こんにちは、平 理沙子です。私はIT企業に勤める26歳。最近は、2日に1冊の読書を心がけています。
この頻度で読書をすると、結構な本が貯まります。今までの本棚では収納しきれなくなってしまったので、先日大きめの本棚に新調しました! そこに読んだ本を並べていくのが最近の趣味です。
そんな私の今の悩みは、いくら本を読んでも内容が頭に定着しないことです。読み終わった本の背表紙を見て、「この本には何が書かれていたっけ?」と思うことも多々…。これではどれだけたくさんの本を読んでも、意味がないですよね。
そこで、読んだ本を確実に自分のものにするために、一度読書の方法を見直してみようと思い、明治大学教授・齋藤孝先生の『大人のための読書の全技術』を読んでみました。
そもそも読書は必要なのか?
『大人のための読書の全技術』には、その名の通り、忙しく働く大人が読書の習慣を身につけ、日々の仕事に活かしていくための全技術が紹介されています。
ただ、インターネットなら無料で大量の情報を得ることができる今、そもそも「本当に読書は必要なの?」と疑問に思う方も多いと思います。
たしかに、テレビやインターネットには膨大な情報が溢れています。しかしこれらの情報は、楽に受け取ることができてしまうがゆえに、情報を自分のものにするというプロセスが欠落し、一方的に受け取るだけで終わってしまいがちです。
それに対して、読書から得る情報は、文字を追い、頭の中で意味を咀嚼して、自分の中へ変換していくプロセスが必要なため、自分のものになりやすいのです。
また、読書を通じてこの変換プロセスを繰り返すことは、思考力を鍛えることにもつながります。思考力が鍛えられると、頭にスッと入るわかりやすい説明がテキパキとできるようになるので、仕事において非常に強力な武器となります。
そうは言っても、普段の生活が忙しくて読書の時間なんて取れない…という方も多いですよね。そこで本書では「時間対効果の高い読書ライフ」を送れるようになるために、「速読モード」と「精読モード」という二種類の読み方が提唱されています。
具体的にどんな読み方なのか、以下それぞれの方法を紹介します。
現代人に必要不可欠!「速読」の技術
現代社会は言わずもがなのスピード社会。忙しい大人は本を読む時間も限られているため、短い時間で出来る限り多くの情報が得られるよう、「速読」の技術を身に付けることが必須となっています。
速読のポイントは以下の2つ。
- 目を早く動かしていく。
- 全体の中で、必要な部分をピックアップし、そこを集中的に読む。
しかし、このように「速読」してどんどんページをめくっていっても、内容が頭に入っていなければ何の意味もありません。
そこで齋藤先生は「今読んでいる本の内容を、誰かに説明する」ことを前提として決めてしまうことを勧めています。
「人に説明する」ためには、内容をきちんと理解し、自分の頭の中で整理しておく必要があります。つまり最初から「誰かに説明する」と決めておけば、自分の頭で整理しながら読もうという意識が高まるので、記憶に残りやすくなるのです。
「誰かに説明する」というのは、書評を書くのも一つの方法です! 私も、書評を書いた本はまだ数冊ですが、漫然と読んだ本よりも内容が頭に入っていると感じます。
このように、記憶に残る速読を心がければ、本の重要な箇所を確実に自分のものにしながら、多くの本を読めるようになります。読書量が増えれば、それだけ視野が広がるので、仕事にも良い影響が生まれるはずです。
速読力を磨くならコレ
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引用力が教養になる!「精読」の技術
速読の重要性はわかるけど、ただでさえ忙しくて読書の時間がとれないのに「精読」も必要なの? と思われる方は多いのではないでしょうか。(実際、私もそう思っていました)
しかし読書の効果を最大限に高めるためには、精読は必須だと齋藤先生は言います。なぜなら、社会人として他者と差をつけて活躍するためには、「教養」を身に付けることが重要だからです。
ここでいう「教養」とは、「雑談力」「コミュニケーション能力」とも言い換えられます。
深い教養があると、商談のアイスブレイク(本題に入る前の雑談)の場面での会話の幅が広がります。すると共通の話題が見つかりやすくなって、アイスブレイクが成功しやすくなるのです。相手の懐に入ることができれば、商談の成功率も高くなるでしょう。
「教養というものは、引用力そのものである」と齋藤先生は述べています。教養を身につけるためには、本の内容を引用できようになるくらい、しっかりと精読をして自分のものにすることが重要なのです。
そのために欠かせないのが「音読」です。
音読といえば、皆さんも小学校の授業で実践した記憶があると思います。(『走れメロス』の冒頭なんかは、今でも暗唱できてしまいますよね)
声に出して読むと、黙読したときよりも強く記憶に残るというのは、みなさん実感が湧くところだと思います。
音読というのは、言うなれば一歩一歩踏みしめて遠足に行くようなものだと齋藤先生は言います。普通の読書よりも時間や体力はかかってはしまいますが、一度自分で踏みしめた道は簡単には忘れないのです。
この章を読んで、私に足りていなかったのは「精読」だったと痛感しました。これからは、速読で何となく意味を理解するだけでなく、重要だと思った箇所は、引用できるくらい繰り返し音読し、本を自分の血肉にしていきます!
本で学んだ情報は実行してこそ意味がある
以上のように、「速読」と「精読」を組み合わせれば、読書の効果を最大限に高めることができます。しかし、ただ本の内容を理解するだけで、自分自身の生活に活かしていかなければ、読書の意味は半減してしまいます!
そうならないためには、「アウトプット」を常に意識することが大切です。本で読んだことを「これ知ってます」で終わらせるのではなく、実行していくのです。
読んだ本の内容を行動に移し、仕事上の課題解決に役立てていくことこそが、大人に必要な読書の技術です。今までの私と同じように、「本がただただ本棚の肥やしとなっている…」という方は、ぜひ本書を手にとってみてください。