渕脇レイナ×『幸せをつくるシゴト』
美女読書×レースクイーンのコラボ企画では、普段外見磨きが求められるお仕事をしている9名のモデルさんに、内面磨きやお仕事のお悩み解決に役立つビジネス書を紹介していきます!
一人目は渕脇レイナさん。「仕事を通してたくさんの人をハッピーにしたい」と願う彼女には『幸せをつくるシゴト』を紹介!
本書は、完全オーダーメイドのウェディングサービス「crazy wedding」代表の山川咲さんの著書です。
ウェディング事業自体が「幸せをつくるシゴト」であることは間違いありませんが、本書で語られていることは業界や仕事内容にかかわらず、あらゆる仕事の価値を高めるヒントになるはずです。
本書から、「幸せをつくるシゴト」に不可欠なものを学びましょう。
高額な買い物なのにできないことが多すぎる結婚式。
文化祭やサークルなどで、企画を形にしていくプロセスが大好きだったという山川さん。自分の結婚式は、東京ディズニーシーの「ブラヴィッシーモ!」のような壮大なスケールなものにしたいとの想いから、総勢20名以上のプロジェクトメンバーと一緒に、350名のゲストを呼んで、6時間にも及ぶウェディング・パーティを企画したと言います。
当然、通常の「パッケージウェディング」では対応し得ない規模と内容なので、実現させるのは困難を極め、著名なアートディレクターの力を借りて、すべてをゼロから自分たちで企画することになりました。
その過程で浮き彫りになったのが、ウェディング業界の画一化されたビジネスモデルによる弊害です。
ウェディング事業は、「良い(高価な)ハコを作って広告を出し、パッケージを作って、それをできるだけ高い単価と回転率で回す」というビジネスモデルのため、巨額の設備投資と広告費がかかり、それが料金に反映されて異常に高い結婚式が作り出されているのです。
にもかかわらず、回転率を上げるために業務は極限まで効率化されるので、企画自体の自由度は極めて低く、どのカップルも型にはまった選択式のプランを受け入れざるを得ないというのが実態です。
もちろん、効率化されたメニューの方が顧客の負担も減るし、失敗のない安心が保証されるというメリットはあります。しかし「人生で一番大切なイベントの一つ」と考えば、「高い割に自由度が低く、他のカップルと代わり映えしないパッケージウェディング」に違和感を覚える人も多いではないでしょうか。
著者自身、はじめはウェディング会社に「オリジナルウェディングがやりたい」と相談したようですが、自分たちの希望や夢はほとんど断れてしまったそうです。
たった二時間のパーティに、半年〜一年という時間と、数百万という金額をかけると思ったら、あんなにたくさんの「できない」ことがあること自体が不思議でしょうがないと私は思ったのだ。私にとっての結婚式は、どんなことでもできる、人生が変わる可能性があふれるイベントだ。
自分たちにしか創れないウェディングを創る。
さらに言えば、世の中に一つとして同じカップルはおらず、毎回がまったく新しい夫婦なのに、型にはまった選択式のプランで「一生に一度の大切な日」を本当に満足できる一日にできるのかという疑問も残ります。
「人生を変える」可能性を持つイベントだからこそ、もっと自分たちらしく、自分たちにしか創れないウェディングであるべきではないか。
そのために同社は、最初の面会の時に二人の話をじっくり聞いて「コンセプト・ストーリー」を決定し、二人の想いを中心にすべてのコンテンツをゼロから作っていくという手法をとっています。
こうして二人の人生を紡いだストーリーのあるウェディングだからこそ、親類や友人はもちろん、そこに関わるすべての人がつながりを感じ、心を一つにすることができるのです。
プロデューサー、デザイナー、クリエイターたちはクリエイティブな提案をするものの、その出発点には常に二人の意見が求められる。常に二人が主役で、常に二人が考える。葛藤したり、悩んだりしながら、二人は助け合って、意識決定や準備をする。そのことが結婚式ににじみ出るから、当日の空気が普通の結婚式とは明らかに違うのだ。
自身の結婚式を自分たちの力で理想的な形に作り上げた著者は、「私たちのような結婚式が世の中に増えたら、この世界は変わるのではないか」と考え、完全オーダーメイドのウェディングサービスをスタートしました。
crazy weddingは、著者自身の感動体験を一人でも多くの人に味わって欲しいという想いからできたサービスなのです。
“crazy wedding”の何が幸せをつくるのか?
crazy weddingが絶対に効率化・システム化させない部分が、この「コンセプト・ストーリー」をアナログで紡ぎ出すことです。
いかに回転率を上げるかという視点では作業の効率化がカギになりますが、結婚式という個人的なイベントにおいては、アナログで非効率な部分こそ、理想のウェディングをつくるためには不可欠だと言います。
当然そこには膨大な人件費が発生しますが、他社が設備投資や広告費に充てる金額を一流のクリエイター、プロデューサー、アートディレクターという「人」に割り当てることで、プロが作る高いクオリティの結婚式を妥当な価格で提供することができるのです。
多くの人たちは、用意された一般的な結婚式までのオペレーションに、流されて当日を迎えてしまう。だから、二人らしさや温度感が当日の結婚式に存在しづらいと私は思っている。私たちの結婚式が大切にしているのは、結婚式の主導権を二人に戻すことだ。
他社はできないと言うけれど、二人にとっては欠かせない想いを込めた結婚式を、ゼロから一緒に作り上げていくプロセスそのものが、「幸せをつくるシゴト」であり、そこには、ビジネスの効率化だけでは生まれないアナログなプロセスによって深まった絆があるのです。
「ビジネスではない」から人の心は動く。
「なぜそんなにビジネスが順調にいっているの? 秘訣は何?」という質問に対し、山川さんは「これはビジネスではないから」と答えると言います。
ビジネスではなく、自分の人生そのものとして取り組んでいるからだと。その想いがお客様やそこに関わるすべての人たちにも伝わるからこそ、幸せな感動体験をさらに増幅させてくれるのでしょう。
もともと、ビジネスとしてどう稼ぐか、どういうビジネスモデルにするかなど、私は考えていなかった。この事業は、山川咲という一人の人間が歩み、やっと見つけたことを世界に伝えようとする、私の人生のすべてを懸けた挑戦なのだ。何か稼げることをやろうとか、ビジネスチャンスがあるからとか、そういう次元で私は事業をしていない。
綺麗事に聞こえるかもしれませんが、「いかに稼ぐか」しか視野にないビジネスにもはや人の心は動かされないように思います。それだけ消費者は、企業の思惑や下心に敏感になり、それを見抜くようになっているからです。
「幸せをつくるシゴト」とは、働く人も、お客様も、そこに関わる人すべてが幸せになれるものなのです。
まとめ
会社やサービスが生まれたきっかけや、そこで働く人たちの背景ストーリーを知ると、そのサービスへの共感や信頼が増すものです。
事実、結婚式にまったく興味のなかった私でさえ、その素晴らしさを思い知らされ、結婚式を挙げる際は絶対に「crazy wedding」にお願いしたいと思うようになりました。
これが山川さんのもつ「幸せをつくるシゴト」の力なのでしょう。
自分の人生をかけて達成したい想いに真摯に向き合い、形にしていく過程のすべてが、そこに関わる人を幸せにしてくれるのです。
結婚式をどこで挙げるか悩んでいる方は、ぜひ本書を読んでみてください。
モデルプロフィール
・名前 :渕脇 レイナ
・生年月日 :1988.4.21
・出身 :神奈川県
・職業 :モデル、タレント
・興味ある仕事 :スポーツに関わる仕事。ご当地紹介の仕事。
・ブログ :「Happy life Diary」
・Twitter :@REINA_FUCHIWAKI