【要約】『イシューからはじめよ』本当に解くべき課題(=イシュー)の見つけ方

【要約】『イシューからはじめよ』本当に解くべき課題(=イシュー)の見つけ方






生産性を高めたいならイシューから考えよ!

 毎晩遅くまで山のような仕事を抱えていると、「どうすればもっと生産性の高い働き方ができるだろう?」と考える機会は多いと思います。

 生産性を高めるには、「それは本当に解くべき課題(=イシュー)なのか?」を考えることからはじめるべきだと主張するのが本書。

 発売から3年かけて10万部を突破したロングセラーで、その本質的で色褪せない内容から再び注目されている『イシューからはじめよ』です。

 「この仕事って本当にやる必要があるのかな?」と不安を感じることが多い人や、「生産性を高めるには仕事のスピードを高めなければならない」と思い込んでいる人にとって、仕事の取り組み方を根本から変える一冊となるでしょう。

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1.「生産性の高い仕事」の正体とは?

 そもそも「生産性」とは何を指すのでしょうか。

 本書ではシンプルに、「どれだけのインプット(投下した労力と時間)で、どれだけのアウトプット(成果)を生み出せたか」と定義しています。

 生産性を上げるには、「同じアウトプットを生み出すための労力・時間を削り込む」か、「同じ労力・時間でより多くのアウトプットを生み出す」必要があります。

 もちろん、ここで言うアウトプットとは「ビジネスパーソンとして顧客から対価を得るに足るもの」、つまり「バリューのある仕事」でなければなりません。

 バリューは、「イシュー度」と「解の質」という2つの軸で測ることができます。

 「イシュー度」とは「自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ」、そして「解の質」とは「そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い」となる。

 つまりバリューのある仕事とは、顧客にとって「答えを出す必要性の高い課題」を見極め、その課題に対して「質の高い明確な答え」を出すことです。

 多くの人は、とにかく時間をかけて「解の質」を高めることがバリューにつながると考えがちですが、本書ではこうした仕事のやり方を否定し、「課題の質」こそ大切だと説きます。

 なぜなら、「イシュー度」の低い仕事は「顧客にとって解決する必要性の低い本質的ではない課題」であって、それに対して「解の質」をいくら高めようと、顧客から見たときの価値はゼロに等しいからです。

 仕事の生産性を高めるには、「解決すべきイシュー」を見極めることで、余分な時間・労力を削るとともに、顧客にとって価値あるアウトプットを生み出す必要があるのです。

2.イシューの見極めには何が必要?

 イシューの見極めには、「具体的な仮説を立てること」と、それを「言葉にすること」が必要です。

 仮説を立てなければ、そもそも「答えを出し得るレベルのイシュー」にすることができませんし、何が「本当に必要な情報や必要な分析」なのか判断もできません。

 本書の例では、「◯◯の市場規模はどうなっているか?」という「設問」ではなく、「◯◯の市場規模は縮小に入りつつあるのではないか?」と「仮説」を立てることで、「答えを出し得るイシュー」になると言います。

 具体的な仮説を立てれば、「自分が何をどこまで調べるべきなのか」が明確になり、ムダな作業が減り、生産性が上がります。

 次に、それを言語化する必要があります。言葉にできないということは「結局のところ、イシューの見極めと仮説の立て方が甘い」のです。

 言葉にすることで「最終的に何を言わんとしているのか」をどれだけ落とし込めているかがわかる。言葉にするときに詰まる部分こそイシューとしても詰まっていない部分であり、仮説を持たずに作業を進めようとしている部分なのだ。

 文字数の都合上割愛しますが、本書では「イシューの言語化」のポイントとして、「主語」と「動詞」を入れる、「WHY」ではなく「WHERE」「WHAT」「HOW」のかたちをとる、比較表現を入れる、の3点が紹介されています。



3.「よいイシュー」3つの条件とは?

 「よいイシュー」とは、解決すべき課題として的を射ていることはもちろん、「自分やチームを奮い立たせることができるものであり、検証されたあかつきに受け手をうならせるもの」でなければなりません。

 そこには3つの共通項があると言います。

 1つ目は「本質的な選択肢である」こと。つまり「それに答えが出るとそこから先の検討方向性に大きく影響を与えるもの」です。

 「右なのか左なのか」というその結論によって大きく意味合いが変わるものでなければイシューとは言えない。

 例えばある食品メーカーが「ある商品Aが売れない」という理由を検討している場合。

「<Aに商品力がない> のか <Aに商品力はあるが、販売方法がよくない> のか」というイシューは、どちらであるかによってその後の戦略の見直しのポイントが大きく変わってくるため、よいイシューだと言えます。

 2つ目は「深い仮説がある」ことです。

 これは例えば、一般的に信じられていることの中で、それを否定できる、あるいは異なる視点で説明できるような「常識に反する」仮説があるということです。

 3つ目は「答えを出せる」こと。

 例えば「3社以上のプレイヤーがいる市場での値づけの問題」のように、ビジネスでは明確な答えを出すことができない問題がたくさんあります。

 「本質的な選択肢」であり、十分に「深い仮説」があったとしても、答えの出せないイシューでは意味がありません。

 イシュー見極めにおける理想は、(中略)誰もが「答えを出すべきだ」と感じていても「手がつけようがない」と思っている問題に対し、「自分の手法なら答えを出せる」と感じる「死角的なイシュー」を発見することだ。

 日々の仕事において「解決すべき課題は何か?」を考える際は、これらのポイントを念頭においてイシューを見極めるようにしましょう。

まとめ

 先に述べた通り、生産性を高めるためには「イシュー度」と「解の質」をどちらも高める必要があります。

 元マッキンゼーのコンサルタントが著者ということもあり、「解の質」を高めるためのフレームワークや具体的な方法論の紹介は、本書の大きな読みどころです。

 しかし一般的なビジネスパーソンにとって、コンサルタント視点で紹介されたフレームワークや分析手法の考え方は、自身の日常業務での活用イメージがしづらいと感じるかもしれません。

 大切なのは、本書で紹介されている分析手法や方法論を全て実践しようとすることではなく、「なぜイシューからはじめるべきなのか?」を理解した上で、自身の仕事に活かせる範囲を見極めて実践することです。

 具体的な方法論やビジネスシーンでの活用事例について詳しく知りたい方は、是非本書を手に取ってみて下さい。

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