角形、ぐにゃぐにゃ)に分解できる」と言います。

 詳細は割愛しますが、このように徹底的にシンプルにすることで絵を描くことのハードルを下げてくれる本書を活用すれば、絵に対する苦手意識を克服できるでしょう。

 このように、今の自分でも踏み出せる一歩を設定して小さな成功を積み重ねれば、自分の創造力を疑う気持ちを払いのけることができます。



②イノベーションに失敗は不可欠!

 失敗に対する恐怖を克服するには、そもそもイノベーションには多くの失敗が必要であることを理解することが有効です。

 クリエイティブな人々は、最初から圧倒的な創造力を発揮しているわけではなく、単純にほかの人よりも多くの実験やチャレンジをしているから、最終的に”天才的ひらめき”が訪れるのです。

 決して成功率が高いわけではなく、単に挑戦する回数が多いだけでなので、失敗の数も多いのです。

 「失敗とイノベーションが切っても切れない関係にある」という事実は、実践でしか学べない教訓のひとつです。行動しなければ失敗できず、その必要性が理解できないからです。

 だからこそ、失敗を恐れることなく何度もチャレンジすることが重要なのです。

③人と比べるのをやめる!

 人は、「自分の価値が左右されないとき」に、能力や才能をもっと大胆に発揮でき、リスクをいとわなくなると言います。

 「こんなアイデア、陳腐と思われないか」「絵を描いて下手だと笑われないか」のように、周りの目を気にしすぎてしまうと、自分の創造力を狭めてしまいます。

 創造性を手に入れるには、「人と比べるのをやめる」ことがひとつの方法なのです。

 この点は、「アドラー心理学『嫌われる勇気』をもって”自分の”人生を生きよう」でも触れています。

日頃からインスピレーションを刺激しよう

 創造力とは、「これができたらOK」という明確な基準があるものではなく、日々意識的に育てていくものです。日頃からインスピレーションに遭遇する機会を増やすよう心がけましょう。

 本書では、クリエイティブな力を伸ばすための方法として、次の8つを挙げています。

①クリエイティブになると決意する

 まずは自分はクリエイティブになれると信じて、決意を固めることが大切です。

②旅行者のように考える

 外国を訪れる旅行者のように、周囲のものを新しい視点で見てみましょう。

③「リラックスした注意」を払う

 ひらめきは、精神がリラックスしているときに訪れるものです。脳の一角に問題や課題を残しておきつつ、思考回路をオフにしてボーっとすると、脳が認知の飛躍を起こすことがあります。シャワーを浴びているときや散歩しているときのように。

④エンド・ユーザーに共感する

 「この商品やサービスは誰のが使うのか?」に目を向け、解決策を届けようとしている相手のニーズや状況を深く理解しましょう。

⑤現場に行って観察する

 「自分の先入観を疑い、自分が正しいと思うことを脇にのけて、本当に正しいことを学ぶ」ために、現場に足を運んで人間を観察しましょう。

⑥「なぜ」で始まる質問をする

 「なぜ」を繰り返すことで、表面的で些細な点から、問題の核心へと迫ることができます。

⑦問題の枠組みをとらえ直す

 最初に浮かんだ答えから一歩離れるために、掲げている問題自体が正しいかどうか、別の視点から見つめてみましょう。

⑧心を許せる仲間のネットワークを築く

 創造性を「チーム競技」と考え、一緒にアイデアをぶつけ合うことのできる仲間を作りましょう。他者とコラボレーションした方が創造力を発揮しやすいし、何より楽しいので。

 詳細は割愛しますが、外国語の学習と同様、これらを日頃から意識することで創造力に対する自信や考え方が身に付いていくでしょう。

計画するより行動しよう

 創造的なアイデアをいくら思いついても、それを形にして世の出さなければ意味がありません。

 成功するイノベーションには、失敗の数(すなわち実験の数)が大切だと言いましたが、すばやく大量の実験を行なうには、計画段階で立ち止まっている余裕はありません。

 いかに早くアイデアを行動に移せるかが重要です。

 創造性とは常に結果論だということを学びました。問題を解決するたったひとつの名案をずばっと思いつくのが創造性ではありません。何百回と試行錯誤を繰り返した末に最良の解決策にたどり着くのが創造性なんです。

 創造性に自信がある人は「自分の行動が良い影響を及ぼすと信じている」からこそ、躊躇なく行動に移せます。そして、失敗してもそこから次のステップが見えてくるので、後から軌道修正できることを知っているのです。

 「行動したい」と「行動する」の中間で身動きがとれなくなっているのなら、まずは「自分が対処できる程度の小さなステップ」を設定して、一歩ずつ踏み出してみましょう。

 すばらしいものを作りたければ、まず作りはじめなければならない。創造プロセスの初期の段階では、完璧主義が邪魔になることもある。だから、計画段階で立ち止まってはいけない。自分の中にいる完璧主義者に足を引っ張られてはだめだ。

 クリエイティブになるための第一歩は、クリエイティブな才能を生まれ持つことでも、最初から偉大な成功を遂げるために「準備」をすることでもなく、「傍観者でいるのをやめて、アイデアを行動に移すこと」なのです。

 そこに必要なのが、ほんの少しの「創造力に対する自信(クリエイティブ・コンフィデンス)」です。

まとめ

 本書の第7章「チャレンジ」では、創造的思考を解き放つための練習ツールとして、10種類の課題とそれに対する実践的なアドバイスが用意されています。

 すぐにでも自分の創造性を試したい人はもちろん、簡単な演習の実践によって「創造性に対する自信」を築きたい人にとっても有効なツールです。

 まずは周囲を見渡して、「あなたがすでにしていること、どっちみちやらなければならないこと」を探してみましょう。

 もし、あなたが「クリエイティブな働き方がしたい」と願うなら、まずは自分の人生のデザインから始めてみてはいかがでしょうか。

 本書では、次の1ヶ月を「デザイン・プロジェクト」として、自分自身に対する実地調査を行ない、自分の日課の中で満たされていないニーズを探して、自分の行動を変えるためのアイデアを出して実践することをを薦めています。



合わせて読みたい

created by Rinker
¥493 (2024/04/26 18:32:13時点 Amazon調べ-詳細)

モデルプロフィール

・名前     :大野絵里奈
・生年月日   :1993.12.23
・出身     :東京都
・職業     :大学生
・将来の夢   :まだ模索中…!
・ブログ    :「大野絵里奈公式ブログ」

本日のおまけ




投げ銭でサポートする

当サイトは広告収入と寄付によって運営しております。もし可能でしたら、投げ銭によるサポートをご検討いただけますと幸いです。




YouTube人気動画




殿堂入り記事