「自分」という商品を高く売るには?マーケティング戦略から考える

「自分」という商品を高く売るには?マーケティング戦略から考える




 「年収が高い仕事がしたい」とか「好きなことを仕事にしたい」とか「残業せずに済む職場で働きたい」とか、仕事や働き方について考えるときって、どうしても自分のことを中心に考えてしまいがちですよね?

 でもそれらを手に入れるために何より重要なのは、「自分を必要とする相手は誰か?」「自分がその人に対してできることは何か?」という相手の目線を持つことです。

 なぜなら、今勤めている会社であれ、取引先であれ、転職希望先の企業であれ、あなたを必要としてくれる人が多ければ多いほど、あなたの理想とする仕事や働き方を手に入れやすくなるからです。

 相手から必要とされるためには、自分のことを「商品」と捉え、その価値を高める方法を考えることが有効です。そのためにマーケティング戦略の考え方を導入することを勧めているのが、『「あなた」という商品を高く売る方法』という本です。
 
 著者は、日本IBM出身のマーケティング戦略アドバイザー・永井孝尚さん。ベストセラー『100円のコーラを1000円で売る方法』の著者でもあります。

 永井さんは根っからの競争嫌いで、いつも正面からの競争を避け、誰もいない分野で好きなことを続けてきたそうです。

 実はこの「競争を避ける」というのが、競争戦略の「本質」です。というのも「競争を避ける」というのは、つまり「他人がやっていないことをやる」ということであり、これが「自分という商品」の価値を高める方法だからです。

 「他人がやっていない、好きなことをする」というのは、マーケティング戦略上、自分の価値を高めるために非常に重要なアプローチです。



あなたを必要とする人は必ずいる!

 「あなたの代わりならいくらでもいる」という状態では、「あなたという商品」を高く売ることはできません。狙うべきは、「あなたという商品」が相手のニーズに合っていて、かつ他の誰もその価値を提供できない、「完全独占」の状態です。

 「他に選択肢がない唯一の存在」になれれば、「戦わずして勝つ」ことができるようになります。

 一個人にそんなことできるはずない、と思われるかもしれませんが、成熟した現代社会では、消費者のニーズは多種多様化し、細分化されています。その細分化されたニーズに特化すれば、ライバルはいなくなり、競争は避けられる、というのが本書の主張です。

 消費者が「より自分らしく、よりワガママに」なったからこそ、あなたを必要とする人は必ずどこかにいる。現代では、細分化されたニーズに特化すれば、競争は避けられるのだ。(P.24)

「バリュープロポジション」の作り方!

 完全独占の状態を手に入れるために、まずはあなたの「バリュープロポジション」をつくることから始めましょう。バリュープロポジションとは、「相手が求めていて、自分しか提供できない価値」のことです。

 以下の4つのステップで、あなたのバリュープロポジションを見出すことができます。

  1. 「自分の強み」を徹底的に考える。なければ強みをつくる。
  2. 自分の強みを必要としている人、つまり「ターゲット」が誰かを考える。
  3. ターゲットが、なぜあなたの強みを必要としているのか、つまり「ニーズ」がどこにあるのかを考える。
  4. 相手が必要とすることに、いかに応えるか、つまり具体的な「自分の仕事」をどうするかを考える。

 この4つがお互いに密接につながり、全体として首尾一貫していることが大切です。



 以下の表は、著者の永井さんの場合のバリュープロポジションです。

①どんな強みを活かして
(自分の強み)
マーケティングの失敗経験
+その後学んだマーケティング知識
+その後のマーケティング戦略策定
②誰の
(ターゲット)
マーケティングを知らず、価格競争で疲弊する企業やビジネスパーソン
③どんな悩みに
(ニーズ)
価格勝負から価値勝負に進化したい
④いかに応えるか(自分の仕事) 自分の経験に基づき、ブログや、ビジネス書を執筆(100円コーラシリーズなど)

 あなたも是非、実際にこの表にあてはめながら自分のバリュープロポジションについて考えてみて下さい。

 この記事では、自分を「商品」と捉え、それを売るための考え方についてざっくりとご紹介しました。

 しかし本書の本領は第4章。「強み」の育て方についてです。なぜならバリュープロポジションのコアとなるのは「自分の強み」だからです。この強みが優れているほど、「自分という商品」は「高く」売ることができます。

 いくら頑張って仕事をしても会社から評価されない、給料が上がらないことに悩んでいる方は、自分の値打ちを高めるために、ぜひ本書を参考にしてみて下さい!




投げ銭でサポートする

当サイトは広告収入と寄付によって運営しております。もし可能でしたら、投げ銭によるサポートをご検討いただけますと幸いです。




YouTube人気動画




殿堂入り記事