リッツ・カールトン創業者から学ぶ「仕事のやりがい」の見つけ方!

リッツ・カールトン創業者から学ぶ「仕事のやりがい」の見つけ方!




 こんにちは、ふみやです。

 「仕事にやりがいを見出せない」「仕事が楽しくない」という悩みを抱えている人は少なくないと思います。

 だからといって転職や起業がしたいわけではなくて、ただ、今の仕事にもう少しワクワクしたい。そんな風に願う人も多いでしょう。

 会社員として働き始めたとき、僕もそう思っていました。やりたい仕事だったわけでもないのに、他から内定がもらえず、焦って決めてしまったことで、仕事にワクワクできていなかったのです。

 その後、自分のやりたいことをやるために会社を辞め、今はフリーランスとして働いています。でももし会社を辞める前にこの本を読んでいたら、もう少し働き続けていたかもしれません。

 今回ご紹介する『伝説の創業者が明かす リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』は、組織に属するすべての人にとって最も重要なことを思い出させてくれる本です。

 著者のホルスト・シュルツ氏はドイツの片田舎出身で、ホテルの灰皿掃除から始まり、のちにアメリカへ渡って「世界最高レベルのホスピタリティ」とまで称されるリッツ・カールトンを創設し、初代社長を務めた人物です。

 この本には、シュルツ氏がリッツ・カールトンのリーダーたちに向けてだけではなく、出勤初日の皿洗いのアルバイトに対しても要求していることが書かれています。

 そのためリーダーシップを求められる立場の人だけでなく、組織の中でいわゆる「重要ではない」と思われるような立場の人にもオススメできる一冊です!

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なぜ仕事にやりがいを持てないのか?

 シュルツ氏は、人間は「目的を持って生きたい」という欲求を持っていると考えています。

 私たちは、目的のない人生を送るようには設計されていない。何か価値のあることをしたいと願っている。(p.173)

 しかしやっている仕事の目的がぼやけてくると、人はやりがいをも失ってしまいます。特に現代人は、仕事に「意味」を求めているからなおさらです。

 そして仕事の目的や意味を伝えて、やりがいにつながるものを持たせるのが本来のリーダーシップであると述べています。しかし多くのリーダーは仕事の「強制」はしていても、「やる気」にさせることができていません。

 もし身近な先輩や上司といったリーダーが、あなたを人としてではなく、単なる労働力としてしか見ていなくて、椅子やコピー機のように割り当てられた機能だけを要求してきたらどうでしょう?

 その仕事に面白みを感じられないかもしれませんよね。言われ方によっては、やる気を無くしてしまうかも…。しかしそれは自然な反応なのです。なぜなら人は、「命令」や「指示」によってではなく、その人自身の「動機」「目標」によって動くからです。

仕事にやりがいを持つ方法

 会社という組織の中で、やりがいを感じながら働くために重要なことは、社員個人の目的と、会社の関心事が一致することです。つまり社員が会社の関心事を知って、それに共感し、自分の目的とすることによって、社員はやる気になるということです。それは会社にとっても、社員にとっても素晴らしいことですよね。

 だが、お金は最大の要因ではない。もっと重要なのは、自分が価値のある夢の一部であると感じられることだ。 (p.183)

 言い換えるなら、会社の中で働くことにやりがいを見出したいのであれば、自分が属している会社の関心事・夢を知らなければなりません。この関心事・夢が「ビジョン」であり、会社のビジョンに共感して、自ら結果をつかもうとすることが、社員としてのやりがいにつながるのです。

 会社のビジョンを社員の目的に落とし込めるようにすることは、本来はリーダーの仕事です。それを十分にしてもらえず、ただ単に仕事を振られているだけで、やりがいを持てずにいる人も多いかもしれません。

 しかしリーダーを恨んでも変わりません。自ら会社のビジョンをつかんで、自分の仕事の目的となるように行動しましょう!

 また会社のビジョンに対して常に高い意識でコミットするためには、自分に定着させることが重要です。そのためには、徹底的に繰り返すのみです。

 リッツ・カールトンでは、シュルツ氏たちが創設以来、大切にしてきたクレド(信条)を全員に伝え、定着させ、コミットするようになるために、様々な取り組みをしているそうです。オリエンテーションや、朝礼を丁寧に行ったり、クレドカードを全従業員が常に持ち歩くようにしたりしています。



いちばん重要な仕事とは?

 シュルツ氏はホテル業界に限らず、顧客を抱える全サービスに共通する4つの最重要事項を掲げています。中でも最も大切にしていると思われるのが「既存のお客様を維持する」ことです。

 シュルツ氏にとって、一度リッツ・カールトンを利用した顧客が、二度目に利用してくれないということは決して軽い問題ではありません。また使っていただくためには、従業員全員で常に最高のホスピタリティを維持する必要があり、そのためには従業員全員がビジョンをよく理解していなければなりません。

 「既存のお客様を維持する」と表現すると淡白に聞こえますが、言い換えるなら「顧客ファースト」を全社員が徹底するということでしょうか。言い回しは変わっても、これはどんな会社のビジョンにも含まれているはずです。

 これがすべての社員にとっていちばん重要な仕事であり、本当の仕事のやりがいなのです。

 事務であれ営業であれ、社長であれ平社員であれ、その会社の全員が、同じ顧客を観ているのかが、会社のサービスに大きく影響してきます。

 シュルツ氏がこの最重要事項のために作った「$2,000の決裁権」と呼ばれる、伝説的なホスピタリティ制度があります。これは全従業員が、お客様のためなら1日につき$2,000まで自由に使うことができるという制度です。$2,000ということは日本円で20万円以上。全従業員が毎日この金額を自由に使えると考えると、リスクの大きい制度のように思えるかもしれません。

 しかしほどほどのサービスだったら満足してもらえず、次の利用はなかったかもしれないお客様が、この制度によってリッツ・カールトンのファンになってくれるのです。シュルツ氏は「お客様がワクワクしてくれる仕事に卓越する」と表現していますが、まさにやり過ぎと思えるくらいのサービスで、お客様一人ひとりを大切にしているということがよくわかります。だからこそ従業員一人ひとりを大切にすることもできるのでしょう。

まとめ

 本書の中には、リッツ・カールトンのホスピタリティから生まれた感動的な事例がたくさん書かれています。僕は読んでいて、なんども目頭が熱くなりました!(正直、少し泣きました)

 そのほとんどが、シュルツ氏本人のエピソードではなく、従業員たちのエピソードであるというのも興味深いところ。シュルツ氏のビジョンや考え方が従業員たちにしっかりと浸透し、実践されている証拠です。

 これらのストーリーは、今の仕事にやりがいが感じられなくて悩んでいる人に、会社のビジョンを再確認させ、顧客を大切にする心をもう一度、思い出させてくれるでしょう。

 みなさんもぜひ、仕事のやりがいについて考えてみてはいかがでしょう。

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ふみや
日本語教師として働きながら、WEBライターを目指す育メン

好きな本のジャンル:ビジネス書、心理学系、教育系
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